黒糖焼酎とは? おすすめの銘柄と飲み方まで紹介

黒糖焼酎とは? おすすめの銘柄と飲み方まで紹介
出典 : kariphoto/Shutterstock.com

黒糖焼酎は、鹿児島県の南海に浮かぶ奄美群島の特産品でサトウキビから造られる黒糖を原料とする本格焼酎です。酒税法によってこの地域だけに製造が認められていることから、「奄美黒糖焼酎」と呼ばれることもあります。今回は黒糖焼酎の魅力に迫ります。

  • 更新日:

黒糖焼酎とは?

Poring Studio/ Shutterstock.com

黒糖焼酎は、その名のとおり、サトウキビから作られる黒糖を原料とした本格焼酎のこと。黒糖ならではの甘い風味とすっきりした飲み口に加え、糖質ゼロ、プリン体ゼロというヘルシーさが注目を集めています。

「奄美黒糖焼酎」とも呼ばれる黒糖焼酎は、鹿児島県の南海に浮かぶ奄美群島の特産品です。

鹿児島県の南方、約380~580 キロメートルの海域には、喜界島(きかいじま)、奄美大島(あまみおおしま)、徳之島(とくのしま)、沖永良部島(おきのえらぶじま)、与論島(よろんとう)の5島を中心に、美しい島々が点在しています。鹿児島県奄美市と大島郡に属するこれらの島々を合わせて奄美群島と呼びます。

黒糖焼酎の歴史には諸説ありますが、青い海に囲まれた風光明媚なこの地では、16世紀の半ばごろには、焼酎の製造技術が伝来していたといわれています。照りつける太陽のもとで大きく育ったサトウキビを原料に、沖縄から伝わった製法に磨きをかけ、誕生したのが黒糖焼酎です。

黒糖焼酎の製造が、奄美群島だけに、正確には大島税務署管内だけに認められている理由は、奄美群島の受難の歴史にありました。

第二次世界大戦後、アメリカ政府の統治下に置かれた奄美群島では、米などの主要な食糧が不足したことから、主要な作物であるサトウキビを使った黒糖焼酎造りが盛んに行われました。

ところが、昭和28年(1953年)に日本へ返還されると、今度は酒税法という壁にぶつかります。当時の日本の酒税法では、糖類を焼酎の原料として認めていなかったことに加え、奄美群島では麹を使わない製法を採用していた ことから、焼酎よりも税率が高い「スピリッツ」に分類されることになってしまったのです。

これでは経済的負担が大きすぎると訴えた結果、特例として「米麹を併用して仕込む」「奄美群島区の管轄区域内で製造する」「認められる糖類は、純黒糖のみ」を条件に、黒糖焼酎は焼酎として認められました。

現在、黒糖焼酎の伝統を受け継ぐのは、奄美群島にある約26 の蔵元。島ごとに異なる進化を遂げた個性豊かな黒糖焼酎は、自然豊かな島々が育む特産品として、全国のファンに愛されています。

黒糖焼酎の魅力

MI7/ Shutterstock.com

黒糖焼酎の魅力は、何といってもその甘い風味にあります。黒糖焼酎の原料といえば黒糖、すなわち黒砂糖。これはサトウキビの搾り汁を煮詰めて作られる含蜜糖(がんみつとう)で、まろやかでコクのある甘味と独特な旨味、やさしい香りが特徴です。

黒糖を原料とする黒糖焼酎は、コクを感じさせつつもすっきりとした甘味がたのしめる、比較的飲みやすいお酒といわれています。黒糖ならではのやさしい香りも健在です。

また、アルカリ性の奄美の水で造った黒糖焼酎は弱アルカリ性を示すといわれています。 ミネラル豊富な黒糖自体もアルカリ性食品なので、黒糖や黒糖焼酎を口にする機会の多い沖縄や奄美群島が長寿の地として知られているのも、黒糖の効果かもしれませんね。


特筆すべきは、その糖分量。黒砂糖から生まれたお酒というと、糖が多く含まれていると思われがちですが、黒糖焼酎は蒸溜酒なので糖質はもちろんゼロ、プリン体もゼロ。アルコールを含んでいるのでカロリーはゼロではありませんが、ダイエット中の人が選ぶお酒としては理想的といえそうです。

同じ黒糖を原料とするお酒で有名なのが、カリブ海諸国で造られるスピリッツ「ラム」です。原料が同じなことから、黒糖焼酎が「和製ラム」と呼ばれることもありますが、じつはお酒の製造法で見れば、まったくの別物。ラムは糖分を自然発酵 させたものですが、黒糖焼酎は米麹を加えて発酵させることで、独特の風味を出しています。

