【クラフトビール:東京】飲んでみたい!おすすめのビール【関東編】
東京のビール好きのあいだで、急速に人気が高まっている「クラフトビール(手造りの自家製ビール)」。クラフトビールといえば、 “地ビール”をイメージする人が多いと思いますが、じつは東京にも数多くのビール醸造所(ブルワリー)が存在します。また、多くのブルワリーが併設するビアバー「ブルーパブ」も人気を集めています。
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東京はビール醸造所(ブルワリー)の日本一の激戦区!
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東京に限らず、日本国内でクラフトビールを造る小規模なビール醸造所(ブルワリー)が近年、急増しています。
その背景には、1994年の酒税法改正があります。年間最低醸造量の規制が緩和されたことで、それまで大手のビールメーカー以外では難しかったビール造りを、比較的小規模な事業者でも手掛けることが可能になったのです。
なかでも現在、日本でもっともブルワリーの数が多いのが東京です。一昔前までは、クラフトビールといえば、いわゆる“地ビール”が中心だったので、意外に思う人も多いかもしれません。
とはいえ、クラフトビール造りのムーブメントは世界的に広がっており、日本でも全国各地でブルワリーの設立ラッシュが続いています。ビールを飲む人口の多さを考えれば、東京でブルワリーが多いというのも頷けます。
東京のブルワリーは、そのほとんどが小規模な醸造所で、一般的には「マイクロブルワリー」などと呼ばれています。
「マイクロブルワリー」とは、大手ビールメーカー5社(アサヒ、キリン、サッポロ、サントリー、オリオン)の大規模なビール工場や、学術機関などの研究施設を除いて、国税庁が「地ビール製造免許場」(年間最低醸造量60キロリットル以上)または「発泡酒製造免許場」(年間最低醸造量6キロリットル以上)として許可している施設のこと。ちなみに、大手ビールメーカーの工場は、その規模の大きさから「メガブルワリー」と呼ばれています。
また、東京にあるマイクロブルワリーは、その多くが発泡酒免許で運営されていて、既存のマイクロブルワリーと比べても醸造量がさらに少ないケースが多いことから「ナノブルワリー」と呼ばれることもあるようです。
こうした小規模なブルワリーは東京都内で増え続けており、今や東京はクラフトビールの日本一の激戦区となっています。
東京でビール好きのあいだで人気の「ブルーパブ」とは?
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東京のビール好きのあいだで人気の「ブルーパブ」。最近よく耳にする言葉ですが、みなさんも聞いたことがあるのでは?
「ブルーパブ」とは「ブルワリーパブ」を略した言葉で、自家製ビールの醸造所(ブルワリー)をもつ飲食店(パブ)を意味します。店内で造った、できたての新鮮なビールをたのしむことができることから、多くのビール好きの人気を集めています。
その魅力は、なんといっても、新鮮で個性的なビールが味わえること。東京にあるブルワリーの多くは、その場で飲食できる「ブルーパブ」のスタイルになっていて、お店ごとに醸造家(ブルワー)がこだわりをもって造ったクラフトビールを、フレッシュな状態でたのしむことができます。
「ブルーパブ」と一口にいってもさまざまで、なかにはビール醸造に使う仕込みタンクが店内や屋外から見えるお店もあります。
店舗の規模も、ビアホールのように大きなものから、数人が座れるカウンターのみのお店まであり、そのスタイルも気取らない居酒屋風のお店から、オシャレなカフェのようなお店まで多種多様です。
このように個性的な店が多いブルーパブですが、もちろん一番の個性は「ビールの味」。それぞれのお店で提供しているクラフトビールは、それぞれ味わいが異なり、店ごとの醸造ローテーション次第で、エールやピルスナー、スタウトなど、さまざまなスタイルを日替わりで味わうことができます。
今や多くのビール好きのあいだで注目されている東京都内の「ブルーパブ」ですが、その人気は衰えることなく、ここ数年で確実に増え続けています。みなさんもぜひ近場でお気に入りの「ブルーパブ」を探してみてはいかがですか。
東京の人気ブルワリー&ブルーパブ、ビアバー
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東京のビール好きのあいだで、ますます人気が高まりつつあるクラフトビール。ここでは東京都内で独自のクラフトビールを提供しているブルワリー&ブルーパブを紹介します。
日本のビール黎明期からの伝統【スプリングバレーブルワリー】
「スプリングバレーブルワリー」は、今から約150年前にノルウェー生まれのアメリカ人「ウイリアム・コープランド」が、横浜の地にビール醸造所を設立したことから始まった由緒あるブルワリー。
そのビール造りのこだわりは、2015年に東京・代官山の地に誕生したブルワリーパブ「スプリングバレーブルワリー東京」にも継承されています。まさに、日本のビール文化の発展とともに歩んできた老舗として、“造り手”と“飲み手”の交流によってクラフトビールを進化さている、注目のブルワリーです。
東京のビール【スプリングバレーブルワリー】 個性と飲みやすさのバランス
奥多摩の緑が彩るブルーパブ【VERTERE(バテレ)】
「VERTERE(バテレ)」は、その周囲を奥多摩の緑豊かな自然に囲まれたブルーパブ(店舗名は「beer café VERTERE」)。古民家を改修した店舗では、「ビールに詳しくない人でも飲みやすいビール」をコンセプトにオリジナルのクラフトビールを提供。ストレスの多い都会の喧騒を離れ、ビールを飲みながらリラックスした時間を過ごしたいという人におすすめのスポットです。
東京のビール【VERTERE(バテレ)】 奥多摩の自然に育まれたブルワリー
200種を超えるオリジナルビールを創造【うしとら】
2006年に下北沢でオープンした「ビアバー うしとら壱号店」は、すぐに大人気となり、2009年には同じ下北沢に「ビアバー うしとら弐号店」がオープンしています。
2014年には、栃木県下野市に自前の醸造所「うしとらブルワリー」を設立。現在までに200種類を超えるオリジナルビールを生み出しています。若者の街として知られる下北沢で、もっとも注目のビアバーです。
東京のビール【うしとら】 さまざまなオリジナルビールが大人気!
