熊本に行って飲んでみたい! おすすめの焼酎【九州編】

熊本に行って飲んでみたい! おすすめの焼酎【九州編】
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熊本県は、焼酎の名産地として全国的に知られています。なかでも、熊本県南部の球磨(くま)地方で伝統的に造られる「球磨焼酎」は、独自の文化で発展してきたものです。こちらでは、熊本焼酎の特徴や魅力について紹介します。

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目次

  • 熊本は、さまざまな焼酎文化の交流地
  • 熊本の地名を冠する国際的ブランド「球磨焼酎」
  • 熊本の人気銘柄
  • 熊本のそのほかの注目銘柄

熊本は、さまざまな焼酎文化の交流地

熊本は、さまざまな焼酎文化の交流地

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熊本県は、隣接する大分県や宮崎県、鹿児島県のそれぞれの焼酎文化が融合した地域です。
鹿児島県で発展している芋焼酎、大分県と宮崎県に根づくそば焼酎の影響は大きなものがあります。これに九州北部で造られる麦焼酎、そして「球磨(くま)焼酎」をはじめ、熊本独自に発展してきた米焼酎もくわえて、幅広い原料の焼酎を造り分けている蔵元が多いのが、熊本県の焼酎造りの特色です。

くわえて、伝統的なかめ仕込みを貫く蔵元や、樽で長期熟成させる蔵元など、蔵元それぞれの個性が強いことも特徴にあげられます。原料だけでなく、製法もバリエーションが豊富なため、たのしみ方の選択肢もそれだけ幅広いということです。

熊本の地名を冠する国際的ブランド「球磨焼酎」

熊本の地名を冠する国際的ブランド「球磨焼酎」

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熊本県のなかでも、山に囲まれた盆地を擁する球磨地方では、球磨川の清冽な水と寒暖差のある気候によって育てられる、良質な米の恵みをふんだんに受けることができます。

この地における焼酎造りの歴史は、遠く戦国時代にまでさかのぼります。当時、アジアや琉球との貿易が盛んだったことから、蒸溜酒の製造技術が伝わったとされています。そののち、米の栽培が盛んな球磨地方において蒸溜技術に工夫や発展が加わり、現在の球磨焼酎へと成長していったのです。

こうして独自の文化として地域に根づいてきた球磨焼酎は、WHO(世界貿易機関)から国際的ブランドとしての認定を受け、保護対象となっています。これは、アメリカの「バーボン」やスコットランドの「スコッチウイスキー」、フランスの「コニャックブランデー」「シャンパーニュ」と同様に、その文化的価値が世界から認められたということです。

熊本の人気銘柄

熊本の人気銘柄

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熊本県の個性的な焼酎には、人気の高い銘柄がたくさんあります。こちらでは、そのなかから5銘柄をピックアップしました。

香り豊かな吟醸麹【鳥飼(とりかい)】

「鳥飼」は、その名前を冠する蔵元、鳥飼酒造によって造られる米焼酎。蔵元の当主である鳥飼家は、平安時代から脈々と続く名家で、江戸時代から焼酎造りを行っていたとの記録も残っています。
歴史に裏付けられた伝統手法で造られる「鳥飼」は、原料米を58%まで磨いて独自の「吟醸麹」に仕上げるのが特徴です。結果、日本酒のような豊かな吟醸香と、まろやかな口当たりをもった焼酎となっています。

熊本の焼酎【鳥飼(とりかい)】華やかな吟醸香に酔いしれる焼酎

清らかな水を使ったこだわりの旨味【白水(はくすい)】

「白水」は、キリンビール傘下のメルシャンが熊本の地に構える八代不知火蔵で製造される焼酎ブランドで、米焼酎と麦焼酎がラインナップされています。「白水」の大きな特徴が、南阿蘇を流れる白川水源の清らかな水へのこだわりです。この水にはミネラルがバランスよく含まれ、焼酎の味わいに大きな影響を与えています。
「白水」は、「リラックスタイムにスッキリと飲める」「仲間と語り合いながら傾ける華やかな味わい」という2つのコンセプトを掲げた焼酎。蔵人の創意工夫によって、異なる魅力を併せもった、旨味ある味わいに仕上がっています。

熊本の焼酎【白水(はくすい)】湧き出でる泉の如く清らかに

飲みやすく飽きのこない味【白岳(はくたけ)】

「白岳」を製造する高橋酒造は、明治33年(1900年)創業の焼酎蔵。蔵元の代表銘柄であり、球磨焼酎の代表格ともいえる「白岳」は、米焼酎のあり方をとことん追求した蔵元のこだわりによって生まれました。
その味わいは、軽やかな飲み口にくわえて、米本来の豊かな香りと旨味がしっかりと感じられます。飲みやすく、あとにも残りにくいことから、飲み飽きすることなく長く愛飲されています。
「白岳しろ」や「金しろ」「銀しろ」など、ラインナップの豊富さも魅力で、全国に根強いファンをもつ銘柄です。