黒糖焼酎の選び方

vi mart/ Shutterstock.com

黒糖焼酎は、比較的飲みやすいお酒ですが、銘柄によって個性はさまざま。ここでは、銘柄を選ぶポイントを紹介します。

種麹の種類

黒糖焼酎は、米麹に水と酵母を入れて発酵させた一次もろみに黒砂糖を水に溶かした糖液を加え、10~14日かけて二次仕込みを行ったあと、蒸溜して造るのが一般的。一次仕込みのあと、通常の半分の時間で発酵させた米麹(半麹)を入れて米の旨味を引き出す二次仕込みを経て、糖液を加えてアルコール発酵させる三次仕込みを行うケースもあります。

黒糖焼酎造りに欠かせない米麹は焼酎の味を決める重要な要素ですが、風味や香りの傾向を大きく左右するのが、米麹造りに欠かせない種麹の種類です。

蒸した米にまぶす種麹には、「白麹」と「黒麹」、「黄麹」の3種類があり、どれを使用するかで風味や香りが大きく変わってきます。

「白麹」を使った焼酎は、すっきりとした味わいが特徴。まろやかな口当たりの、飲みやすい焼酎に仕上がる傾向にあります。

「黒麹」仕込みの焼酎は、原料の個性が生きた力強い味わいに仕上がります。コクや旨味が強く感じられる、芳醇な香りの焼酎が好きな人にはおすすめです。

「黄麹」を使用した焼酎は、日本酒の吟醸香を思わせるフルーティーな香りが特徴。すっきりした飲み口と華やかな香りを好む人は、黄麹仕込みを選ぶとよいでしょう。

黄麹とは? 黄麹で仕込んだ本格焼酎の魅力を徹底解説【焼酎用語集】
河内源一郎氏が「近代焼酎の父」と呼ばれる理由とは? 【焼酎用語集】

常圧蒸溜か減圧蒸溜かで選ぶ

黒糖焼酎は、単式蒸溜機で蒸溜されますが、この単式蒸溜は「常圧蒸溜」と「減圧蒸溜」の二種類に大別されます。

通常の気圧下で行う昔ながらの「常圧蒸溜」では、比較的高い温度でもろみを熱するため、原料由来の成分が蒸溜液に移りやすく、風味や香りなどの個性が際立つ傾向にあります。

一方、蒸溜釜内の気圧を下げて行う「減圧蒸溜」では、約40~50度と低めの温度でもろみを沸騰させられるため、原料由来の成分のうち、沸点の高いものは抽出されにくくなります。そのぶん、雑味の原因となる成分も取り除かれるので、クセの少ないクリアな味わいに仕上がるといわれています。

「単式蒸溜焼酎」ってどんな焼酎? 【焼酎用語集】
「常圧蒸溜」という昔ながらの蒸溜方法の仕組みと特徴、魅力を知ろう【焼酎用語集】
「減圧蒸溜」とは? その仕組みと魅力【焼酎用語集】

アルコール度数に注意

黒糖焼酎のアルコール度数は25度が主流ですが、なかには30度や40度と度数の高い商品も存在します。

凝縮された香りやコク、旨味をロックやストレートでじっくりたのしみたい人は、40度以上のものを選ぶとよいでしょう。水割りやお湯割りで飲む場合は、仕込み水で25~30度程度に調整したもののほうがだんぜんおいしく味わえるので、飲み方に合った度数をチョイスしてください。

黒糖焼酎の飲み方

HandmadePictures/ Shutterstock.com

黒糖焼酎はさまざまな飲み方でたのしめるお酒ですが、原料の個性を味わいつくすなら、ストレートやオンザロックがおすすめです。

ストレート

黒糖焼酎に限ったことではありませんが、お酒の個性を味わうにはストレートがおすすめです。まずはグラスに黒糖焼酎だけを注いで、黒糖の甘い香りと米麹がもたらすコクを堪能してみてはいかがでしょう。

オンザロック

黒糖由来の風味や香りを満喫したいけれど、焼酎独特のアルコール臭が苦手という人には、オンザロックがおすすめ。氷で冷やすことで、鼻につく臭いもほどよく軽減され、また氷が溶けるごとにまろやかさが際立ってきます。

