福岡の焼酎【天盃(てんぱい)】20代蔵元が造る常圧2回蒸溜と福岡・佐賀産大麦にこだわったクラフト焼酎

福岡の焼酎【天盃(てんぱい)】20代蔵元が造る常圧2回蒸溜と福岡・佐賀産大麦にこだわったクラフト焼酎
出典 : Yoshi / PIXTA(ピクスタ)

「天盃」は、蒸溜酒一筋の酒造りを行う福岡県の老舗蔵元・天盃が手がけるクラフト焼酎。2回の常圧蒸溜と福岡・佐賀県産二条大麦100%で造るこだわりの逸品です。今回は、造り手のプロフィールやこだわり、麦焼酎「天盃」の味わいの特徴やラインナップを紹介します。

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クラフト焼酎「天盃」の魅力を余すところなく紹介します。

クラフト焼酎「天盃」は、日本で初めて大麦100%の焼酎を造った蔵元の主要銘柄

福岡県の蔵元・天盃

出典:株式会社天盃ホームページ

「天盃」を手がけるのは、福岡県朝倉郡筑前町に蔵を構える株式会社天盃です。まずは蔵元の基本情報からみていきましょう。

クラフト焼酎「天盃」の造り手は創業125年の老舗蔵元

天盃は、「世界に誇れる蒸溜酒造り」を掲げて明治31年(1898年)に創業した蔵元です。

粕取り焼酎からスタートした天盃は、芋焼酎や米焼酎など、さまざまな本格焼酎造りを行ってきましたが、国内有数の生産量を誇る福岡県産の二条大麦に目をつけ、昭和50年(1975年)には日本で初めて麦と麦麹だけを使った大麦100%の焼酎造りに成功。現在は麦焼酎専門の蔵元として名を馳せています。

天盃はこれまでも折に触れて製法を根本的に見直しては、オリジナルの製法を開発し、またどこよりも早く新技術を取り入れてきました。また、1980年には「本格焼酎」の定義の必要性を提言。これをもとに2002年11月「酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律施行規則」において、「本格焼酎(本格しょうちゅう)」の定義が確立しました。

本格焼酎が世界の蒸溜酒と肩を並べる存在となった背景に、天盃の尽力と先見の明があったことはいうまでもありません。

(参考資料)
「酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律施行規則」第十一条の五

天盃の焼酎造り

出典:株式会社天盃ホームページ

20代蔵元が注力するのは飲み手に体験を提案する蒸溜酒造り

天盃では創業から100余年の間、さまざまな変革を経てこだわりの製法の礎を築いてきましたが、ハード面が確立してくれば、次にこだわるべきはソフトの部分。お酒でいえば、飲む人にどのような体験を提供できるかということでしょう。
そこで近年は、酒質の向上をめざすかたわら、本格焼酎のたのしみ方を追求。既成の枠を取り払い、飲む人に体験を提案する蒸溜酒造りにチャレンジしています。

現在天盃を支えるのは、1994年生まれの5代目蔵元・多田匠(たくみ)さん。多田さんの目標は、「アルコール臭がきつい」「飲みにくい」「おじさんの飲み物」といった同世代の人たちが抱きがちな焼酎のネガティブな印象を払拭すること。デジタルマーケティングの会社で培った経験と天盃が築いてきた蒸溜酒造りの技術で人とお酒をつなぎ、飲む人に「体験」という新たな価値を提供していくといいます。

天盃の主要銘柄といえば蔵の名を冠した「天盃」ですが、近年は、料理との「究極のペアリング体験」をブランドテーマに掲げたクラフト焼酎「クラフトマン多田」、日本酒蔵が貴醸酒の貯蔵に使用した樽を用いて独自の味わいを表現したスピリッツ「スピリット多田」、クラウドファウンディングから誕生した珈琲×焼酎リキュール「コーヒースペシャリテ」など、個性豊かな商品開発を手掛けています。

天盃のクラフト焼酎造りに対するこだわり

「天盃」の原材料・二条大麦

出典:株式会社天盃ホームページ

天盃が長年かけて確立してきた原料や製法へのこだわりを詳しくみていきましょう。

福岡・佐賀県産二条大麦100%

天盃の焼酎造りのこだわりに、原料の大麦が挙げられます。
使用するのは二条大麦。なかでも福岡県から佐賀県南部にまたがる筑紫(つくし)平野で生産されたものだけを使用しています。

