にんじん? ゴマ? “変わり種”焼酎にチャレンジ
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にんじん? ゴマ? “変わり種”焼酎にチャレンジ
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個性的な味わいの焼酎を試したことがありますか? 焼酎は酒税法上、蒸留の方法によって2種類に分けられます。
連続式蒸留器を使って醪(もろみ)を補充しながら繰り返し蒸留して作られたものと、1回の蒸留ごとに醪(もろみ)を入れ替える単式蒸留器で作られているものです。
この単式蒸留焼酎は「本格焼酎」と呼ばれ、原料の風味が強く残っているので、ストレートで飲んでも、お水やお湯で割って飲んでも、独特の味をたのしむことができます。
「本格焼酎」は、麹原料として必ず穀類か芋類の麹を使わなければならないのですが、さつまいもや大麦、米などのように仕込みに使う主原料となる素材も法律で細かく決められています。
とくに許可された食物として掲げられているのは次の通り。あしたば、あずき、あまちゃづる、アロエ、ウーロン茶、梅の種、えのきたけ、おたねにんじん、かぼちゃ、牛乳、ぎんなん、くず粉、くまざさ、くり、グリーンピース、こならの実、ごま、こんぶ、サフラン、サボテン、しいたけ、しそ、大根、脱脂粉乳、たまねぎ、つのまた、つるつる、とちのきの実、トマト、なつめやしの実、にんじん、ねぎ、のり、ピーマン、ひしの実、ひまわりの種、ふきのとう、べにばな、ホエイパウダー、ほていあおい、またたび、抹茶、まてばしいの実、ゆりね、よもぎ、落花生、緑茶、れんこん、わかめ(国税庁HPより)
このリストを見て、驚きませんか? そうなのです、こういった食物で作られる「本格焼酎」が全国にはたくさんあるのです。
最近では、飲み物メニューの焼酎リストに芋、麦、米以外の焼酎を置いている居酒屋や飲み屋さんも増えてきました。幻の芋焼酎など入手困難なレアものはもちろんですが、トマトやゆずなど、変り種焼酎の品揃えをウリにしている店も多々あります。
その食物や土地、また酒蔵のストーリーにも思いを馳せて、変り種焼酎を楽しんでみてはいかがでしょうか。
粋な女主人が作った、胡麻風味が上品な「紅乙女」
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福岡県久留米市で約300年の歴史のある蔵元。今から50年ほど前、病いに臥せった十二代目当主である夫の代わりに稼業を切り盛りしたのが女主人・林田春野でした。
試行錯誤の末、生み出した「胡麻祥酎 紅乙女」は、蔵を代表するベストセラー商品に。「おめでたい時の幸せを運ぶ酒でありたい」という願いから「祥酎」と命名された1本は、華やかな香りを存分にたのしめるよう、お湯割りがおすすめです。
紅乙女酒造
http://www.beniotome.co.jp
フルーティーなにんじん焼酎「珍(めずらし)」
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福岡県中南部の耳納連山を背にし、筑後平野を流れる筑後川沿いの畑で栽培された人参と、清らかな状流水を使って造られたのが「珍(めずらし)」です。人参に含まれるブドウ糖質を独自の酵母により発酵させ、人参の栄養分と酵母の働きによりフルーツのような香りに変化させる製造法の特許を取得しました。フルーティーで爽やかな香りと甘味、やわらかくてマイルドな舌触りは、一度口にしたら忘れられない味わいです。
研醸株式会社
http://www.e-kenjou.com
ゴマやにんじん以外にも、興味深い原料がたくさんあるので調べて飲んでみるのもたのしいですね。