「カルダモン焼酎」とは?スパイスの女王“カルダモン”を使った熊本発リキュール!作り方や飲み方も紹介

「カルダモン焼酎」とは?スパイスの女王“カルダモン”を使った熊本発リキュール!作り方や飲み方も紹介
出典 : 十兵衛 / PIXTA(ピクスタ)

「カルダモン焼酎」とは、スパイスの女王“カルダモン”を使用した焼酎ベースのリキュール。熊本県の豊永酒造がカレーに合わせて造りあげた「カルダモンTAKE7」が有名です。今回は、カルダモンというスパイスの特徴や「カルダモンTAKE7」の魅力、カルダモン焼酎のおいしい飲み方を紹介します。

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「カルダモン焼酎」の概要や、材料に使われるスパイス「カルダモン」の特徴からみていきます。

カルダモン焼酎とはどんなお酒?

カルダモンとボトル

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「カルダモン焼酎」とは、焼酎にカルダモンの香りや風味を移したお酒で、スパイスリキュールの一種です。

カルダモンは「スパイスの女王」「香りの王様」などと評されるショウガ科のスパイスで、さわやかかつエキゾチックな香りが特徴です。カレーの主原料として知られるほか、肉や魚料理、ドレッシング、パン、スイーツ、チャイなどの香りづけに使われます。

カルダモン焼酎の魅力はカルダモン由来のさわやかでエキゾチックな風味にありますが、カルダモンから溶け出す有効成分にも注目が集まっています。

カルダモンとはどんなスパイス?

スパイスの女王と呼ばれるカルダモン

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まずは、カルダモン焼酎の原料のひとつ、カルダモンの概要からひもときます。

「スパイスの女王」「香りの王様」の異名を持つエキゾチックな高級スパイス

カルダモンとは、カレーの主原料のひとつとして重宝されるスパイスの一種。サフラン、バニラに次ぐ高価なスパイスとしても知られ、甘くさわやかでエキゾチック、上品かつ高貴な印象をまとったその香りから「スパイスの女王」「香りの王様」とも呼ばれています。

カルダモンはショウガ科の多年草で、和名を「小豆蔲(しょうずく)」といいます。原産地はインド南部。南インドやスリランカ、マレーシア、グアテマラなど、おもに熱帯から亜熱帯地域で栽培されており、日本での栽培は難しいとされています。収穫時期は地域によっても異なりますが、9〜2月ごろといわれています。

カルダモンは種子の長さ2センチほどの実が緑色のうちに摘み取り乾燥させ、おもにごま粒大の種子をすりつぶすなどして、スパイスに活用します。種子を包むさやの部分が使われることもあります。

カルダモンにはグリーンカルダモンやブラックカルダモンなどの種類があり、それぞれ香りや用途が異なります。料理のレシピに登場する「カルダモン」は、もっとも良質とされるグリーンカルダモンを指すのが一般的。ブラックカルダモンはグリーンカルダモンの3倍ほどの大粒で、スモーキーで強い香りが特徴です。

ホワイトカルダモン、ブラウンカルダモンも存在しますが、ホワイトカルダモンはグリーンカルダモンを漂白したもの、ブラウンカルダモンはブラックカルダモンの別名として使われます。

グリーンカルダモンの実

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カルダモンは古くから香辛料や薬用に使われてきた

カルダモンは世界最古のスパイスのひとつで、紀元前1000年以上前から香辛料(スパイス)や生薬として使われてきました。

古代エジプトでは口腔ケアとして、また神聖な場所で祈祷をする際に焚かれるお香として、古代ローマや古代ギリシャでは香水や消化薬に用いられていたといいます。インドでも古くから薬用として重宝され、最古の伝統医療であるアーユルヴェーダの古典書にも登場しているそう。

のちに海を越えヨーロッパへと渡ったカルダモンは、香辛料として発展。日本では明治以降に健胃薬の原料となる生薬として珍重されてきました。

カルダモンは現在も料理や生薬、サプリメントの材料として利用され、「食欲増進」「口臭予防」「血行促進・発汗」「抗炎症」などの効果効能に期待が寄せられています。

カルダモンの実と種子

yukimco / PIXTA(ピクスタ)

甘くさわやかな香りとピリッとした辛味、ほのかな苦味が特徴

カルダモンの印象的な香りから、カレーやデザート、ドリンクなど幅広い料理の香りづけに使われる印象がありますが、実際は肉や魚の臭み消しや風味づけに使われることもあります。

香りや味の特徴、スパイスとしての用途をそれぞれみていきましょう。

◇カルダモンの香り
スパイシーで清涼感のある上品な香り。かすかにシトラスのニュアンスも。

◇カルダモンの味わい
ピリッとくる辛味とほのかな苦味がある。

◇カルダモンのスパイスとしての用途
インド料理では、カレー粉やガラムマサラ、チャイなどに使用。肉や魚など食材の臭み消しに使われることもある。砂糖との相性がよく、パンや焼き菓子、デザートなどに用いることも。
アラブ諸国ではカルダモンで香りづけをした「カルダモンコーヒー」がおもてなしに使われています。

カルダモン焼酎といえば「カルダモンTAKE7」が有名

カルダモン焼酎の炭酸割り

NOBUHIRO ASADA / Shutterstock.com

カルダモン焼酎といえば、「スパイスを使ったカレーに合う焼酎を」という要望から誕生した「カルダモン TAKE7」が有名です。

「カルダモンTAKE7」の造り手は熊本の焼酎蔵元・豊永酒造

「カルダモン TAKE7」を手がけるのは、球磨焼酎「豊永蔵」で名高い熊本県の老舗蔵元、豊永酒造。明治27年(1894年)の創業当初から自社田で育てた米を使用し、球磨地方のテロワールに根ざした焼酎造りを行ってきました。

