焼酎の「糖質」はゼロって本当? 「カロリー」との関係やほかのお酒との糖質比較まで徹底研究

焼酎の糖質は基本的にゼロですが、飲み方やたのしみ方によって摂取量が変わってきます。ここでは、「糖質ゼロ」の秘密や「カロリー」との関係、ほかのお酒との糖質&カロリー比較、糖質を制限中の人におすすめしたい焼酎の飲み方などを紹介します。
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まずは焼酎が「低糖質」「糖質ほぼゼロ」といわれる理由をみていきましょう。
焼酎に糖質は含まれる?「糖質ゼロ」の秘密を探る

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糖質が低い(少ない)お酒の筆頭に挙げられる焼酎ですが、焼酎そのものは「糖質ゼロ」です。
ごはんやお菓子、フルーツをはじめ、多く食材に含まれる糖質の正体を確認しながら、焼酎が糖質ゼロになる理由をみていきましょう。
糖質とは?
糖質とは、私たちの生命維持に欠かせないエネルギー産生栄養素のひとつである炭水化物から食物繊維を除いたもの。運動時のエネルギー源となって持久力やパフォーマンス維持に使われるほか、脳や神経組織、赤血球、腎尿細管、精巣、酸素不足の骨格筋などの組織にブドウ糖を供給するという重要や役割を担っています。
糖質の摂取量を制限すると、体はブドウ糖代謝からケトン体代謝に切り替わります。これにより脂肪燃焼を促すのが、いわゆる「糖質制限ダイエット」です。近年はダイエット効果だけでなく、肥満予防やメタボリックシンドロームの改善にも有効とされ、注目を集めています。

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糖質制限にはデメリットもあります。「脂肪は炭水化物(糖質)の炎で燃える」といわれるように、脂肪の代謝にも糖質は不可欠です。糖質が不足すると、体は筋肉中のアミノ酸を分解してブドウ糖を作り出すため、筋肉量が減る原因にもなります。
逆に、糖質を摂りすぎると、肥満や生活習慣病のリスクが高まります。エネルギーとして使われなかった糖質は中性脂肪として体に蓄えられるからです。
糖質は不足も摂りすぎも避け、ほかのエネルギー産生栄養素とのバランスを考慮しながら、適正な範囲で摂取することが大切です。
(参考資料)
厚生労働省|日本人の食事摂取基準

「糖質」と「糖類」の違い
糖質と似た言葉に「糖類」があります。「糖類ゼロ」という言葉もあるため、混乱しがちですが、「糖質」と「糖類」は別物で、「糖質⊃糖類」の関係にあります。
◆糖質
炭水化物から食物繊維を除いたもので、エネルギー源になる糖類の総称。
◆糖類
糖質の一部で、単糖類・二糖類などを指す。
もうひとつ混同されがちな言葉に「糖分」がありますが、こちらは「糖質」「糖類」と違って明確な定義のない日常的な表現で、一般的にはごはんや甘いもの、糖類の成分、また、甘味などを指します。
(参考)
消費者庁|食品表示法等(法令及び一元化情報)
厚生労働省|「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 II各論 1-4 炭水化物
健康日本21アクション支援システム ~健康づくりサポートネット~|炭水化物 / 糖質
国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所|炭水化物と糖類について

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焼酎は蒸溜酒だから基本的に「糖質ゼロ」
文部科学省が公表する「日本食品標準成分表」によると、焼酎の糖質はゼロです。
焼酎は、米や麦などの穀類や芋類、廃糖蜜など、糖質を多く含む原料から造られますが、最終的に「糖質ゼロ」になるのは、焼酎が蒸溜という工程を経て造られる「蒸溜酒」だからです。
焼酎の原料に含まれるデンプン(多糖類)は、麹菌のはたらきでブドウ糖(単糖類)などに分解されます。これを栄養源に酵母がアルコールを生成しますが、発酵を終えたもろみのなかには、酵母が分解しきれなかった糖質や、原料由来の糖質が少し残っています。これを完全に除去するのが、「蒸溜」の工程です。
蒸溜とは、もろみを加熱し、水とアルコールの沸点の差を利用してアルコールを抽出する技術。原料由来の成分のなかでも、沸点の低い香気成分などはアルコールと一緒に抽出されますが、糖質やプリン体は沸点が高いため、蒸発せずにもろみ中に残るのです。
蒸溜後の焼酎には、糖質は含まれません。つまり、「糖質ゼロ」ということになります。
(参考資料)
文部科学省|日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

