「焼酎」とは、日本を代表する蒸溜酒!種類、特徴、日本酒やウイスキーとの違いまでわかりやすく紹介

「焼酎」とは、日本を代表する蒸溜酒!種類、特徴、日本酒やウイスキーとの違いまでわかりやすく紹介
出典 : Table-K / PIXTA(ピクスタ)

焼酎は、日本で古くから親しまれてきた蒸溜酒。なかでも本格焼酎に代表される「単式蒸留焼酎」は日本酒と並ぶ「國酒(こくしゅ)」とされ、近年は海外でも注目を集めています。今回は、焼酎の基本情報や種類、味わいの特徴とおいしい飲み方などについて紹介します。

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「焼酎ってどんなお酒?」と聞かれたとき、なんと答えたらよいでしょうか。焼酎の基本情報をわかりやすくまとめてみました。

焼酎とは? 原料や製法によって多彩な個性をまとう日本の蒸溜酒

本格焼酎ロック

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焼酎とは、原料や製法によって風味が大きく異なる、日本の代表的な蒸溜酒です。日本の酒税法上は、ウイスキーやブランデー、スピリッツと同じ「蒸留酒類」に分類されています。

焼酎は、その製法によって大きくふたつに分けられます。ひとつは、連続式蒸溜機で造られる「連続式蒸留焼酎」、もうひとつは、単式蒸溜機で造られる「単式蒸留焼酎」。「本格焼酎」の呼称で親しまれているものは、この「単式蒸留焼酎」を指します。

それぞれの製法や味わいの違いについては、のちほど詳しくみていきます。

焼酎と混同されがちなお酒に、日本酒(清酒)があります。焼酎と並んで日本の「國酒」として語られることの多い日本酒は、酒税法上はワインなどの果実酒と同じ「醸造酒類」に分類されます。

原料をアルコール発酵させ、その発酵液(もろみ)を濾(こ)して造るのが醸造酒。一方、発酵によって得られた発酵液を蒸溜して造られるのが蒸溜酒です。その決定的な違いは、発酵液を加熱し、水とアルコールの沸点の違いを利用してアルコール分を取り出す「蒸溜」という工程があるかどうかです。

なお、ビールも広義には醸造酒に含まれますが、日本の酒税法では「発泡性酒類」に分類されています。

焼酎の種類

焼酎の種類は多彩

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焼酎は、その製法や原材料によっていくつかの種類に分類できます。種類ごとに個性が異なるのも、焼酎ならではの特徴です。

「甲類焼酎」と「乙類焼酎」は、製法の違いに着目した酒税法上の分類

焼酎はその製法によって、「連続式蒸留焼酎」と「単式蒸留焼酎」に大別されます。一般的には、連続式蒸留焼酎は「甲類焼酎」、単式蒸留焼酎は「乙類焼酎」、乙類のなかでも一定の条件を満たしたものは「本格焼酎」と呼ばれ、銘柄選びのキーワードとしても活用されています。

甲類焼酎は、原料の発酵液を連続して投入しながら蒸溜を行う「連続式蒸溜機」で蒸溜される焼酎。大量生産が可能な製法で、リーズナブルな価格で提供できるという利点があります。繰り返し蒸溜を行う過程で雑味が取り除かれるため、クリアな味わいに仕上がりやすいのが特徴で、チューハイやサワー作りに重宝されるほか、梅酒などのベースとしても使われます。

乙類焼酎(本格焼酎)は、昔ながらの「単式蒸溜機(単式蒸溜器)」で造られる焼酎のこと。1度の蒸溜でアルコールを抽出するため、原料由来の個性が生きた味わい深い焼酎に仕上がる傾向があります。単式蒸溜には、「常圧蒸溜」「減圧蒸溜」の2種類があり、どちらの蒸溜方法を採用するかによっても、香味の傾向が違ってきます。
原料によっても個性が異なり、多彩な飲み方でたのしまれています。

「連続式蒸留焼酎」と「単式蒸留焼酎」の区分は、「酒税法」の第三条で明確に定められています。

e-GOV法令検索|酒税法

「連続式蒸留焼酎」と「単式蒸留焼酎」については、以下の記事で詳しく紹介しているので、深掘りしたい人はぜひ読んでみてください。

なお、「連続式蒸留焼酎(甲類焼酎)」と「単式蒸留焼酎(乙類焼酎)」をブレンドした「混和焼酎」も存在します。混和焼酎も酒税法上は「蒸留酒類」に分類され、甲類のスッキリとした酒質と乙類の原料由来の風味を合わせ持つ味わいが魅力とされています。

