地理的表示・産地呼称が認められた世界に通じる4つの有名焼酎ブランド

地理的表示・産地呼称が認められた世界に通じる4つの有名焼酎ブランド
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壱岐焼酎、球磨焼酎、琉球泡盛、薩摩焼酎といえば、世界貿易機関(WTO)のトリプス協定で、地理的表示が認められた日本屈指の焼酎ブランドです。ここでは世界に通じる有名焼酎の、それぞれの特徴や代表銘柄を見ていきましょう。

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麦焼酎発祥の地に伝わる「壱岐焼酎」

麦焼酎発祥の地に伝わる「壱岐焼酎」

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壱岐焼酎の定義と特徴

WTOのトリプス協定により、知的所有権のひとつとして地理的表示・産地呼称が認められている焼酎は、2020年夏時点で国内に4ブランドあります。その筆頭に挙げられるのが、麦焼酎発祥の地といわれる長崎県の壱岐島(いきのしま)で育まれる壱岐焼酎です。

壱岐焼酎は、大麦と米麹、壱岐市内の水を原料に造られた本格麦焼酎。麦と米麹を2:1の割合で配合し、仕込みから瓶詰めまでの工程を壱岐市内で行ったものしか、壱岐焼酎の名を冠することはできません。

大きな特徴は、麦の香りと米の甘味。仕込みや割り水に使われるミネラル豊富な地下水も、壱岐焼酎の厚みのある味わいとキレのよさに一役買っています。

壱岐焼酎の魅力・代表3蔵

壱岐焼酎のおすすめ銘柄

壱岐焼酎のおすすめ2銘柄を紹介します。

【天の川】

常圧蒸溜と貯蔵にこだわる天の川酒造の主要銘柄です。小説家の開高健が愛したことで知られるこの焼酎は、麦の風味と米の甘味に加え、コクと旨味が感じられる逸品。定番の「天の川」のほか、地元産の米と大麦で醸した「天の川 壱岐づくし」、樫樽熟成の「天の川 金印」、30年古酒「天の川 VERY OLD」もおすすめです。

製造元:天の川酒造株式会社
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長崎の焼酎【天の川(あまのかわ)】芥川賞作家・開高健が愛したこだわりの壱岐焼酎

【壱岐】

壱岐島で一番高い山のふもとで蔵を営む玄海酒造が明治33年(1900年)の創業当初から大切に育んできたのが、むぎ焼酎「壱岐」です。500年の伝統を持つ壱岐独特の製法で醸される雫は、麦の風味と米由来の天然の甘味が特徴。その軽快な香りとまろやかな味わいは、どんな料理とも絶妙にマッチします。

製造元:玄海酒造株式会社
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長崎の焼酎【壱岐(いき)】世界が認めた産地指定の麦焼酎

「球磨焼酎」は良質な米の産地で生まれた米焼酎

「球磨焼酎」は良質な米の産地で生まれた米焼酎

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球磨焼酎の定義と特徴

球磨焼酎は、良質な米の産地で知られる熊本県人吉球磨地方に伝わる本格米焼酎。国内産の米と国内産米から造った米麹、人吉市または球磨郡の水のみを使用し、仕込みや蒸溜、貯蔵、瓶詰めまでの工程を人吉球磨地方で行った信頼のブランドです。
球磨焼酎の特徴は、米由来のさわやかな香味とまろやかな甘味。冬季の平均気温が低く寒暖差の大きいこの地域の気候と、球磨川水系の軟水が、このような魅力を際立たせています。

熊本県人吉地方で造られる「球磨焼酎」は産地呼称が認められた人気ブランド

球磨焼酎のおすすめ銘柄

球磨焼酎のおすすめ2銘柄を紹介します。

【武者返し】

明治23年(1890年)創業の寿福酒造場が手がける、熊本県産ヒノヒカリ100%使用の米焼酎。まろやかでやさしい味わいに、コクや旨味も兼ね備えた温かみのある1本です。甘味やまろやかさを存分にたのしむには、お燗がおすすめ。

製造元:合資会社寿福酒造場
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熊本の焼酎【武者返し(むしゃがえし)】ヒノヒカリ100%のこだわり焼酎

【吟香鳥飼(ぎんかとりかい)】

400年前から人吉で酒造りを営んできた老舗蔵、鳥飼酒造が大切に育む唯一無二の米焼酎。精米歩合を58%まで磨き上げた吟醸麹と自家培養酵母で醸されるこの酒の特徴は、まろやかな味わいと吟醸酒を思わせる華やかで上品な香りにあります。

製造元:鳥飼酒造株式会社
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熊本の焼酎【鳥飼(とりかい)】自然が育む豊かな香りに酔いしれる焼酎

