ごま焼酎(胡麻焼酎)はごまの香りが魅力のお酒! 味わいの特徴やおすすめ銘柄、おいしい飲み方まで

ごま焼酎(胡麻焼酎)はごまの香りが魅力のお酒! 味わいの特徴やおすすめ銘柄、おいしい飲み方まで
出典 : Amarita / Shutterstock.com

ごま焼酎とは、1978年に福岡県の蔵元・紅乙女酒造の創業者が生んだ、ごまの香りが魅力のお酒。香ばしい風味と飲みやすさで、焼酎ビギナーから焼酎通まで多くのファンを魅了しています。今回は、ごま焼酎の特徴や種類、選び方、おすすめ銘柄などを紹介します。

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ごま焼酎とは、原料の一部に「ごま(胡麻)」を使用した焼酎で、ごまのほのかな香りが魅力です。

ごま焼酎とはどんなお酒?

ごま焼酎は原料の一部にごまを使った焼酎

dorry / PIXTA(ピクスタ)

ごま焼酎とはどんな焼酎なのでしょうか。特徴や誕生秘話からみていきます。

ごま焼酎は、原料の一部にごまを使用

ごま焼酎とは、原料の一部にごまを使った本格焼酎。本格焼酎というと、穀類やいも類など1品目を主原料に用いるケースが多いのですが、ごまの場合はそれ単体ではなく、米や麦などデンプン質を多く含む原料と一緒に使われるのが一般的です。

焼酎の原料に酒税法上の決まりはありませんが、「本格焼酎」に使用できる原料については厳密に定められていて、ごまは「国税庁長官の指定する物品」のひとつに挙げられています。

<国税庁長官の指定する物品>
あしたば、あずき、あまちゃづる、アロエ、ウーロン茶、梅の種、えのきたけ、おたねにんじん、かぼちゃ、牛乳、ぎんなん、くず粉、くまざさ、くり、グリーンピース、こならの実、ごま、こんぶ、サフラン、サボテン、しいたけ、しそ、大根、脱脂粉乳、たまねぎ、つのまた、つるつる、とちのきの実、トマト、なつめやしの実、にんじん、ねぎ、のり、ピーマン、ひしの実、ひまわりの種、ふきのとう、べにばな、ホエイパウダー、ほていあおい、またたび、抹茶、まてばしいの実、ゆりね、よもぎ、落花生、緑茶、れんこん、わかめ

出典 国税庁|焼酎に関するもの

国税庁長官の指定する物品の大半は穀類やいも類などと比べてデンプン含有量が少ないため、主原料ではなく風味づけに使われることが多いようです。

ごま焼酎の原料になるごまの花

jazzman / mimi@TOKYO / PIXTA(ピクスタ)

ごま焼酎の歴史は1978年に紅乙女酒造から始まった

ごま焼酎の生みの親は、福岡県久留米市の蔵元、紅乙女酒造の創業者・林田春野氏。老舗蔵元・若竹屋酒造場に嫁いだ春野氏は、長きにわたって日本酒造りを支えてきましたが、昭和50年代に入り洋酒の人気が高まると、日本酒の消費量減少という問題に直面します。そこで「洋酒に負けない香り高いお酒を造ろう」と奮起した春野氏が豊かな感性と執念で生み出したのが、ごまを使った蒸溜酒「ごま焼酎」でした。

さまざまな原料を試すなか、春野氏はごま油を加えた焼酎から独特の臭みが消えることに気づきます。日本人が愛してきた香り高いごまの風味をお酒に活かすべく、試行錯誤の末にたどりついたのが、麦焼酎にごまを使用したもろみを仕込むという製法でした。

世界初のごまを使った蒸溜酒「胡麻祥酎 紅乙女」が誕生し、幸せを運ぶお酒として世に送り出されたのは1978年のこと。以来、ごま焼酎は、ほのかなごまの香りで多くの人を魅了しています。

ごま焼酎の原料

kai / PIXTA(ピクスタ)

ごま焼酎はごまの風味が特徴

ごま焼酎の魅力はなんといってもごま独特の風味。原料のうちごまの比率は、多くても20%強ですが、飲んでみるとしっかりごまの味がするのです。

ごまの種類やごま以外の原料によっても味わいは変わってきますが、スッキリとした飲み口の銘柄が多く、ミネラルウォーターなどで口のなかをリセットしてから味わえば、ほのかなごまの風味が口のなかに心地よく広がります。

ごま焼酎の種類と選び方

ごま焼酎の種類と選び方

Type / PIXTA(ピクスタ)

好みにぴったりの銘柄を選ぶためにも、ごま焼酎の味わいに左右する要素を確認しておきましょう。

◆白ごま? 黒ごま? ごまの種類の違い
原料の一部に使われるごまの種類によって、ごま焼酎の味わいは異なります。
ごま油の原料としても使われる白ごまは、ナッツのようなコクのある香りが特徴です。
一方、黒ごまは皮が硬いため、すって食べるのが一般的。香りが高く、ほのかな苦味があります。

ごま焼酎のラベルに書かれた「ごま」の表記は、多くの場合「白ごま」を指します。

◆麦? 米? ベースとなる原料の違い
前述したように、ごま焼酎は原料にごまだけを使用しているわけではありません。ごまはデンプンの含有量がさほど多くないため、アルコールをとるために米や麦などベースになる原料を使用しますが、当然のことながら、それらの個性も生きてきます。

◆白麹? 黒麹? 種麹菌の違い
麹造りに使われる種麹菌の種類によっても、味わいは変わってきます。一般的に、白麹を使用するとまろやかでスッキリとした味わいに、黒麹を使用すると原料の個性が生きたコクとキレのある焼酎に仕上がる傾向があります。

