「赤霧島」とは? フルーティーな香りや味わいの秘密、「黒霧島(クロキリ)」との違いも紹介
「赤霧島」は、「黒霧島(くろきりしま)」で名高い宮崎県の蔵元・霧島酒造が手掛ける本格芋焼酎。優雅でフルーティーな香りと澄んだ甘味で、幅広いファンに親しまれています。今回は、「赤霧島」の香りや味わい、特徴、おいしい飲み方、霧島シリーズのおすすめ商品などを紹介します。
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「赤霧島」はお酒を飲み慣れていない人や、アルコール独特のにおいが苦手な人にもおすすめのフルーティーな芋焼酎。その魅力やおいしさの秘密に迫ります。
「赤霧島」とはどんなお酒?
出典:霧島酒造株式会社ホームページ
「赤霧島」とは、宮崎県の霧島酒造が手掛ける「霧島」ブランドの人気商品。霧島酒造といえば、乙類焼酎に「本格焼酎」と名づけた焼酎業界の立て役者にして、この10年、焼酎メーカー売上高ランキングの首位を独走(※)する老舗蔵元です。
そんな霧島酒造がこだわりの粋を極めた「赤霧島」の特徴をみていきましょう。
※帝国データバンク「焼酎メーカー売上高ランキング(2021年)」より
「赤霧島」はフルーティーな香りと澄み渡った甘味が魅力の本格芋焼酎
「赤キリ」の愛称で親しまれる「赤霧島」は、気高い香りと、澄んだ甘味が魅力の本格芋焼酎。フルーティーで上品な香りは、「雅(みやび)」とも表現されるほどの奥ゆかしさを秘めています。スッキリとした飲み心地のなかにも芋の風味がしっかり感じられる、味わい深い1本です。
甘味のあるお酒というと、糖質が気になるものですが、「赤霧島」は本格焼酎なので糖質はゼロ(※)。水割りや炭酸割りなどの定番の飲み方なら、糖質を気にする必要はありません。甘いお酒が好きな人も、安心してたのしめそうですね。
※食品表示基準による
また、ツンと鼻につくアルコールのにおいもさほど気にならないので、焼酎初心者やお酒に強くない人にもおすすめです。
画像提供:霧島酒造株式会社
「赤霧島」と「黒霧島」の違いは?
「霧島」ブランドといえば、「クロキリ」の愛称で親しまれている「黒霧島」を思い浮かべる人もいるでしょう。売り場では並べて陳列されることの多い「赤霧島」と「黒霧島」ですが、両者の間にどのような違いがあるのでしょうか。
「黒霧島」は、霧島酒造の創業年である大正5年(1916年)に初蔵出しされた焼酎のルーツを受け継ぐ黒麹仕込みの本格芋焼酎。トロッとした甘味とキリッとしたあと切れが特徴のロングセラー商品で、2000年代初頭の本格焼酎ブームをけん引した焼酎としても知られています。
「赤霧島」と「黒霧島」の違いは、おもに原料芋と麹の種類にあります。具体的にみていきましょう。
◇赤霧島
主原料:ムラサキマサリ(紫優)
麹:白麹
アルコール度数:25度
◇黒霧島
主原料:コガネセンガン(黄金千貫)
麹:黒麹
アルコール度数:20度・25度
「コガネセンガン」を原料に、黒麹仕込みで造られる「黒霧島」は、「赤霧島」と比べて香りは穏やか。味わいはやや濃醇に仕上がっています。
なお、気になる価格ですが、「赤霧島」は「黒霧島」より若干高め。といっても、春と秋の年2回だけ限定販売されるレアな商品だったころに比べると、通年商品となった今は、「赤霧島」は格段に入手しやすくなりました。
900ミリリットルなら税込1,300円前後と比較的手ごろな価格で購入できるうえ、スーパーやコンビニなどでも高い確率で出会えるので、機会があったら飲み比べてみてください。
「黒霧島」のブランドサイトはこちら
出典:霧島酒造株式会社ホームページ
「赤霧島」の名前の由来は、独特の香りと甘味を生み出す真っ赤なもろみ
「赤霧島」の主原料は、「ムラサキマサリ(紫優)」というさつまいも。アントシアニンを多く含むことで知られる加工用の品種ですが、この芋自体は紫色で、「赤霧島」の名前の由来ではありません。