これは、昭和51年(1976年)に日本で初めて麦と麦麹だけを使って常圧蒸溜で造る無添加の麦焼酎を発売して以来、守られているこだわりのひとつです。

筑紫平野は豊かな穀倉地帯で麦の栽培が盛んなことでも知られ、二条大麦はビールや焼酎の原料として使われています。

なお、天盃では合計31の精麦工程で35%高精麦の原料大麦に仕上げるよう、精麦工場に特別オーダーしているそう。

オリジナルの蒸溜器

出典:株式会社天盃ホームページ

自社開発「天盃式蒸溜器」による常圧2回蒸溜

コニャックやスコッチでは2回蒸溜が一般的とされていますが、焼酎は一度だけの蒸溜が主流。これに疑問を持っていた天盃では、ヨーロッパに渡ってコニャックやスコッチの蒸溜所をめぐり、蒸溜の研究を重ねます。結果的に、2回蒸溜で焼酎はさらにおいしくなると確信し、世界にただ1つの天盃式蒸溜器を自社開発。以来、2回蒸溜を貫いています。

また、天盃では原料の個性を最大限に引き出せる常圧蒸溜にこだわり、初溜器でできた焼酎を再溜器でもう一度蒸溜。大麦の持ち味を残したまま雑味だけを軽減し、麦焼酎のおいしさを追求しています。

クラフトむぎ焼酎「天盃」の特徴とラインナップ

天盃の本格麦焼酎シリーズ

出典:株式会社天盃ホームページ

本格麦焼酎「天盃」の定番商品と、熟成させたプレミアムシリーズを紹介します。

天盃 25度

天盃 25度

出典:株式会社天盃ホームページ

ふくよかな香りとさらりとした飲みやすさ、常圧蒸溜ならではの力強いコクが魅力の定番商品。仕込み水と割り水に異なる天然水を使い分けているのも「天盃」の特徴で、アルコール度数25度でも原酒の素材感を堪能できます。
ロックや水割り、お湯割りなどさまざまな飲み方でたのしんで。

天盃 40度

天盃 40度

出典:株式会社天盃ホームページ

大麦の深い香りとコクを堪能するなら、アルコール度数40度の「天盃」がおすすめ。しっかりとした個性がたのしめます。

天盃 いにしえシリーズ

天盃 いにしえ10年

出典:株式会社天盃ホームページ/ Shutterstock.com

「いにしえシリーズ」は、通常は1年の貯蔵後に出荷される「天盃」を3年、5年、10年と熟成させた長期貯蔵のプレミアムシリーズ。大麦の風味と熟成焼酎ならではの奥行きや深みを堪能できます。

ラインナップは、「いにしえ3年」「いにしえ5年」「いにしえ10年」の3種類。

「天盃」の蔵元が放つ究極の食中酒「クラフトマン多田」の魅力

クラフト焼酎「クラフトマン多田」

出典:株式会社天盃ホームページ

現在、天盃の代表銘柄となっているのが、クラフトむぎ焼酎「クラフトマン多田」。「究極のペアリング体験」をテーマに料理との融和を追求しつくし、これまでの焼酎のイメージを一新した食中酒シリーズです。

麦焼酎ながら醸造酒のように飲める「クラフトマン多田」は、白身魚のカルパッチョや焼き鳥、天ぷらなどにぴったりの「クラフトマン多田スパニッシュオレンジ」、タレやソース、煮込み料理と引き立て合う「クラフトマン多田キャンティブラウン」をはじめ、料理に合わせて選べる多彩なラインナップを展開。2022年には「クラフトマン多田キャンティブラウン」がKURA MASTER の麦焼酎部門で金賞を受賞し、注目を集めています。

なお、「クラフトマン多田」は特約店のみの限定流通販売。詳しくはブランドサイトで確認してくださいね。

「クラフトマン多田」ブランドサイト

「天盃」は、独自の製法で原料の個性を存分に引き出したクラフトむぎ焼酎。情熱と革新が生み出す豊かな味わいを、ぜひ一度味わってみてください。

製造元:株式会社天盃
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