芋焼酎を温める酒器、黒千代香

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「芋焼酎」「麦焼酎」「米焼酎」…は乙類焼酎の原料別分類

焼酎は、原料によって香りや味わいの個性が大きく異なります。なかでも乙類焼酎(本格焼酎)は、原料由来の香りや風味が残りやすいことから、原料の種類や品種、加工方法などが銘柄選びのポイントとなります。

「芋焼酎」「麦焼酎」「米焼酎」といった呼び方は、おもに乙類焼酎を原料別に分類したものです。混和焼酎でも原料名を冠する商品はありますが、原料の個性を前面に打ち出しているのは乙類焼酎が中心といえるでしょう。

代表的な原料と味わいの傾向をみていきましょう。

【芋焼酎】

サツマイモと米麹を主原料にした焼酎。近年は、芋麹を使用した、全量芋焼酎も人気です。おもな生産地は、本格焼酎出荷量で1、2位を争う宮崎県と鹿児島県。原料芋の品種や使用する麹菌、蒸溜方法、貯蔵・熟成期間などによって味わいは異なりますが、焼酎のなかでも個性が強く、芋独特の華やかで力強い香りと、甘味を感じさせるコクのある味わいが特徴です。

麦焼酎の原料麦

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【麦焼酎】

麦焼酎は、麦を主原料とする焼酎で、産地や製法によって個性がわかれます。なかでも代表的なのが、
壱岐焼酎」と「大分焼酎」です。

「壱岐焼酎」は、「麦焼酎発祥の地」で知られる長崎県壱岐地方の麦焼酎で、WTO(世界貿易機関)のTRIPS協定に基づき国際的に保護される地理的表示(GI)に登録された、日本を代表する麦焼酎ブランドです。原料の大麦と米麹を2:1の割合で使用しているのが特徴で、麦のさわやかな香りと米の甘味がたのしめます。

「大分麦焼酎」は、比較的スッキリとした飲み口で、やわらかな香ばしさを感じるタイプが多く、焼酎初心者にも親しみやすいとされています。

麦焼酎のなかには麦の香ばしさを全面に出した通好みの銘柄もあり、選択肢の広さも魅力となっています。

米焼酎と原料の米

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【米焼酎】

米と米麹を原料に造られるのが米焼酎。フルーティーな香り、そして米の旨味と甘味が特徴で、常圧蒸溜による米由来のふくらみを感じさせるタイプものから、減圧蒸溜による軽やかでやさしい口当たりのものまで幅があります。熊本県人吉球磨(くま)地方が代表的な産地で、この地で造られる「球磨焼酎」は地理的表示(GI)に登録されています。

このほかにも、黒糖焼酎ごま焼酎栗焼酎そば焼酎、しそ焼酎など、多彩な原料で造られる個性豊かな焼酎が存在し、愛好家を魅了しています。原料の違いがそのまま個性につながる点も、焼酎の大きな魅力です。

なお、沖縄地方で米を原料に造られる「泡盛」は、名前に「焼酎」がついていませんが、酒税法上は「単式蒸留焼酎」に分類されます。

焼酎の香りをたのしむ女性

Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)

【コラム】焼酎の味わいを左右するおもな要素

焼酎の味わいは、原料だけで決まるわけではありません。麹や発酵、蒸溜、貯蔵といった工程の違いが重なり合い、銘柄独特の個性を形づくります。ここでは、焼酎の味わいを左右するおもな要素を5つピックアップし、かんたんに紹介します。

◇原料
焼酎の味わいの土台となるのが、芋・麦・米などの原料です。品種や産地によっても香りやコクは変わります。

◇麹菌の種類
乙類焼酎の麹造りに使われる麹菌の種類は、おもに黒麹、白麹、黄麹の3種類。どの麹菌を使用するかで、酒質が変わります。黒麹は原料由来の個性が出やすく、白麹はスッキリ、黄麹は華やかな香りと甘味を生みやすいのが特徴です。