「霧島」ブランドには黒麹で造る「黒霧島」のほかに、白麹で造る「白霧島(しろきりしま)」という人気商品もありますが、前述したように「赤霧島」には白麹が使われているので、種麹から命名されたわけでもありません。
「赤霧島」の名前の秘密は、じつはもろみ(醪)の色にありました。
主原料の「ムラサキマサリ」に豊富に含まれる紫色素(アントシアニン)が、麹が生み出すクエン酸と混ざり合うと、燃えるような赤色になります。この鮮やかなもろみの色合いこそが、「赤霧島」の名前の由来なのだそう。
「赤霧島」のシンボルともいえるもろみの赤色は蒸溜段階で取り除かれてしまうため、ボトルの中の焼酎は無色透明ですが、「ムラサキマサリ」とクエン酸が織りなす鮮烈なカラーを想像しながら、「赤霧島」を味わってみてはいかがでしょう。
「赤霧島」のおいしさを生み出す3つの秘密
出典:霧島酒造株式会社ホームページ
「赤霧島」は、芋焼酎独特のクセを感じさせない、言い方を換えると、芋の個性を見事に長所へと昇華させた、上品で飲みやすいお酒です。
ここでは、「赤霧島」のおいしさの秘密をひも解いていきます。
秘密1:「赤霧島」の仕込み水は霧島連山の澄み渡った地下水「霧島レッカ水」
「赤霧島」の味わいを支える水は、霧島レッカ(裂罅)水。霧島連山に降り落ちた雨が、数十年の年月をかけてシラス層や火山灰土壌にろ過され、都城盆地の地下岩盤の割れ目に蓄えられたこの地下水は、酵母菌の発酵に適した軟水で、霧島酒造の全商品に使われています。
仕込み水や割り水はもちろん、製造の全工程に霧島レッカ水を使用した焼酎は、ピュアでまろやかな口当たりに仕上がるといわれています。
画像提供:霧島酒造株式会社
秘密2:「赤霧島」の主原料は九州産「ムラサキマサリ」!
霧島酒造のこだわりのひとつに、「九州産さつまいも100%」があります。雑味を抑えるため、基本的には、収穫後3日以内の新鮮なさつまいもを使用。傷みのあるさつまいもは酒質に影響を与えるため、手作業でていねいに取り除くなど、原料処理にも工夫をこらしています。
「赤霧島」の主原料「ムラサキマサリ」も100%九州産。焼酎の原材料に使える品種を探したのではなく、「ムラサキマサリ」の開発者である九州沖縄農業研究センターの研究者(当時)から「焼酎の原料に使えないか」と相談を受け、共同で品種改良を重ねたそう。「赤霧島」の完成までに、じつに10年以上の歳月がかかりました。
収穫量の都合上、当初は数量限定での販売でしたが、「ムラサキマサリ」由来の華やかな香りで評判となり、一時はレアな芋焼酎として愛飲家の注目を集めました。
出典:霧島酒造株式会社ホームページ
秘密3:「赤霧島」は熟練のブレンダーだけが持つ神ワザで完成する
九州産の「ムラサキマサリ」を原料に、独自の発酵技術と蒸溜技術で存分に香りを引き出した原酒をもとに、「赤霧島」のキャッチコピー「みやびにするっと」な味わいに仕上げるのはブレンダーの仕事です。
蒸溜を終えた原酒の味や香りは、貯蔵タンクごとに異なります。これを霧島酒造ならではのおいしさの基準に合わせて、利き酒と分析を何度も繰り返しながら、わずかな違いも逃さないブレンダーの神ワザで黄金バランスに整えていくのです。
「赤霧島」のおいしい飲み方
出典:霧島酒造株式会社 赤霧島ブランドサイト
「赤霧島」のおいしさを堪能するなら、ロックや水割り、お湯割り、炭酸割りがおすすめです。
◆ロック
「赤霧島」のみやびな味わいと、するっとしたのどごしをたのしむならロックがおすすめ。ロックグラスに市販の氷をたっぷり満たして、ゆっくり時間をかけて味わって。
◆水割り
「赤霧島」のほのかな甘味とスッキリとした飲み口をたのしみたいときは水割りがおすすめです。
◆お湯割り
「赤霧島」ならではの優雅でフルーティーな香りを満喫したいときは、お湯割りで。薄めでもおいしく味わえるので、お酒に強くない人はお湯割りから試してみては?