熊本の焼酎【白岳(はくたけ)】飲み飽きしない定番の米焼酎

ヒノヒカリ100% 燗がおいしい【武者返し(むしゃがえし)】

寿福酒造場で造られる米焼酎「武者返し」には、明治23年(1890年)の創業以来、変わることのない伝統的な製法が用いられています。寝かせることで深い味わいを生む常圧蒸溜にこだわり、コクと厚みのある味わいに仕上げているのです。
原料米には、地元産の「ヒノヒカリ」を100%使用。ヒノヒカリはあっさりとしたやさしい味わいが特徴で、甘味や香りが引き立ち、深い奥行きをたのしめる焼酎になっています。とくに燗にすると、その豊かな風味を存分に味わうことができます。

熊本の焼酎【武者返し(むしゃがえし)】ヒノヒカリ100%のこだわり焼酎

クセがなくスッキリとフルーティな味わい【かなた】

スッキリとして飲みやすい「かなた」は、大正6年(1917年)に創業した「球磨焼酎」の蔵元、恒松酒造本店が造る米焼酎です。伝統的な手法と新たな挑戦が融合して生まれた「かなた」の特徴は、スッキリとクセがない飲み口。フルーティかつ豊かな吟醸香をもつことも、その魅力にあげられます。
味わいの秘密は、蔵元が麹菌や酵母の性質を研究し、常に親しみやすい商品を開発し続けているため。多くの人に愛される商品を突きつめた結果、「かなた」が誕生したのです。

熊本の焼酎【かなた】オン・ザ・ロックで飲みたい米焼酎

熊本のそのほかの注目銘柄

熊本のそのほかの注目銘柄

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熊本県は焼酎の名産地であることから、ほかにも押さえておきたい銘柄が多く存在します。そのなかから、厳選した5銘柄を紹介しましょう。

独自製法を採用したインパクト大の麦焼酎【どぎゃん】

「白水」と同じく八代不知火蔵の銘柄である「どぎゃん」は、「一醪三釜(いちろうさんかま)仕込み」と呼ばれる独自製法で造られています。ひとつの醪(もろみ)を、個性の異なる3つの蒸溜釜で蒸溜し、それらを混ぜ合わせることで、これまでにない味わいを実現しました。
「どぎゃん」は芯の強い香りや豊かな甘味、そしてスムースなあと味をもちます。その味わいのインパクトは強く、飲みごたえは抜群です。蔵元の自信があらわれた、この地の方言で「どうですか?」と問いかけるネーミングも耳に残ります。

熊本の焼酎【どぎゃん】骨太でインパクトのある麦焼酎

常圧蒸溜と長期熟成のコクが活きた焼酎【文蔵(ぶんぞう)】

「文蔵」の蔵元、木下醸造所は、文久2年(1862年)の創業以来、焼酎造りの歴史と伝統を守り続けてきた老舗蔵。「文蔵」の名前は、熊本の民謡にも残る創業者の名前に由来したものだとか。
木下醸造場の焼酎造りは、地域に古くから伝わる、「手造り麹」「かめ壺仕込み」「常圧蒸溜」といった伝統製法にこだわっています。さらに蒸溜後は、長い熟成期間へ。こうして時間と手間をかけて仕上げられる「文蔵」は、常圧蒸溜によるコクや深みにくわえ、長期熟成による厚みある味わいがたのしめます。

熊本の焼酎【文蔵(ぶんぞう)】民謡に残る創業者の名を冠した歴史ある球磨焼酎

本場の球磨焼酎の深みを味わえる【六調子(ろくちょうし)】

球磨地方の伝統を受け継ぐ焼酎蔵、六調子は大正12年(1923年)の創業。蔵元の名前を冠する米焼酎「六調子」は、球磨地方に伝わる焼酎造りの文化を、芸術品の域に昇華させることをめざして造られたものです。
この蔵元の試みは、焼酎が庶民の酒、大衆酒から脱して、高級酒として広く認知されるための挑戦といえます。結果「六調子」は、厚みや深みのある旨味と芳醇な香り、さらには人間国宝の手による洗練されたパッケージ・ラベルデザインをもった商品となり、銘柄としての価値を高めることに成功しています。

熊本の焼酎【六調子(ろくちょうし)】焼酎の脱大衆へかけた逸品

ウイスキータイプの上質な一品【天使の分け前(てんしのわけまえ)】

「天使の分け前」は山都酒造の主力となる銘柄のひとつです。この蔵元は、文政4年(1821年)から脈々とその歴史を紡いできた老舗。「天使の分け前」は、その伝統を重んじながらも、革新的な製法によって個性的なウイスキータイプの焼酎に仕上がっています。
ウイスキーさながらに琥珀色に輝き、芳醇なコクや香りをもつ「天使の分け前」。ほかの焼酎にはないこの特徴は、樫樽での長期熟成によって生み出されるもの。じっくりと時間をかけて熟成されことで独自の持ち味を醸し出しています。

熊本の焼酎【天使の分け前】琥珀色に輝く樫樽からの贈り物

熊本県は、独自に発展してきた球磨焼酎をはじめとして、すぐれた銘柄を多く輩出しています。また蔵元ごとに個性が豊かで、飲みくらべても存分にたのしむことができるでしょう。

熊本酒造組合
球磨焼酎酒造組合

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