鹿児島焼酎の選び方のポイントと代表的な銘柄を確認! 人気の芋焼酎3Mから地元限定銘柄まで

鹿児島焼酎の選び方のポイントと代表的な銘柄を確認! 人気の芋焼酎3Mから地元限定銘柄まで
出典 : Yama / PIXTA(ピクスタ)

鹿児島は日本屈指の焼酎王国です。銘柄数は2,000を超えるといわれ、蔵元数は日本一。国税庁「酒のしおり」によると、本格焼酎の成人1人当たり消費量も群を抜いています。ここでは、鹿児島の焼酎のなかでも本格焼酎(乙類焼酎)に焦点を絞って、選び方のポイントや代表的な銘柄などを紹介していきます。

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鹿児島といえば焼酎王国。鹿児島の焼酎が注目される理由や、数ある焼酎のなかからお気に入りを探すポイントなどを紹介します。

鹿児島が「焼酎王国」と呼ばれる理由

鹿児島はサツマイモの産地

Carbondale / PIXTA(ピクスタ)

鹿児島県は日本屈指の焼酎王国。国税庁の令和3年度税務統計によると、本格焼酎造りに必要な単式蒸溜焼酎の製造免許を持つ製造場数は121で、日本一を誇ります。生産量では、同じく焼酎造りが盛んな宮崎県に首位を明け渡したものの、成人1人当たりの消費量では首位を独走。他の追随を許しません。

特筆すべきは、2,000以上あるといわれる銘柄数。圧倒的な種類の豊富さで、本格焼酎ファンの関心を集めています。

(参考資料)
国税庁|「酒のしおり(令和4年3月)」より 令和2年度成人1人当たりの酒類販売(消費)数量表(都道府県別)

黒糖焼酎の原料

shige hattori / PIXTA(ピクスタ)

多彩な本格焼酎のなかでも焼酎王国・鹿児島県が力を注いでいるのが、「薩摩焼酎」と「黒糖焼酎」です。

「薩摩焼酎」とは、鹿児島県産の良質なサツマイモと県内で採れた水を使い、製造から容器詰めまでの全工程を、奄美市や大島郡を除く鹿児島県内で行った芋焼酎のこと。ワインの「ボルドー」や、スパークリングワインの「シャンパン」、ウイスキーの「スコッチ」などと同様に、WTO(世界貿易機構)のTRIPS協定で地理的表示が認められています。

一方「黒糖焼酎」は、サトウキビから作られる黒糖を原料に醸造される本格焼酎で、鹿児島県奄美群島だけに製造が認められている地域団体商標です。

「薩摩焼酎」と「黒糖焼酎」は、鹿児島が誇る焼酎の二大ブランド。どちらも近年の焼酎ブームで注目が集まり、人気銘柄がいくつも誕生しています。

焼酎の地理的表示や黒糖焼酎については、以下の記事で詳しく紹介しています。

数ある鹿児島焼酎のなかからお気に入りを選ぶポイント

鹿児島焼酎を選ぶポイント

CORA / PIXTA(ピクスタ)

2,000以上もの銘柄からとっておきの鹿児島焼酎を選ぶためのポイントを紹介します。

原料で選ぶ

鹿児島というと、「薩摩焼酎」に代表される芋焼酎を連想する人が多いかもしれませんが、麦焼酎や米焼酎など、芋以外の原料を使った本格焼酎も人気です。まずは、好みの原料に焦点を絞って、お気に入りを探してみるとよいでしょう。

原料ごとに異なる本格焼酎の特徴や味わいの傾向については、以下の記事が参考になります。

サツマイモの品種はさまざま

Taisuke / PIXTA(ピクスタ)

芋焼酎は芋の品種や麹菌の種類、蒸溜方法など多角的な視点で選ぶ

鹿児島には100を超える蔵元がありますが、その多くは芋焼酎(薩摩焼酎)の蔵元です。焼酎生産量で鹿児島と並ぶ宮崎の焼酎の蔵元数は約40ですから、いかに多くの人々が芋焼酎造りでしのぎを削っているかがうかがい知れます。

たくさんの蔵元が原料や製法にこだわって造る芋焼酎は、じつに多様性に富んでいます。原料芋の品種や原料処理の仕方、麹菌の種類、仕込み水や割り水、蒸溜方法、貯蔵容器や熟成年数など、芋焼酎の個性を左右する要素を知っておくと、好みの商品を見つけやすくなります。

蔵元・酒造メーカーで選ぶ

焼酎を飲み慣れていない人は、人気の銘柄を手掛ける蔵元や酒造メーカーのラインナップに注目するのも一手です。
お気に入りの鹿児島焼酎に出会ったら、同じ造り手が手掛ける焼酎を飲み比べてみてください。とっておきの1品が見つかるかもしれませんよ。

鹿児島の焼酎蔵元について詳しく知りたい人は、以下のサイトもおすすめです。

鹿児島県酒造組合公式サイト「みんなの鹿児島焼酎」

鹿児島の代表的な焼酎銘柄をチェック!

