飲みやすい日本酒はどう選ぶ? 初心者におすすめの銘柄も紹介

飲みやすい日本酒とは、どのような特徴を持つお酒でしょうか。一言で日本酒といっても、甘口や辛口などの味わいや香り、アルコール度数などがそれぞれ異なります。ここでは、飲みやすい日本酒の特徴やおすすめ銘柄、日本酒を飲みやすくする方法について紹介します。
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飲みやすい日本酒の特徴

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飲みやすい日本酒の特徴1:甘口
日本酒の味わいは、辛口や甘口で表現されることがあります。ふだん日本酒をあまり飲まない人などにとって飲みやすいのは、どちらかというと甘口の日本酒でしょう。一般的に、甘口の日本酒には口当たりのよいものが多いため、比較的飲みやすいといわれています。
なお、日本酒が辛口か甘口かは、ラベルに記載されている「日本酒度」の数値から判断することができます。「日本酒度」は日本酒に含まれる糖分を示すもので、この数値がマイナスの方向に大きいほど甘口に、プラスの方向に大きいほど辛口になる傾向があります。
目安として、「日本酒度」がマイナス3.5以下であれば甘口であるといえます。
飲みやすい日本酒の特徴2:フルーティーな香りがある
飲みやすい日本酒を選ぶうえで、香りも重要な要素のひとつです。フルーティーでフレッシュな香りの日本酒なら、初心者にも飲みやすく感じられるでしょう。
フルーティーな日本酒は、米の精米歩合(精米して残った米の割合)が低いものに多くみられます。とくに、精米歩合が60%以下で「吟醸造り」という製法を用いて造られる吟醸酒系のお酒には、華やかな「吟醸香」があり、飲みやすい銘柄が多くあります。
飲みやすい日本酒の特徴3:アルコール度数が低い
アルコール度数も、日本酒の飲みやすさを左右する要素のひとつです。一般的な日本酒のアルコール度数は15度前後で、ワインのアルコール度数(12度前後)と比べてもやや高く、飲みにくさを感じる人もいるかもしれません。
そこで近年注目されているのが、アルコール度数を10度前後か、それ以下程度に抑えた低アルコール日本酒です。度数の低い日本酒であれば、アルコール特有の香りや苦味が少ない分、飲みやすく感じられることでしょう。
飲みやすい日本酒のおすすめ銘柄

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甘口の日本酒のおすすめ銘柄
【屋守(おくのかみ) 純米 中取り無調整】
東京都の豊島屋(としまや)酒造による「屋守」は、「香りよく優しい味わい」をコンセプトに醸されるお酒です。
「純米 中取り無調整」は、お酒を搾る段階でもっとも品質がよいとされる「中取り」の部分だけを瓶詰めした日本酒で、非常にフルーティーで甘く、飲みやすい味わいとなっています。
製造元:豊島屋酒造株式会社
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【誠鏡(せいきょう) 純米大吟醸 まぼろし赤箱】
広島県の蔵元、中尾醸造による「誠鏡 純米大吟醸 まぼろし赤箱」は、皇室の新年御用酒にも選ばれたことがある銘酒です。
四代目当主が発見したという門外不出のリンゴ酵母を使用しているため、リンゴ酵母によるフルーティーな芳香と山田錦を使用した日本酒ならではの甘さをたのしめます。
製造元:中尾醸造株式会社
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フルーティーな日本酒のおすすめ銘柄
【花の香(はなのか) 純米大吟醸 桜花(おうか)】
熊本県の蔵元、花の香酒造が醸す「花の香 純米大吟醸 桜花」は、その名のとおり、花のように華やかな香りと上品な味わいが魅力の純米吟醸酒です。
フランスで開催された日本酒コンテスト「KURA MASTER」で審査員特別賞を受賞するなど、海外でも人気を博しています。
製造元:花の香酒造株式会社
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【醸し人九平次(かもしびとくへいじ) 「Le K」 VOYAGE (ル・カー ボヤージ)】
愛知県の蔵元、萬乗(ばんじょう)醸造の代表銘柄「醸し人九平次」は革新的な日本酒として知られ、国内外で高い評価を得ています。JALの国際線ファーストクラスで提供されていたことでも知られています。
なかでも、ワインボトルのような瓶が目を引く「ル・カー ボヤージ」は、桜桃や洋ナシ、レモンバーム、白コショウの香りが感じられる、果実感豊かな味わいが魅力です。
製造元:株式会社萬乗醸造
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アルコール度数が低い日本酒のおすすめ銘柄
【一ノ蔵(いちのくら) ひめぜん】
「ひめぜん」は、宮城県の一ノ蔵が20~30代の女性を対象に開発したお酒です。アルコール度数は8度に抑えられていて、甘酸っぱい優しい味わいが魅力です。
極甘口ながらフルーティーなさわやかさがあり、冷やして飲んでも熱燗でもおいしく味わうことができます。
製造元:株式会社一ノ蔵
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【Fu.(ふ)】
兵庫県の蔵元、富久錦(ふくにしき)が醸す「Fu.」は、アルコール度数が8度台に抑えられた低アルコール酒です。果実のような甘味と酸味が魅力で、後味がすっきりしているため食中酒にも適しています。
ワイングラスで飲むと、よりフルーティーな香りをたのしめます。
製造元:富久錦株式会社
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日本酒を飲みやすくする方法

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飲みやすい日本酒にするには
日本酒は、飲む際の工夫によっても飲みやすくすることができます。以下のような点を意識して飲むようにするとよいでしょう。
【和らぎ水(やわらぎみず)を飲む】
「和らぎ水」とは、日本酒と一緒に飲んで酔いを和らげる水のことです。日本酒と「和らぎ水」を交互に飲むことで、体内のアルコール濃度を薄めることができ、体への負担を抑えることにつながります。
【よく冷やす】
日本酒は、飲むときの温度によって味わいや香りが変化します。日本酒特有の強い香りに抵抗を感じるという場合は、冷蔵庫に入れたり氷を入れたりしてキンキンに冷やすと、香りが抑えられて飲みやすくなります。
【料理と合わせる】
日本酒は、それだけで飲むよりも料理と一緒に味わうほうが、おいしく感じられることも多くあります。日本酒と相性のよい和食などの料理と合わせてたのしむのもひとつの方法です。
日本酒を飲みやすくする割り方
日本酒を飲みやすくする方法には、前述したもののほかに、水や炭酸などで割るという方法もあります。焼酎やウイスキーと違って、「日本酒を割る」ということになじみがない人も多いかもしれませんが、水などで割ることでアルコール度数が下がり、飲みやすくなります。
水や炭酸以外には緑茶やビール、少し大胆なアレンジとしては、牛乳やコーヒー、トマトジュースで割って飲む人もいるようです。
飲みやすい日本酒の特徴として、甘口であること、フルーティーな香りがあること、アルコール度数が低いことなどが挙げられます。初心者の人やお酒に強くない人は、これらの特徴を踏まえてお酒を選ぶとよいでしょう。「和らぎ水」と一緒に飲むなどの工夫も、ぜひ取り入れてみてください。