◆炭酸割り(赤ッキリボール)
「赤霧島」の華やかな香りと甘味を味わうなら、炭酸割りが一押しです。爽快なのどごしをたのしんで。
「赤霧島」と相性抜群のおつまみは?
出典:霧島酒造株式会社ホームページ
「赤霧島」と相性のいいおつまみを紹介します。
「赤霧島」はワインのおつまみと好相性
フルーティーな香りが魅力の「赤霧島」は、プロセスチーズや生ハムなど、ワインと相性のいいおつまみと絶妙なマリアージュを奏でます。ほかにもさまざまな料理とのペアリングをたのしめますが、薄味のものよりは、旨味や塩味をきかせた味つけがおすすめです。
霧島酒造では、料理家の先生が考案した「赤霧島」にぴったりのレシピを紹介しています。毎日の献立にプラスしてみてはいかがでしょう。
霧島酒造「赤霧島と楽しむ料理」
出典:霧島酒造株式会社ホームページ
「赤霧島」はスイーツとも相性抜群
意外な組み合わせとして注目されているのが、スイーツとのペアリング。なかでもバニラアイスは霧島酒造の女性ブレンダーの一押しで、アイスの上から「赤霧島」をかけてもおいしくいただけます。
また、一度は試したいのが「赤霧島」とビターチョコレートの組み合わせ。「赤霧島」の澄んだ甘さと、ビターチョコレートのほろ苦い甘味が絶妙に引き立て合います。板チョコをおつまみに味わうもよし、刻んだチョコをお湯割りで溶かしてチョコラテ風ホットカクテルにしてたのしむもよし。いろいろ試して、オリジナルのレシピを作ってみてください。
霧島酒造「赤キリ&チョコレートレシピ」
「赤霧島」が気に入った人におすすめ! 「霧島」ブランドの人気商品
「霧島」ブランドのなかから、「赤霧島」が気に入った人におすすめの人気商品を紹介します。
白霧島(しろきりしま)
出典:霧島酒造株式会社ホームページ
コガネセンガンを原料に使った白麹仕込みの本格芋焼酎。芋本来のコクとほわんとした香り、なめらかな口当たりが魅力で、甘味と旨味、丸味のバランスには定評があります。
アルコール度数:20度・25度
「白霧島」のブランドサイトはこちら
茜霧島(あかねきりしま)
出典:霧島酒造株式会社ホームページ
桃やオレンジを想わせる香りとフルーティーな甘味が特徴の本格芋焼酎。鮮やかなオレンジ色のさつまいも品種「タマアカネ(玉茜)」の魅力を黒麹で存分に引き出し、霧島酒造独自の芋の花酵母を使って華やかな味わいに仕上げた、フルーティーな焼酎好きにはたまらない1本です。
アルコール度数:25度
「茜霧島」のブランドサイトはこちら
虎斑霧島(とらふきりしま)
出典:霧島酒造株式会社ホームページ
「黒霧島」に使われる黒麹と、日本酒の醸造に使われる黄麹を使って、独自の三段仕込みで醸した本格芋焼酎。黒麹らしいキレのあるナチュラルな苦味と、黄麹ならではの華やかな香りがたのしめます。
※数量限定商品
アルコール度数:25度
「虎斑霧島」のブランドサイトはこちら
SUZUKIRISHIMA(すずきりしま)
出典:霧島酒造株式会社ホームページ
2021年9月に宮崎エリア先行で発売された数量限定の新商品。華やかさを産むさつまいも「スズコガネ」とフルーティーな香りをもたらす「エアリアル酵母」、複雑で深みのある香りを生み出す「ふわり玄米」を使用し、軽快な口当たりと深みのある旨味を共存させた、新感覚の本格芋焼酎。スッキリ華やかな味わいをたのしんで。
※宮崎エリア先行・数量限定販売
アルコール度数:20度
「SUZUKIRISHIMA」のブランドサイトはこちら
「赤霧島」は、フルーティーな焼酎の人気をけん引する香り系焼酎の代表格ともいうべき逸品。芋の華やかな香りをたのしみたい人は、ぜひ一度味わってみてください。
製造元:霧島酒造株式会社
公式サイトはこちら
「赤霧島」ブランドサイトはこちら
「赤霧島」ブランドサイト 松坂桃李 赤霧島を知る旅