鹿児島の代表的な本格焼酎銘柄を紹介します。

プレミアム芋焼酎3M(魔王・村尾・森伊蔵)

プレミアム芋焼酎3M

omizu / PIXTA(ピクスタ)

鹿児島の芋焼酎には、需要に供給が追いつかないことから「幻の焼酎」となった人気銘柄がいくつかあります。なかでも代表的なのが、「プレミアム芋焼酎3M(スリーエム)」と呼ばれる3銘柄です。

魔王

フルーティーな香りとスッキリとした味わい、豊かな余韻が特長の芋焼酎。入手しづらい商品なので、まずは同じ蔵元が造る定番品「白玉の露」から試してみてはいかがでしょう。

製造元:白玉醸造株式会社
公式サイトはありません

村尾

伝統のかめ壺仕込みで造られる「村尾」は、まろやかで深みのある味わいが魅力の逸品。造り手は明治35年(1902年)創業の村尾酒造。麹米の原料が異なる芋焼酎「薩摩茶屋」もおすすめです。

製造元:村尾酒造合資会社
公式サイトはありません

森伊蔵

明治18年(1885年)創業の老舗蔵元、森伊蔵酒造の最高傑作。昔ながらの「かめ壺仕込み」に育まれた、まろやかで上品な味わいは、元フランス大統領をも魅了しました。

製造元:有限会社森伊蔵酒造
公式サイトはこちら

これらの銘柄は入手困難といっても、正規ルートで購入する方法は存在します。詳しい購入方法は、それぞれの関連記事で確認してください。

なお、「プレミアム芋焼酎3M」については、以下の記事も参考になります。

薩摩宝山(西酒造)

西酒造「薩摩宝山」

出典:西酒造株式会社 公式Instagram

江戸時代創業の老舗蔵元、西酒造の主要銘柄「宝山」の原点にして旨さの基準とされるロングセラーの芋焼酎。しっかりとした芋感と丸みのあるやわらかい飲み口が魅力です。

「宝山」シリーズは、黄麹仕込みの「富乃宝山」や黒麹仕込みの「吉兆宝山」、白麹仕込みの「白天宝山」、麹にも芋を使った「宝山 芋麹全量」など、多彩な商品を展開。機会があったら飲み比べをして、麹菌や麹の原料、芋の品種の違いがもたらす香味の違いを味わってみてください。

製造元:西酒造株式会社
公式サイトはこちら

さつま白波ブランド(薩摩酒造)

第一次焼酎ブームを牽引した芋焼酎「さつま白波」

出典:薩摩酒造株式会社サイト

「焼酎の王道」をコンセプトに誕生した人気シリーズ。黒瀬杜氏から受け継いだ製法で造られる「さつま白波」は、第一次焼酎ブームの火つけ役となりました。

芳醇な香りの「黒白波」、黄麹仕込みらしい華やかな香りが特徴の「さくら白波」をはじめ、ラインナップは多彩。薩摩酒造だけが使える新品種「サツマアカネ」とワイン酵母で造った「MUGEN白波 The Rich Wave」は、熟した洋梨や濃密な蜂蜜のような香りがたのしめる数量限定の注目商品です。

製造元:薩摩酒造株式会社
公式サイトはこちら

鹿児島焼酎の人気銘柄

jazzman / PIXTA(ピクスタ)

ほかにもある! 人気の銘柄

上で紹介したほかにも人気の銘柄はたくさんあります。

佐藤酒造の「佐藤」(芋・麦)、甲斐商店の「伊佐美(いさみ)」(芋)、万膳酒造の「萬膳(まんぜん)」(芋)などは、3Mに引けを取らないプレミアムな焼酎銘柄。チャンスがあったらぜひ飲んでみたいものです。

焼酎初心者にもおすすめしたいのが、焼き芋のような香りとやさしい甘さが魅力の芋焼酎「やきいも黒瀬」(鹿児島酒造)と、ライチのようなさわやかな香りとスッキリとした飲み口が特長の芋焼酎「だいやめ~DAIYAME~」(濵田酒造)です。

甘い風味をたのしみたい人は、黒糖焼酎もぜひ試してみてください。初めて飲む人におすすめなのが、3年貯蔵の「里の曙」(町田酒造)。芳醇な香りとまろやかな味わいが特長で、酔い醒めのよさにも定評があります。

地元限定の鹿児島焼酎も飲んでみたい! おすすめは「天無双」

さつま無双「天無双」

出典:さつま無双株式会社公式通販

鹿児島焼酎のなかには、地元限定で販売される希少な商品もあります。おすすめは、「さつま無双」「もぐら」で知られる蔵元・さつま無双の「天無双(てんむそう)」です。

「天無双」は、天下に双つ(ふたつ)と無(な)い焼酎を目指して造られた芋焼酎。一次仕込みはもちろん二次仕込みにも地中に埋め込まれたかめ壺を使用し、杉の木を使った木樽蒸溜器で蒸溜、さらに貯蔵・熟成に素焼きのかめ壺を用いるなど、昔ながらの製法にこだわった味わい深い逸品です。

ほのかな木の香りとやさしい芋の風味、まろやかで上品な飲み口をたのしんで。

製造元:さつま無双株式会社
公式サイトはこちら

ほかにも、鹿児島限定の焼酎は多数流通しています。家飲み用はもちろん、お土産としても重宝するので、鹿児島県を訪れた際はチェックしてみてくださいね。

鹿児島の焼酎といっても、スッキリと飲みやすいものから、個性の強い銘柄まで千差万別。数ある銘柄のなかから気になる焼酎をピックアップし、飲み比べをたのしみながら、とっておきの1本を探してみてください。

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