長野の焼酎【井乃頭(いのかしら)】同名の日本酒造りと密接な関わりをもつ米焼酎

長野の焼酎【井乃頭(いのかしら)】同名の日本酒造りと密接な関わりをもつ米焼酎
出典 : Claudia Knopf / Shutterstock.com

「井乃頭」は、もともとは焼酎の銘柄ではなく、日本でも有数の米処、信州・伊那の地で育まれた日本酒銘柄。こだわりの日本酒造りに欠かせない信州産酒米を大切に使いたい! そんな蔵元の思いから誕生したのが「井乃頭」の米焼酎古酒でした。その魅力を紹介しましょう。

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「井乃頭」は息の合った兄弟が手がける蔵の代表銘柄

「井乃頭」は息の合った兄弟が手がける蔵の代表銘柄

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「井乃頭」を造るのは、天竜川に沿って南北に伸びる伊那盆地、別名伊那谷で酒蔵を営む漆戸醸造。大正4年(1915年)の創業当時は味噌や醤油なども造っていたそうですが、現在では日本酒と焼酎だけで勝負しています。

もともと休業中の酒屋の店舗を借り受けて創業したため、貸し主から受け継いだ「花の友」という銘柄で展開していましたが、別の会社が同じ名前を使っていることがわかったため、名称を変更することに。
酒造りに不可欠とされる良質な水にちなんだ名前を考えた末、徳川300年のご用水で知られる東京・井之頭公園の名水から「井乃頭(いのかしら)」と命名。正式に商標登録を行い、長い歴史の幕を開けました。

現在、「井乃頭」を手がけるのは、創業者の曽孫にあたる兄弟です。ともに東京農業大学醸造学科で酒造りを学んだ二人は、飲む人が「おいしい」と感じ、たのしい時間や思い出に欠かせない酒造りをモットーに、1本1本ていねいに醸し出しているのだとか。

「井乃頭」の生命線は信州の良質な米と水

「井乃頭」の生命線は信州の良質な米と水

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「井乃頭」を生んだ信州・伊那の地は、中央アルプスと南アルプスに囲まれた自然豊かな土地。米処としても知られ、また良質な水や酒造りに適した気候にも恵まれていることから、多くの蔵元が酒造りに励んでいます。

蔵元兄弟がこだわるのも、やはり米と水。原料米には信州産の酒造好適米「美山錦」と「ひとごこち」を使用。酒の命ともいうべき仕込み水には、中央アルプス水系の伏流水を自然のままに用いることで、味に幅のある、軟水特有のやわらかさが生きた濃醇旨口な酒質に仕上がっています。

「井乃頭」に伊那谷の風土や歴史、空気、水、命を吹き込むのは、昔ながらの伝統的な製法に加え、蔵元兄弟が独自に工夫した技法。これらを駆使して、ていねいに醸された「井乃頭」は、地元・長野の清酒品評会はもちろん、「全国新酒鑑評会」においても好成績を収めるなど、高い評価を獲得しています。

「井乃頭」米焼酎古酒の味わいに酔う

「井乃頭」米焼酎古酒の味わいに酔う

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「井乃頭」は、もともと日本酒中心の銘柄。純米酒や純米吟醸、純米大吟醸をはじめ、酒蔵でひと夏を過ごした「純米ひやおろし」や、雫酒としてしぼった「純米吟醸袋取り無濾過生しずく」などがラインナップされています。

日本酒として全国的な知名度をもつ銘柄を、あえて焼酎にも冠しているのは、日本酒造りと密接な関係があるからです。
日本酒造りには、雑味が出ないよう原料米の外側を削る「精米」という工程があります。削られた部分を「上白粉」などといいますが、日本酒造りには不要だからといって、これをそのまま捨ててしまうのは、米農家の皆さんに申し訳ないというもの。
そこで、上白粉を原料にして造り上げた米焼酎を、酒蔵内で貯蔵・熟成したのが「井乃頭 米焼酎古酒」。酒米を大切にしたいという蔵元の思いから生まれた、米の旨味を堪能できる逸品です。

吟醸香を思わせるほのかな香りと、古酒ならではのまろやかな口当たりは、一度味わうとクセになるのだとか。同じ「井乃頭」ブランドとして、日本酒との飲みくらべもたのしんでみたいものです。

漆戸醸造の焼酎は「井乃頭」だけではありません。そばの名産地であり、信州そば発祥の地でもある伊那市で生まれた「そば焼酎 伊那の勘太郎(いなのかんたろう)」も、焼酎好きにはおすすめの1本。ぜひ、風味豊かなそば割りで味わってみてください。

製造元:漆戸醸造株式会社
公式サイトはこちら

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