ほかにも「常圧蒸溜」「減圧蒸溜」といった蒸溜方法や、貯蔵容器や熟成期間、割り水などによっても、ごま焼酎の味わいは変わってきます。まずは、好みの原料や種麹の種類で選びつつ、気になる銘柄を飲み比べてみてください。

ごま焼酎のおすすめ銘柄

一度は試してほしいごま焼酎のおすすめ銘柄を紹介します。

紅乙女 STANDARD(紅乙女酒造)|ほのかなごまの香りとスッキリとした飲み口

紅乙女 STANDARD

出典:株式会社紅乙女酒造サイト

福岡県の紅乙女酒造が、ごまと耳納(みのう)連山の伏流水で造るスタンダード商品。ほのかなごまの香りとやわらかな旨味が特長で、水割りで飲むとスッキリとした口当たりをたのしめます。

「Kura Master 本格焼酎・泡盛コンクール」プラチナ賞(バラエティー部門)、「福岡県酒類鑑評会」金賞、「モンドセレクション」最高金賞ほか受賞歴多数。アルコール感が少なく飲みやすいので、初心者にもおすすめです。

300ミリリットル、720ミリリットル、900ミリリットル、1,800ミリリットルの4サイズで展開。漫画家でイラストレーターの江口寿史氏によるラベルのバージョン(900ミリリットルのみ)も人気です。

原材料名:麦(国産)、米麹(国産米)、ごま(10%以上)
アルコール度数:25度

製造元:株式会社紅乙女酒造
ブランドサイトはこちら

紅乙女 KURO(紅乙女酒造)|黒ごま×黒麹の香ばしさが魅力

紅乙女 KURO

出典:株式会社紅乙女酒造サイト

黒ごまを20%以上使用し、黒麹仕込みで造り上げた香り豊かなごま焼酎。ごまの香ばしい香りと芳醇な味わいが特長です。
「東京ウイスキー&スピリッツコンペティション(TWSC)2021」銅賞受賞。

原材料名:麦(国産)、米麴(国産米)、黒ごま(20%以上)
アルコール度数:25度

製造元:株式会社紅乙女酒造
ブランドサイトはこちら

紅乙女ゴールド(紅乙女酒造)|長期貯蔵酒ならではの芳醇な香り

紅乙女ゴールド

出典:株式会社紅乙女酒造サイト

ごまを20%以上使用し、長期貯蔵・熟成させた、紅乙女のフラッグシップとも評される至高の逸品。芳醇なごまの香りと、長期貯蔵酒ならではの熟成した旨味とまろやかな飲み口が魅力です。

「福岡県酒類鑑評会」金賞、「ITQI(International Taste Institute)」最優秀味覚賞ほか受賞歴多数。

原材料名:麦、米麹、ごま(20%以上)
アルコール度数:38度

紅乙女酒造の長期貯蔵酒といえば、かつて志村けんさんが愛飲したという「紅乙女クリスタル」が有名ですが、こちらはすでに終売になっています。熟成ごま焼酎の魅力を堪能したい人は、世界トップクラスのシェフとソムリエが認めた「紅乙女ゴールド」をぜひ一度味わってみてください。

製造元:株式会社紅乙女酒造
ブランドサイトはこちら

黒ごま焼酎 黒胡宝(くろごほう/メルシャン 八代不知火蔵)|焙煎黒ごまの風味

黒ごま焼酎 黒胡宝

出典:キリンホールディングス株式会社サイト

メルシャンの八代不知火蔵(やつしろしらぬいぐら)が手がける元祖黒ごま焼酎。焙煎した黒ごまを720ミリリットルあたり約36,000粒も使用し、こだわりの製法で黒ごまらしい風味を引き出しています。

原材料名:米、米麹、黒ごま(10%以上20%未満)
アルコール度数:25度

製造元:メルシャン株式会社 八代不知火蔵
公式サイトはこちら

ごま焼酎のおいしい飲み方

ごま焼酎のおいしい飲み方

omizu / PIXTA(ピクスタ)

ごま焼酎は、ロックや水割り、お湯割りなどさまざまな飲み方でたのしめるお酒です。銘柄そのものの風味を堪能したいときはストレートやロックで、ほのかなごまの風味とスッキリとしたのどごしを味わいたいときは水割りで、ごまの香りを心ゆくまで満喫したいときはお湯割りがおすすめです。

ごま焼酎を気に入った人にぜひ一度試してもらいたいのが、アルコール度数の高いお酒をボトルごと冷凍庫で冷やしてたのしむパーシャルショットです。

アルコール度数40度前後のごま焼酎はトロッとした質感に、25度程度のものはシャリシャリのシャーベット状態になります。これをグラスに注いで、まずはストレートで味わってみてください。凝縮感のあるごまの風味となめらかな口当たりをたのしめます。もちろん、水や炭酸をプラスしてもおいしく味わえるので、お酒に強くないにもおすすめです。

ごま焼酎を食事のお供に味わうなら、緑茶割りや炭酸割り(ごま焼酎ハイボール)も一押しです。
主役のごまはもちろん、原料のベースに使われる米や麦はさまざまなおつまみや割り剤と引き立て合うので、いろいろな組み合わせを試してみてくださいね。

ごま焼酎は、ほのかなごまの風味を特徴に持つお酒ですが、その種類はさまざま。ごまの量や種類、ベースとなる原料、種麹菌の種類、熟成期間などを参考に好みの銘柄を探してみてください。

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