ニッカが造る焼酎?! ウイスキー蒸留所が造る焼酎とは?

ニッカが造る焼酎?! ウイスキー蒸留所が造る焼酎とは?

ジャパニーズウイスキーを代表する蒸留所のニッカウヰスキーは、ウイスキーだけでなく2017年に麦焼酎の蒸留を始めました。また、同じくウイスキーを蒸留する本坊酒造でも焼酎が造られています。どんな味わいなのでしょうか?

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焼酎とウイスキーの製造方法

焼酎とウイスキーの製造方法

KikoStock/ Shutterstock.com

2017年6月、ある洋酒メーカーが新商品を発売しました。

「日本のウイスキーの父」と呼ばれる竹鶴政孝氏が創業者である洋酒メーカー「ニッカウヰスキー」が売り出したのは、本格麦焼酎「ニッカ・ザ・麦焼酎」。ウイスキー蒸留所ですが、その技術を駆使して焼酎も造っているのです。

西洋のウイスキーと日本の焼酎。これらは両方とも蒸留酒です。酒税法上の分類によると、ウイスキーは、「発芽させた穀類及び水を原料として糖化させて発酵させたアルコール含有物を蒸溜したもの」。焼酎(ここでは単式蒸溜焼酎に限定)は、「アルコール含有物を連続式蒸溜機以外の蒸溜機により蒸溜したもの(アルコール分が45度以下のもの)」とあります。

ごく簡単にいってしまうと、ふたつの大きな違いは、糖化にそれぞれ大麦麦芽、麹を使っていること、蒸溜の回数、そして色合いです。

この色の差というのが見逃せない大きなポイントで、酒税法ではウイスキーと焼酎の着色度に厳密な決まりがあります。焼酎はウイスキーの10分の1程度の色の薄さでなければならず、また、その着色は自然なものに限られています。

一般的に蒸溜された焼酎は3ヶ月程度貯蔵され、品質が安定してから出荷されます。もともと貯蔵熟成をすすめると、焼酎の味が味わい深く変化することは知られており、さまざまな酒蔵でどんな種類の貯蔵容器を使うかが研究されていました。そのうち素焼きの甕、ステンレスやホーロー製タンクに、ウイスキーやブランデーで使われている樫樽が加わるようになり、いまでは「樫樽貯蔵」がファンの間では焼酎選びのキーワードのひとつになっています。

ほのかな琥珀色、甘く香ばしい香りを纏った樫樽貯蔵の焼酎は、焼酎の無限なる発展の可能性を私たちに感じさせてくれます。

洋酒のプロが造る焼酎「ニッカ・ザ・麦焼酎」

洋酒のプロが造る焼酎「ニッカ・ザ・麦焼酎」

givaga/ Shutterstock.com

洋酒のプロフェッショナルである「ニッカウヰスキー」が、新たに麦焼酎造りに挑戦。80年もの間培った蒸留、樽貯蔵、ブレンドのすべての技術を注ぎ込み、本格麦焼酎「ニッカウヰスキー チーフブレンダー特製ブレンド ニッカ・ザ・麦焼酎」を完成させました。

ピートが薫るウイスキーを貯蔵した樽に原酒となる麦焼酎を貯蔵したおかげで、ピートのスモーキーな薫りがしっかりと生かされています。同時にすっきりとした麦焼酎らしい味わいも特徴的。ロックやハイボールがおすすめです。

ニッカ・ザ・麦焼酎の詳細はこちら
https://www.asahibeer.co.jp/ntm/

ワイン、ウイスキーも造る「本坊酒造」

ワイン、ウイスキーも造る「本坊酒造」

Shaiith/ Shutterstock.com

明治5年に創業、明治42年には薩摩半島南西の津貫でサツマイモを使った焼酎の製造を開始した「本坊酒造」。昭和24年にはウイスキーの製造免許も取得し、現在は焼酎、ウイスキー、梅酒、ワインなどの製造を手がけています。

鹿児島県内には4つの焼酎蔵と梅酒蔵、山梨県にワイナリー、そして長野県と鹿児島県にウイスキー蒸溜所があります。「地域に根ざし、地域の資源を活用し、歴史、文化、人、技術の響和をもって、独自の“本坊クオリティー”を追求する」が経営理念。全国でその土地でしか造れない、個性的な酒造りを行なっています。

本坊酒造の詳細はこちら
https://www.hombo.co.jp/marswhisky/

同じ蒸留酒でも味わいも見た目も違う焼酎とウイスキー。その特徴を知れば、よりおいしく飲めそうですね。

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