「薩摩焼酎」は鹿児島が育む芋焼酎

「薩摩焼酎」は鹿児島が育む芋焼酎

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琉球泡盛の定義と特徴

琉球泡盛は、500年以上前に琉球地方に伝来したといわれる沖縄の特産物。酒税法上は単式蒸溜焼酎(本格焼酎)に分類されますが、その製法は独特です。

原料は米、麹菌は黒麹のみを使用し、仕込みは1度きりの「全麹仕込み」で行います。米を原料とする米焼酎と決定的に異なるのは、通常2回の仕込みを1度に行うことと、原料に国産米を使うのではなく、多くの銘柄でタイ米が用いられるということ。このような独特の製法によって、濃厚な香りと芳醇な味わいが生み出されています。

こうして仕上がった泡盛のうち、沖縄県の水を使用し、発酵から蒸溜、貯蔵、瓶詰めまでの全行程を県内で行ったものだけに、琉球泡盛のブランド名を冠することが許されています。

なお、3年以上熟成させた泡盛は「古酒(クース)」と呼ばれ、愛飲家に親しまれています。

沖縄が世界に誇る「泡盛」の魅力を大解剖!

琉球泡盛のおすすめ銘柄

球磨焼酎のおすすめ2銘柄を紹介します。

【瑞泉】

首里三箇(琉球王国時代に王府から泡盛製造を認められた地域)をルーツに持つ、瑞泉酒造が手がける銘酒。長年受け継がれてきた伝統製法で造られた原酒を、貯蔵年数や貯蔵法別に展開しています。また、新酒や古酒をブレンドすることで、幅広いラインナップを世に送り出しています。

製造元:瑞泉酒造株式会社
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沖縄の焼酎(泡盛)【瑞泉(ずいせん)】琉球時代からの伝統と技が育む酒

【残波】

沖縄本島の絶景スポット、残波岬の近くで蔵を営む比嘉酒造の自信作。黒麹仕込みならではの深い味わいとコク、芳醇な香りが魅力の「残波ブラック30度(ザンクロ)」、フルーティーな香りと軽快な味わいで女性や泡盛ビギナーの人気を集める「残波ホワイト25度(ザンシロ)」などがあります。

製造元:有限会社比嘉酒造
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「残波(ざんぱ):比嘉酒造」は世界で評価される、飲みやすい琉球泡盛

「琉球泡盛」は焼酎の元祖

「琉球泡盛」は焼酎の元祖

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薩摩焼酎の定義と特徴

薩摩焼酎とは、鹿児島県産のさつまいもを原料に、鹿児島県内で製造・瓶詰めされた本格芋焼酎のこと。麹には通常、米焼酎には米麹、麦焼酎には麦麹を使いますが、芋焼酎にはおもに米麹が用いられています。

シラス台地が広がる鹿児島県は、さつまいもの栽培に適した土地。その生産量は日本一を誇ります。またこの地では、明治時代に酒税法が施行されたのを契機に、黒瀬杜氏や阿多杜氏といった杜氏集団が活躍し、焼酎の製造技術を確立。その技を現代に受け継ぎ、官民一体となってさらなる研鑽を積んできました。

良質で新鮮なさつまいもと長年磨き上げられた技術で醸される薩摩焼酎の魅力は、華やかかつ芳醇な香りと甘く濃厚な味わいにあります。もちろん、香味やコク、キレなどは蔵によってさまざまです。

焼酎好きをうならせる薩摩焼酎の味わい

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薩摩焼酎のおすすめ銘柄

薩摩焼酎のおすすめは、「3M(スリーエム)」と呼ばれる3種のプレミアム焼酎。入手は困難ですが、チャンスがあったらぜひ味わってみたいものです。

【魔王】

明治37年(1904年)創業の白玉醸造が手がける幻の芋焼酎。力強い銘柄名とは裏腹に芋の個性を主張しない、フルーティーで飲みやすい1本です。

製造元:白玉醸造株式会社
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鹿児島の焼酎【魔王(まおう)】味わいもその名もインパクト絶大!

【村尾】

種麹に黒麹を使用し、伝統のかめ壺で仕込んだ、味わい深い芋焼酎。芋らしい香ばしさと、甘味やまろやかさ、キレのよさなどを兼ね備えた口当たりのよい逸品です。

製造元:村尾酒造合資会社
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鹿児島の焼酎【村尾(むらお)】鹿児島を代表するプレミアム芋焼酎が入手困難な理由

【森伊蔵】

フランスのシラク元大統領も愛したことで知られる、世界に名だたる芋焼酎。甘い香りとすっきりとした上品な味わい、かめ壺仕込みならではのマイルドでまろやかな口当たりが特徴です。

製造元:有限会社森伊蔵酒造
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「森伊蔵(もりいぞう)」は鹿児島が誇るプレミアム芋焼酎

壱岐焼酎、球磨焼酎、琉球泡盛、薩摩焼酎は、スコットランドのスコッチウイスキーやアメリカのバーボン、フランスのボルドーワインやシャンパンのように、日本が世界に誇る4大有名焼酎ブランドです。飲み比べをたのしんで、とっておきの銘柄を見つけてみては?

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