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微量の糖質を含んだ低糖質焼酎もある?
焼酎のなかには、まれに糖質を含むものがありますが、これは原料由来の糖が蒸溜後も残ったケース。ほとんどの場合はごく微量で、「糖質ゼロ」と表記できる条件「100ml中の含有量が0.5g未満」を満たしています。
この「微量」というのが気になるところではありますが、仮に100ミリリットル中に0.49グラムの糖質を含んでいたとしても、焼酎は薄めて飲むケースが多いお酒。スポーツドリンクやサイダー、フルーツジュースなどに比べると、さほど気にならないレベルといえるでしょう。
<飲料100ミリリットル中の糖質量>
◇スポーツドリンク:5.1グラム
◇サイダー:10.2グラム
◇フルーツジュース(果実色飲料):12.8グラム
(日本食品標準成分表(八訂)増補2023年より)
(参考資料)
消費者庁|食品表示法に基づく栄養成分表示のためのガイドライン
味をまろやかにしたり、甘味を添えて飲みやすくしたりするために、焼酎にグルコース(ブドウ糖)や果糖、ショ糖(砂糖の主成分)などの糖類を添加するケースもありますが、この場合、酒税法上の分類は「蒸留酒類」ではなく「混成酒類」になります。混成酒類に分類された焼酎は、酒税法上「焼酎」ではなくなります。
焼酎は糖質ゼロでもカロリーはゼロではない

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焼酎は糖質ゼロといっても、カロリーがゼロというわけではありません。
気になる焼酎のカロリーについても確認しておきましょう。
焼酎のカロリーはアルコールのカロリー
焼酎に限らず、お酒に含まれるアルコールは、1グラムあたり7.1キロカロリーのエネルギーを産生します(7キロカロリーとするケースもあり)。この数値をアルコールの「エネルギー換算係数」といい、kcal/gという単位で表します。
エネルギー(カロリー)のもととなる栄養素を、「エネルギー産生栄養素」といいます。三大栄養素
と呼ばれるタンパク質と脂質、炭水化物(糖質+食物繊維)にアルコールが加わることもありますが、アルコールは必須栄養素ではないため、摂取しなくても生命を維持するうえで問題はありません。
これらのエネルギー産生栄養素は、それぞれ1グラムあたり4〜9キロカロリーを生じます。これを「エネルギー換算係数」といいます。
<エネルギー換算係数>
◇タンパク質(P):約4kcal/g
◇脂質(F):約9kcal/g
◇炭水化物(C):約4kcal/g
◇アルコール:7.1kcal/g(約7kcal/g)
食べ物や飲料のカロリーは、このエネルギー換算係数に、それぞれの含有量を掛け合わせて算出されますが、焼酎などの蒸溜酒では蒸溜の段階でタンパク質や脂質、炭水化物といった成分が取り除かれてしまうため、焼酎のカロリーはアルコールのカロリーと考えられます。

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なお、焼酎などのアルコール飲料に含まれるアルコールのカロリーは、エネルギー産生栄養素とは異なり、体に蓄えられないことから「エンプティーカロリー」ともいわれています。
体内に吸収されると熱になり、酸素消費量が増えてエネルギーとして消費されるため、摂取したアルコールの70%ほどは代謝に使われるという説もあるようです。
仮にこの説が正解だったとしても、残りの30%はエネルギー源として体内に残るので、適量を見極めてたのしみたいものです。
(参考)
厚生労働省 健康日本21アクション支援システム ~健康づくりサポートネット~|アルコールのエネルギー(カロリー)
厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2025年版)1-5 エネルギー産生栄養素バランス

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焼酎のカロリーはアルコール度数に比例する
上で紹介したアルコールの量とは、お酒に含まれるアルコール量(純アルコール量)のこと。純アルコール量は、お酒の量とアルコール度数、アルコールの比重(≒0.8)から概算できます。比重などは小数点第2位以下を四捨五入した数値なので多少の誤差は生じますが、おおよそのカロリーは把握できます。
純アルコール量(g) = 酒の量(mL)× 度数または% / 100 × 比重(≒0.8)
アルコール1グラムにつき、7.1キロカロリーのエネルギーを算出するので、焼酎のカロリーは、摂取した純アルコール量にアルコールのカロリー(7.1キロカロリー)を掛け合わせることで算出できます。
お酒のカロリー(kcal) = 純アルコール量(g)×7.1kcal/g
これらの数式から、焼酎のカロリーはアルコール度数に比例することが読み取れます。算出方法は甲類焼酎でも乙類焼酎(本格焼酎)でも同じ。芋や麦、米など原料による違いもありません。
焼酎100ミリリットル中に含まれるカロリーは、以下を目安にするとよいでしょう。この数値をもとに、割ったあとのカロリーも概算できます。
◇アルコール度数25度:約139キロカロリー
◇アルコール度数35度:約194キロカロリー
(日本食品標準成分表(八訂)増補2023年より)
なお、25度と35度の焼酎を、それぞれ水で薄めて同じ濃度にすると、カロリーは同じになります。「飲む量は変えたくないけれど、摂取カロリーを抑えたい」と思ったら、アルコール度数を下げるのもひとつの手ですね。
焼酎とほかのお酒の糖質&カロリーを比較

