【豊永酒造】球磨(くま)焼酎のテロワールを追求する老舗蔵元!おすすめ銘柄も紹介

【豊永酒造】球磨(くま)焼酎のテロワールを追求する老舗蔵元!おすすめ銘柄も紹介
出典 : 合名会社豊永酒造ホームページ

「豊永酒造」は、球磨焼酎「豊永蔵」で知られる熊本県の老舗焼酎蔵元。自社田や契約農家で丹精込めて育む有機オーガニック米で仕込んだ純米球磨焼酎は、酒類コンクールでも高い評価を受けています。今回は、豊永酒造の歴史や焼酎造りのこだわり、おすすめ銘柄を紹介します。

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豊永酒造は、球磨焼酎「常圧豊永蔵(とよながくら)」や麦焼酎「麦汁(むぎしる)」で名高い熊本県の蔵元です。その焼酎造りをみていきます。

豊永(とよなが)酒造とは

豊永酒造とは

出典:合名会社豊永酒造ホームページ

豊永酒造とはどのような蔵元なのか、概要からみていきましょう。

豊永酒造は球磨焼酎のふるさと熊本県人吉球磨地域の老舗蔵元

豊永酒造は、熊本県人吉球磨地域で焼酎造りを営む老舗蔵元です。初代豊永鶴松氏が球磨郡湯前(ゆのまえ)町に蔵を構えたのは、明治27年(1894年)のこと。この地に古くから伝わる米焼酎造りの技術を受け継ぎ、個性豊かな本格焼酎を造っています。

熊本県球磨郡といえば、「球磨焼酎」のふるさと。豊永酒造は、オーガニック原料を使った球磨焼酎で名高い蔵元です。

「球磨焼酎」とは、熊本県の人吉球磨地域で造られる本格米焼酎のブランド。ウイスキーの「スコッチ」やブランデーの「コニャック」、ワインの「ボルドー」「シャンパーニュ」などと同様に「地理的表示(GI)」が認められた日本を代表する焼酎ブランド。地理的表示が認められた本格焼酎ブランドは長崎県の「壱岐焼酎」、鹿児島県の「薩摩焼酎」、沖縄県の「琉球泡盛」と合わせて4つしかありません。

なお、球磨焼酎を名乗るには、
(1)原料に米(米麹を含む)を使用
(2)人吉球磨の水でもろみ(醪)を仕込む
(3)人吉球磨で蒸溜(単式蒸溜)・びん詰めを行う
という条件をすべて満たす必要があります。

地理的表示(GI)や「球磨焼酎」の特徴について詳しく知りたい人は、以下の記事も読んでみてください。

豊永酒造の自社田

出典:合名会社豊永酒造ホームページ

豊永酒造の歴史は自社田育ちの米で育む米焼酎から始まった

豊永酒造は、明治27年の創業当初から自社田を持ち、自分たちで育て上げたお米で米焼酎を造ってきたといいます。

ワインの世界では、原料となるブドウの畑を所有し、栽培からびん詰めまでを一貫して行う生産者をフランス・ブルゴーニュ地方では「ドメーヌ」、ボルドー地方では「シャトー」と呼びます。このような生産者が造るワインは、個性豊かな味わいに仕上がる傾向にあります。

近年では、このような取り組みを「ドメーヌ化」と呼び、日本酒造りや焼酎造りに取り入れる蔵元が注目を浴びていますが、焼酎業界においては、豊永酒造はその草分け的な存在といえそうです。

豊永酒造のこだわり

豊永酒造のこだわり

出典:合名会社豊永酒造ホームページ

豊永酒造の焼酎造りに懸ける思いやこだわりをみていきましょう。

豊永酒造のテロワールに根ざした酒造り

豊永酒造のこだわりのひとつに、テロワール(Terroir)という概念があります。

テロワールとは、フランス語の「TERRE(テール)=大地」から派生した単語で、ワインの世界では、土壌や風土、気候など、ワインが育った環境の性質を表す言葉として用いられています。広義では、造り手の人的要因も加えてテロワールとすることもあります。

ワインの場合は、おもにブドウが育つ環境が重要な要素となりますが、豊永酒造では、「球磨の米、球磨の水、球磨に根差した人」に着目。日本三大急流「球磨川」の清らかな水に育まれる球磨のお米、良質な球磨の天然水、球磨の地で焼酎造りに励む造り手。豊永酒造は周囲を山で囲まれた盆地ならではの温暖湿潤な気候のなかで、「球磨のテロワール」に根ざした焼酎造りを実践しています。

豊永酒造のこだわり

出典:合名会社豊永酒造ホームページ

長年受け継がれてきた伝統の技と原料の「有機球磨米」

豊永酒造では、球磨焼酎の原点ともいうべき球磨の米のなかでも有機農法米にこだわっています。

自社栽培のお米を使った焼酎造りにこだわった創業者の思いを受け継ぎつつ、昭和61年(1986年)以降は有機農法米の栽培に着手。有機食品の検査認証制度(有機JAS制度)が導入された平成13年(2001年)には自社田とすべての契約農家がオーガニック認証を受け、持続可能な有機農業と焼酎造りに取り組んでいます。

米作りに関しては、田植えや稲刈りといった農作業のすべてを月の満ち欠けのサイクルに合わせて行うというこだわりぶり。このような「テラ(地球)」のエナジーと「ルナ(月)」のバイオリズムを取り込んだ考え方こそが、豊永酒造の焼酎造りの真髄といえるでしょう。