水割りやお湯割りもおすすめ

黒糖焼酎のすっきりとした飲みやすさは、水割りとも相性抜群。ツンと鼻につくアルコール臭が苦手な人は、前割り焼酎にして飲むとよいでしょう。
黒糖焼酎のやさしい香りとまろやかさ、米麹のコクをたのしむなら、お湯割りもおすすめ。人肌より少し熱いくらいの温度にととのえると、ふくよかな香りを堪能できます。

焼酎を数日寝かせるとおいしくなるって本当? 自宅でたのしむ前割り焼酎の魅力

黒糖焼酎おすすめ銘柄

黒糖焼酎を飲んでみたいと思った人に向け、代表的な銘柄をピックアップしました。

【朝日(あさひ)】奄美黒糖焼酎の大定番

朝日酒造株式会社サイト

1916年(大正5年)に創業した朝日酒造は、100年以上の歴史を持つ奄美群島最古の焼酎蔵です。喜界島は奄美群島のなかでも東端に位置していて、奄美で最初に朝日を目にする位置にあることから、社名と代表銘柄を「朝日」と名付けたのだとか。

創業以来、愛され続ける「朝日」は、黒糖ならではのコクとさっぱりしたキレが特徴で、焼酎ファンから「これぞ黒糖焼酎」といわれる定番となっています。

製造元:朝日酒造株式会社
公式サイトはこちら
商品情報はこちら

【奄美(あまみ)】徳之島の5つの蔵元が結集

奄美酒類株式会社サイト

奄美酒類は、徳之島の6つの黒糖焼酎の蔵元によって設立された奄美群島初の共同瓶詰め会社です。島内各地で育んだ黒糖焼酎の原酒を持ち寄り、ブレンドすることで質の向上を図るとともに、「徳之島の焼酎を広く本土へ」という願いを込めて造られた銘柄が「奄美」です。

個性の異なる原酒の融合による深みのある味わいに加え、米麹の1.8倍もの黒糖を使用し、常圧蒸溜するという独自の製法によって、黒糖の甘い香りを最大限に引き出しています。

製造元:奄美酒類株式会社
公式サイトはこちら
商品情報はこちら

【高倉(たかくら)】奄美大島産の黒糖を100%使用

奄美大島酒造株式会社サイト

「高倉」の蔵元、奄美大島酒造の焼酎造りのポリシーは、一切の妥協をしないこと。もともと原料はすべて国産の黒糖でしたが、近年ではさらに徹底し、地元・奄美大島産の黒糖のみに限定しています。

さらに、仕込み水には、奄美大島一の水質とされる「じょうごの川」付近で、地下120メートルから汲み上げた天然の地下水を使用。これらを原料にした原酒を3年以上熟成させたうえで、さらに樫樽で熟成させた黒糖焼酎が「高倉」です。熟成を重ねたからこそ生まれる、まろやかなで甘いコクが際だっています。

製造元:奄美大島酒造株式会社
公式サイトはこちら
商品情報はこちら

【れんと】ユニークな酒造りで注目される人気銘柄

株式会社奄美大島開運酒造公式オンラインショップ

「れんと」を生んだ奄美大島開運酒造は、スピーカーから流れるクラシック音楽が振動として貯蔵タンクに伝わり、ゆっくりと熟成を進めさせる「音響熟成」など、ユニークな酒造方法で知られています。
海のように青いボトルが印象的な「れんと」は、音楽用語で「ゆったりと」という意味。クラシック音楽の響きに揺られながら、ゆっくりと熟成された味わいが、「飲みやすい」と評判のベストセラーです。

製造元:株式会社奄美大島開運酒造
公式サイトはこちら
商品情報はこちら

【龍宮(りゅうぐう)】生産量が少ない希少な甕(かめ)仕込み

富田酒造場オンラインショップ

「龍宮」の蔵元、富田酒造場は、奄美大島の中心地にある家族経営の小さな焼酎蔵。540リットルの大きな甕壺を使って、昔ながらの仕込み方法による酒造りを行っています。

国産米の黒麹を使った「龍宮」は、甕仕込み特有のしっかりした味が印象深い逸品。おだやかな味わいと軽やかなのどごしで注目を集めていますが、小規模な甕仕込みゆえに生産量が少ないため、購入の機会を逃さないことをおすすめします。

製造元:有限会社富田酒造場
公式サイトはこちら
商品情報はこちら

黒糖焼酎は、アルコール初心者から焼酎通まで幅広い層に親しまれるお酒。奄美の特産品ですが、全国に流通しているので、機会があったらぜひ味わってみてくださいね。

おすすめ情報

関連情報

焼酎の基礎知識

日本ビール検定(びあけん)情報

イベント情報

おすすめ情報

Ranking ランキング

おすすめの記事