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焼酎の糖質はゼロ、カロリーはほかのお酒と比べて低めといわれていますが、実際にどれくらい違うのでしょうか。
前出「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」のデータをもとに、100ミリリットルあたりの糖質とカロリーをみていきます。
※「日本食品標準成分表」では100グラムあたりの数値を掲載していますが、ここでは100ミリリットルあたりに換算しています。
◇焼酎・アルコール25%
糖質0g カロリー139kcal
◇焼酎・アルコール35%
糖質0g カロリー194kcal
◇ウイスキー・アルコール40%
糖質0g カロリー223kcal
◇ブランデー・アルコール40%
糖質0g カロリー234kcal
◇白ワイン・アルコール11.4%
糖質2.0g カロリー:75kcal
◇赤ワイン・アルコール11.6%
糖質1.5g カロリー68kcal
◇日本酒(純米酒)・アルコール15.4%
糖質3.6g カロリー102kcal
◇ビール(淡色)・アルコール4.6%
糖質3.1g カロリー39kcal
◇ビール(黒)・アルコール5.3%
糖質3.6g カロリー45kcal
◇発泡酒・アルコール5.3%
糖質3.6g カロリー44kcal

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ちなみに、アルコール度数25度の焼酎と水を6:4の割合で割ると、アルコール度数15度の水割り焼酎に仕上がり、100ミリリットルで85.2キロカロリー、200ミリリットルで170.4キロカロリーとなります。
缶入り焼酎ハイボールのアルコール度数は5度〜9度程度。5度の場合は100ミリリットルあたり28.4キロカロリー、7度の場合は約40キロカロリー、9度の場合は約51キロカロリー。割り材の炭酸水は糖質を含まないので、糖質はもちろんゼロです。
計算に使用する定数を小数点第何位で四捨五入するのかなど、計算方法によって多少の誤差が出ますが、大きく変わることはありません。
焼酎の糖質やカロリーは飲み方で変わってくる

Tomo-B / PIXTA(ピクスタ)
糖質やカロリーは、無糖の炭酸水やお茶といったカロリー産生栄養素を含まない割り材で割った場合は、糖質ゼロ、カロリーも水で割った場合と同じになります。ただし、フルーツジュースや糖分を含んだソーダで割るとなると話は別。糖質やカロリーの摂取量が跳ね上がる可能性もあることも心にとめておきましょう。
缶入りチューハイやサワーなども、糖質を含む割り材を使用しているケースが多く、2本、3本と飲むうちに、主食の糖質量を超えてしまうことも。
お酒の場合、食品表示法に定められた栄養成分表示の省略が認められていますが、自主的に表示している酒類メーカーも多く、私たち消費者は、商品を購入する際に以下のような情報を確認することができます。
◇熱量(カロリー)
◇タンパク質(たんぱく質)
◇脂質
◇炭水化物
◇食塩相当量
特筆すべきは、これらの栄養成分は商品100ミリリットルあたりで表示されるのが一般的だということ。実際の摂取量は、350ミリリットル缶なら3.5倍、500ミリリットル缶なら5倍になるということを覚えておきましょう。
糖質制限中の人や健康に気づかう人におすすめの焼酎と飲み方は?

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ダイエット中の人におすすめなのは、水や炭酸水、お茶類を割り材にした飲み方。本格焼酎のロックや水割り、お湯割り、甲類焼酎のお茶割り(緑茶割り、ウーロン茶割り、ジャスミンティー割りなど)なら、糖質を気にせずたのしめます。
といっても、これはあくまで適量の場合。濃いめでおかわりを繰り返したり、ジョッキに5杯、6杯と飲んでしまうと、お酒の摂取カロリーが1食分のカロリーを超えてしまうこともあります。

miyuki ogura / PIXTA(ピクスタ)
「お酒のカロリーはエンプティーカロリーだから大丈夫」と考える人もいるようですが、エンプティーカロリーとは「栄養がないカロリー」という意味であって、カロリーがないわけではありません。
お酒を飲むと食欲が増進され、おつまみが進む可能性がありますが、アルコールのエネルギーが代謝されている間は、食べ物から摂取したエネルギー産生栄養素の分解は後まわしになり、脂肪として蓄積されやすくなります。また、体内で処理しきれなかったアルコールのエネルギーは、おつまみの糖質や脂質と同じく脂肪として蓄えられ、結果的に体重増加につながります。
たとえ糖質ゼロ&低カロリーの焼酎でも、適量を超えるとアルコールの分解過程で血糖値が上昇するため、糖尿病で糖質制限をしている人などはとくに注意が必要です。糖尿病の人は、お酒を飲んでよいかどうかを医師に相談し、医師の指示を守ったうえで適正な飲酒量を心がけましょう。
焼酎をたのしみながら、糖質&カロリーをとことん抑えたい人は、おつまみも低糖質低カロリーのものにこだわりたいもの。おすすめは野菜や豆類、きのこなどのヘルシー食材ですが、おなかが空いているときは、鶏胸肉のおろしポン酢和えや豆腐料理などもおすすめです。油を使わない調理法を選ぶのも重要なポイントです。
焼酎は糖質やカロリーを控えたい人におすすめのお酒ですが、飲みすぎはダイエットに逆効果。理想の体型を目指すうえでも、健康を維持するためにも節度ある飲酒を心がけ、適量をおいしく味わいたいものですね。


