豊永酒造のおすすめ球磨焼酎と米焼酎

豊永酒造が伝統の技と選りすぐりの原料で造る球磨焼酎&米焼酎のなかから、おすすめ銘柄を紹介します。

豊永蔵(とよながくら)|有機オーガニック米100%使用の代表銘柄

豊永酒造「豊永蔵」

出典:合名会社豊永酒造ホームページ

蔵の名を冠した代表銘柄。球磨産の有機オーガニック米100%と華やかな香りをもたらす熊本酵母を使用し、お米の旨味と吟醸香を引き出しています。飲み飽きしない味わいも高ポイントで、和洋を問わず、幅広い料理とのペアリングがたのしめます。

なお、「豊永蔵」ブランドに使用するお米は、田植え前に米ぬかを発酵させて作る「ぼかし」と呼ばれる有機肥料が使われています。「ぼかし」を作るには手間暇がかかりますが、田んぼの微生物を活性化させ、虫や病気に強い稲に育て上げる効果が期待できるそう。

「ぼかし」を使用した田んぼに水を張ると、ホウネンエビ(豊年蝦)や絶滅危惧種(絶滅危惧Ⅰ類)のゲンゴロウなど、きれいな水にしか棲息できない生き物の姿が見られます。

アルコール度数:25度
原料:有機米(国産)、有機米麹(国産米)
仕込み:減圧蒸溜

常圧豊永蔵|世界が認めた有機米焼酎

豊永酒造「常圧豊永蔵」

出典:合名会社豊永酒造ホームページ

伝統的な常圧蒸溜で球磨産有機オーガニック米の個性を引き出し、力強い味わいと濃厚な香りに仕上げた個性豊かな球磨焼酎。水割りやお湯割りで飲むと、華やかなお米の味わいを堪能できます。

球磨地方では猪鍋やジビエ料理のお供に親しまれてきた常圧米焼酎。「常圧豊永蔵」もお肉料理との相性が抜群で、なかでも豚肉を使った料理とよく合います。また、魚料理や鍋と合わせても独特の甘さをたのしめます。

アルコール度数:25度
原料:有機米(国産)、有機米麹(国産米)
仕込み:常圧蒸溜

有機玄米完がこい|日本唯一の有機玄米焼酎

豊永酒造「有機玄米完がこい」

出典:合名会社豊永酒造ホームページ

人吉球磨地域では、明治期まで米焼酎の原料に玄米を使用していたことから、原点に返って仕上げたのが、本邦初の有機玄米焼酎「有機玄米完がこい」です。
お米に比べて仕込みが難しい玄米に独自の原料処理を施し、華やかな吟醸香と玄米らしい香ばしい甘味のある味わいに仕上げています。

アルコール度数:35度
原料:有機玄米(国産)、有機玄米麹(国産玄米)
仕込み:減圧蒸溜

豊永酒造が手がける米焼酎以外の人気銘柄

豊永酒造では、お米のほかにも麦やスパイスを使ったお酒を手がけています。なかでも人気の高い注目商品をみていきましょう。

麦焼酎「麦汁(むぎしる)」|豊永酒造が世界に誇る国産はだか麦100%の麦焼酎

豊永酒造「麦汁」

出典:合名会社豊永酒造ホームページ

原料に国産はだか麦100%を使用。常圧蒸溜で麦の香ばしさを極限まで引き出し、そのたっぷりとした香りを残すべく無濾過で仕上げた通好みの1本。
個性的な香りとは対照的に、口当たりはとてもまろやか。水割りやソーダ割りがおすすめです。

アルコール度数:25度
原料:麦(国産)、麦麹(国産麦)
仕込み:常圧蒸溜

麦焼酎「超にごり麦汁」|豊永酒造の個性を堪能したい人に

豊永酒造「超にごり麦汁」

出典:豊永酒造WEB SHOP

新酒のシュワシュワ感とはだか麦100%の香ばしさがたのしめる「麦汁」の夏季(4〜8月)限定バージョン。仕込みにウイスキー酵母を使用しています。

にごって見えるのは、蒸溜した原酒を無調整、無濾過のまま割り水してアルコール度数を調整しているから。オリが沈殿していたり、油成分が浮いている場合がありますが、その分濃厚で香ばしい香りと麦の旨味をたっぷり味わえそうですね。

アルコール度数:25度
原料:麦(国産)、麦麹(国産麦)

スパイス焼酎「CARDAMON TAKE7」|豊永酒造×カレー店の特別コラボ商品

豊永酒造「カルダモンTAKE7」

出典:豊永酒造WEB SHOP

「スパイスを使ったカレーに合う焼酎を」というカレー店のリクエストから生まれた米焼酎ベースのスパイス系リキュール。試作を重ねること7回。スパイスの王様「カルダモン」の爽快な香りと米の甘さを特徴に持つ、カレーにぴったりの味わいに仕上げています。おすすめの飲み方は炭酸割り。まずは焼酎1:炭酸3の割合で割ってみてください。

アルコール度数:25度
原料:本格米焼酎、カルダモン、食物繊維
仕込み:減圧蒸溜

豊永酒造は昔ながらの製法やテロワールを重んじながらも、進化を続ける蔵元。有機オーガニック米100%の球磨焼酎はもちろんですが、伝統に裏打ちされた技術で造る個性豊かな麦焼酎やリキュールもぜひ試してみてください。

合名会社豊永酒造
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