【焼酎って蒸留酒?醸造酒との違いは?】焼酎のおいしい飲み方も紹介!
「蒸留酒」とは、穀物など原料に酵母を加えアルコール発酵させて作った「醸造酒」をさらに加熱し、その蒸気を冷やして液体にしたものです。「醸造酒」などよりもアルコール度数が高く、ストレートやロックだけでなく、水割り、炭酸割りなど様々な飲み方で楽しめます。
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蒸留酒とはどんな酒か?
蒸留酒について語る前に、まず「酒」についておさらい。「酒」とは糖分を含む液体に酵母を入れ、その働きによってアルコールが生み出されたもの。これをろ過などして飲むものが、ビールや日本酒、ワインなどの「醸造酒」です。この「醸造酒」を熱して、水より沸点の低いアルコールを先に気化させ、冷やして液体に戻したものが「蒸留酒」。ウイスキー、ブランデー、ウォッカと同様に、焼酎もこの「蒸留酒」にあたります。
一般的に日本酒などの「醸造酒」のアルコール度数は5~15度位ですが、「蒸留酒」は、それよりも高い度数。例えば、「本格焼酎」の場合、蒸留直後のアルコール度数は37~45度。それを地元の水で加水し、20~30度までアルコール度数を下げて完成させます。ストレートやロックだけでなく、水や炭酸などで割るなど、様々な飲み方でたのしめるのも、蒸留酒の特徴の1つですね。
焼酎という名はどうしてついた?
焼酎の「焼」の字は熱を加える、つまり「蒸留」という製法を表しています。かたや「酎」は濃い酒、強い酒という意味を持ち、この2文字「濃くて、強い蒸留酒」という焼酎の特徴を表しています。
漢字の本場である中国でも蒸留酒は「焼酒(シャオジュウ)」、つまり“焼いて作るお酒”と表現。日本でも長い間、「焼酎」と「焼酒」の2つが混用されていたそうです。また、「酒」は中華音で「チュウ」と発音。その音訓と字義を混同して使っていた中で18世紀ごろ、「焼酒」より「焼酎」という表記のほうに定着したのではないか? ともいわれていますが、これには諸説あります。
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ただの焼酎と本格焼酎の違いって?
焼酎のラベルに時折登場する「本格焼酎」の文字。これは「昔ながらの蒸留法によって作られた、まじりっけなしの焼酎」という意味です。具体的には穀類(米、麦など)、芋類、清酒粕、黒糖の4品目、またはあしたば、たまねぎなど国税庁長官が認める49品目を原料に、日本で古くから行われてきた単式蒸留(一度の原料投入につき、一度のみ蒸留を行う方法)で仕込んだ焼酎が「本格焼酎」と呼ばれています。一般的に原料の持つ風味や香りがたのしめるのが特徴です。
ちなみに蒸留方法としては「単式蒸留」の他、ウイスキー造りなどに利用される英国式の「連続式蒸留」もあります。日本では1910年頃から導入されはじめます。原料と蒸気を連続的に供給することで、より高純度のアルコールが得られるのが特徴。「酎ハイ」用の無味無臭の焼酎などが「連続式蒸留」によるものです。
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温めても冷やしてもおいしい焼酎の飲み方いろいろ
ストレート、ロック、水割り、お湯割りと、いろんな飲み方がたのしめる焼酎。
「でも、お湯や水で割ったら味が薄まるのでは?」といった心配は無用です。逆にお湯や水で割ることで、焼酎の個性を引き立てることができるだけでなく、飲む温度によって、さらなる味や香りの変化もたのしめます。一般的に、酒は温めると香りが広がるもの。焼酎も温度を上げると香り、さらに甘みが際立ち、その一方で苦みや渋みが和らぎます。
お湯割りにした場合、例えば芋焼酎では芋が持つ豊潤な甘みが、麦焼酎や蕎麦焼酎では香ばしさが一層際立ちます。
一方、冷やした酒は風味が締まってキレが増し、香りや甘味はスッキリしつつ、酸味や苦みなどのスパイシーな刺激が強調されます。
冷たくして飲むのに適しているのが米焼酎。氷に冷やされ、とろりとした質感をたのしめるロックはもちろん、球磨焼酎を育む熊本では、瓶ごと冷やしてストレートで味わう人も少なくありません。
焼酎の主原料の特性を活かしたり、またはその日の料理との相性を考えながら、いろいろな飲み方で、焼酎をたのしみましょう。
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