◇仕込み(発酵)
麹・酵母・水を用い、原料を発酵させる工程。一次仕込みと二次仕込みに分けて行われるのが一般的ですが、「泡盛」では一度に全量仕込みます。このときの発酵温度や日数の違いによっても、香りや味わいが変わります。

◇蒸溜方法
常圧蒸溜は原料の個性が残りやすく、減圧蒸溜は軽やかな酒質になりやすい傾向があります。連続式蒸溜はニュートラルな酒質が特徴です。

◇貯蔵期間・容器
熟成期間や甕(かめ)・樽・タンクといった容器の違いは、焼酎の色や香り、風味、飲み口などに影響を与えます。

このほか、酵母の種類や仕込み水、ブレンド技術なども味わいに影響します。

焼酎の特徴とおいしい飲み方

焼酎の特徴とおいしい飲み方

omizu / PIXTA(ピクスタ)

焼酎のカロリーや糖質、アルコール度数といった特徴と、おいしい飲み方についてみていきます。

焼酎は糖質ゼロ!ダイエット中の人にも人気

焼酎は蒸溜酒なので、糖質はゼロです。原料に芋や麦、米などを使用していますが、アルコールよりも沸点の低い成分は蒸溜工程で気化せず、もろみに残るからです。糖質を気にしている人や、ダイエット中の人の選択肢にあげられることが多いのはそのためです。

焼酎のなかでも、昔ながらの蒸溜方法で造られる乙類焼酎には、アルコールとともに抽出される微量成分が含まれています。こうした成分や、熟成によって育まれる香気成分については研究が進められており、その特性が健康の文脈で取り上げられることもあります。

とはいえ、焼酎がアルコール飲料である以上、飲みすぎは禁物です。自分の適量を知り、節度ある飲酒をたのしむことが大切です。

小型の蒸溜機

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アルコール度数はやや高め

焼酎のアルコール分(アルコール度数)は酒税法でその上限が定められており、甲類焼酎(連続式蒸留焼酎)は36度未満、乙類焼酎(単式蒸留焼酎)は45度以下とされています。

一般に流通している焼酎のアルコール度数は、25度と20度が主流。泡盛に関しては30度が主流で、果実酒用の甲類焼酎(ホワイトリカー)などは、35度というものもあります。乙類焼酎の原酒には、40度前後のものも存在します。

おもなアルコール飲料の度数の目安に、日本酒が約15度、ワインが約14度、ウイスキーが40度以上という数値があげられます(「政府広報オンライン」より)。これらと比較すると、一般的な焼酎はウイスキーよりは低く、日本酒やワインよりはやや高い度数といえるでしょう。

焼酎のアルコール度数はやや高めですが、水やお湯、ソーダ、お茶などで割ってたのしまれることが多いお酒です。厚生労働省の「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」でも、純アルコール量を意識し、水と一緒に飲んだり、水などで薄めてアルコール度数を下げたりするなど、健康に配慮した飲み方が大切とされています。

(参考)
政府広報オンライン|急性アルコール中毒の怖さを知っていますか?イッキ飲みや無理強いは命にかかわることも!
厚生労働省|健康に配慮した飲酒に関するガイドライン

おいしそうにレモンサワーを飲む女性

pearlinheart / PIXTA(ピクスタ)

焼酎は幅広い飲み方でたのしめるお酒

焼酎は、甲類・乙類ともに飲み方の幅が広いのが特徴です。定番は、ストレートやロック、水割り、お湯割り、ソーダ割りといった、焼酎そのものの味わいを生かしたスタイル。温度や割り材との割合によって香りの立ち方や味わいの印象が変わるため、同じ銘柄でも異なる表情をたのしめます。

一般的に、乙類焼酎はこうした定番のスタイルで銘柄ごとの個性をじっくり味わう傾向があります。一方、甲類焼酎はクセが少ないため、サワーやチューハイなどのベースとして使われることが多いお酒です。

ここで紹介したのはあくまで一例。甲類焼酎をロックや水割りでたのしむのもよいですし、乙類焼酎に柑橘類をプラスしたり、甘味のあるノンアルコール飲料を加えたりと、アレンジは自由です。さまざまな割り方を試しながら、自分にとっての「とっておき」をみつけてみてください。

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