女性ブルワーによる理想のビール造り【さかづき brewing】
「さかづき brewing」は、若者に人気が高い北千住の街で2016年に誕生したブルーパブ。国内の大手ビールメーカーで醸造や商品開発を担当した経験をもつ女性ブルワーが、自身が考える「理想のビール」を追求するお店として大きな注目を集めています。
客席からガラスの向こうに醸造タンクが見える店内は、ビールができるまでの工程を見ることができるようになっています。
東京のビール【さかづき brewing】 ビール大好き女性ブルワーが造る理想のビール
東京駅から歩いて行ける距離に【日本橋ブルワリー】
「日本橋ブルワリー(NIHONBASHI BREWERY.)」は、2016年11月にオープンした東日本橋店に加えて、2017年11月には東京駅八重洲エリアに駅直結型の新店舗をオープン。アメリカ最高峰のエコブルワリー「HUB (Hop works Urban Brewery)」の醸造長が、日本人の味覚に合うように考案したレシピのビールがたのしめるクラフトビール専門店です。現在は店内での醸造は行っていませんが、醸造免許申請中とのこと。近いうちに店舗内でビール醸造を始めるようです。
東京のビール【日本橋ブルワリー】 こだわりのクラフトビール専門店
東京のそのほかの注目ブルワリー&ブルーパブ、ビアバー
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東京でビールをたのしめるブルワリー&ブルーパブは、まだまだたくさんあります。ここでは、東京のビール好きのあいだで注目されているお店を紹介します。
“街のビール屋さん”の新しい挑戦【高田馬場ビール工房】
「高田馬場ビール工房」は、“街のビール屋さん”として知られるビール工房グループのブルーパブとして、2016年にオープン。「ビール工房」としては初となる山手線圏内の店舗です。
もともとコンビニだった建物をファクトリー感あふれるオシャレなカフェのような雰囲気に改装したお店なので、女性一人でも入りやすいのが特徴のブルーパブです。
東京のビール【高田馬場ビール工房】 自家製ビールが種類豊富!
日本を代表するクラフトビール【アウグスビール】
「アウグスビール」は、2004年に東京都文京区に創業した日本を代表するプレミアム・クラフトビールのメーカーです。「旨いビールを知らない人生は罪だと思います」をキャッチフレーズに掲げ、日本屈指の醸造学者が醸造責任者として参加し、醸造から販売までをプロデュースしています。そのこだわりのクラフトビールは、都内各地にあるアンテナショップで飲むことができます。
東京のビール【アウグスビール】 メイド・イン・ジャパンの本格派クラフトビール
“街のビール屋さん”の記念すべき1号店【高円寺麦酒工房】
2010年12月にフォトスタジオだったスペースを改装してオープンした「高円寺麦酒工房」は、“街のビール屋さん”として都内各地で人気のブルーパブ「ビール工房」の第1号店です。
街の暮らしのなかにビール文化を根づかせたいという創業者の想いからスタートした、まさに「ビール工房の原点」ともいえるお店です。常時7種類の自家製クラフトビールを店内で醸造し、リーズナブルな価格で提供しています。
東京のビール【高円寺麦酒工房】街のビール屋さん「ビール工房」の第1号店
アットホームな雰囲気が魅力【荻窪ビール工房】
2013年にかつて茶道具店だった建物を改装してオープンした「荻窪ビール工房」は、“街のビール屋さん”として有名な「ビール工房」の3番目の系列店です。
フロアは3階に分かれていて、階によって明るいカフェのようだったり、ひっそりとした隠れ家のようだったり、まるでなつかしい親戚の家に来たような、アットホームな雰囲気を味わえるお店として人気を集めています。
東京のビール【荻窪ビール工房】路地裏で飲むクラフトビール
サブカルの街、中野のビールスポット【中野ビール工房】
2015年5月にオープンした「中野ビール工房」は、“街のビール屋さん”をコンセプトに、都内各地でお店を展開する「ビール工房」の系列店。店内はスタンディングメインで、ほとんどのビールと料理がワンコイン(500円)でたのしめるお店です。
多彩な商店やサブカルスポットが集まる中野という街にふさわしく、誰もが気軽にできたての自家製ビールをたのしめる人気のブルーパブです。
東京のビール【中野ビール工房】ヒミツの隠れ家のようなブルーパブ
紹介したブルワリーやブルーパブ以外にも、天王洲アイルにある醸造所を併設したブルワリーレストラン「T.Y.HARBOR」や、神田、浜松町、五反田、自由が丘に店舗を構える「デビルクラフト」、地下鉄東西線・東陽町駅から徒歩6分の大きな団地内にある地域密着型の「ガハハビール」など、東京都内にはまだまだ数多くの注目すべきブルワリー&ブルーパブが存在します。
東京では、今も数多くのブルワリーやブルーパブが誕生しています。みなさんも、造りたてのクラフトビールをフレッシュな状態で味わえる、お気に入りのブルワリー&ブルーパブを探してみてはいかがですか。