テロワール(Terroir)とは、フランス語で「土地」を意味する「Terre」から派生した言葉で、ワインの世界では土壌や気候、風土などワインの個性を左右する自然環境要素を表す言葉。ワインの場合はブドウを取り巻く自然環境が重要になりますが、豊永酒造は「球磨の米、球磨の水、球磨に根ざした人」に着目し、土壌、気候、風土を大切にしたこの土地ならではの焼酎造りに挑んでいます。

1986年以降は、有機農法米を使用。2001年にオーガニック認証制度が始まってからは、自社田・契約農家ともに認証を受け、持続可能な有機農業と焼酎造りに取り組んでいます。

スパイスを使ったカレー

チリーズ / PIXTA(ピクスタ)

「カルダモンTAKE7」のコンセプトは「スパイスを使ったカレーに合う焼酎」

「カルダモン TAKE7」は、「カレーのスパイスを使ってカレーに合う焼酎を」というカレー専門店からのリクエストに応えて誕生した米焼酎ベースのスパイスリキュール。「TAKE7」とは、第7弾という意味。7回の試作を重ねてたどりついたのは、カルダモン焼酎専用に造った米焼酎の甘やかな味わいと、カルダモンの上品で爽快な香りの絶妙なハーモニーでした。

カレーに合わせて造られただけに、カレーとの相性は満点。カレー好きはもちろんのこと、飲食店の反応も上々。噂はおもに口コミで広まり、SNSには「おいしすぎる」との声が多数寄せられるように。

アルコール度数は25度。容量は700ミリリットルと1.8リットルの2サイズ展開。ラベルには完成前夜にタンクの横に現れたという白く輝く蛇が描かれています。

製造元:合名会社豊永酒造
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カルダモン焼酎は自宅でも作れる?

自家製スパイスリキュール作り

Pachira1 / PIXTA(ピクスタ)

老舗蔵元が造るカルダモン焼酎のようにはいきませんが、焼酎とカルダモンがあれば、自家製カルダモン焼酎を作ることも可能です。

<材料>
◇ホワイトリカー(甲類焼酎)…500ミリリットル
◇カルダモン(ホール)…20粒程度
◇密閉できる保存瓶

<作り方>
1. 保存瓶を洗って水気をきっておきます。ホワイトリカーで消毒しておくと完璧です。
2. 保存瓶にホワイトリカーを注ぎ、カルダモンを投入します。
3. 瓶を密閉して軽く混ぜたら、冷暗所に保存。途中、瓶をゆすって中身をなじませ、数日から1週間ほどで完成。

ホワイトリカーの代わりに、クセの少ない麦焼酎や米焼酎を使ってもおいしくたのしめます。開封したての焼酎にカルダモンを入れて、ボトルのまま漬け込むのもひとつの手です。カルダモンはさやの上から軽くつぶしておくと、香りが移りやすくなって漬け込み時間を短縮できます。

酒税法上の注意点

78create / PIXTA(ピクスタ)

なお、自家製カルダモン焼酎を作る場合は、酒税法上の注意点があります。

焼酎にスパイスを漬け込む行為は「混和」にあたり、お酒を製造する免許を持たない人が行うと酒税法に抵触する可能性があります。ただし、自分で飲むために「混和」を行う場合は製造行為とみなさないという例外も。カルダモン焼酎の場合は、アルコール度数20度以上で酒税が課税済みの焼酎を使うことが条件です。

「自分で飲むため」には同居の親族も含まれるため、自宅で家族とたのしむ分には問題ありません。ただし、ホームパーティーでゲストに振る舞ったり、同居していない親族に提供したりするのは違法行為にあたるので、絶対にやめましょう。

(参考)
国税庁|法令解釈通達 第43条 みなし製造

カルダモン焼酎のおいしい飲み方

カルダモン焼酎はハイボールがおすすめ

nisseikikaku / PIXTA(ピクスタ)

カルダモン焼酎のおすすめの飲み方は炭酸割り。炭酸がはじけるごとにカルダモン独特のエキゾチックでさわやかな香りが広がります。

甘味がほしいときは、炭酸水の代わりにトニックウォーターを使ってもよいでしょう。絶妙な甘味を出したいときは、炭酸とトニックで好みの味わいに調整してみてください。

カルダモン以外のスパイスを使ったスパイス焼酎も人気

スパイスリキュールの材料

Daney daney / Shutterstock.com

カルダモン以外のスパイスを使ったスパイスリキュールも人気です。クローブ(丁子)やシナモン、スターアニス、ローリエ、クミンなどさまざまなスパイスが風味づけに使えます。スパイスの種類や分量によって個性や飲み方が変わってくるので、とっておきのレシピを探すのもたのしいでしょう。

前出の豊永酒造では、「カルダモン TAKE7」のほかにも多彩なスパイスリキュールを手がけています。
本格焼酎にインド原産のロングペッパーを合わせた「ロングペッパー」は、甘く爽快な香りとスッキリとした飲み口が魅力。球磨産梅を使った手作り梅酒にシナモンを合わせた「シナモン梅酒」は、エキゾチックな風味に甘酸っぱさが溶け合う至高の味わいに仕上がっています。

カルダモン焼酎は、スパイシーかでさわやかな香りが心地よいクセになるリキュール。自宅で作ってもおいしいですが、機会があったら豊永酒造が手がけるカレーに合うと評判の「カルダモン TAKE7」を味わってみてください。

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