一合って何ミリリットル(ml)? 日本酒の単位をマスターする

一合って何ミリリットル(ml)? 日本酒の単位をマスターする
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日本酒の量を表す「一合(いちごう)」は約180ミリリットルです。「一合」の「合」は「尺貫法(しゃっかんほう)」の単位のひとつ。今回は尺貫法の基本から「日本酒一合」に含まれる純アルコール量、酒器別の「一合」相当量まで、日本酒の単位を深掘りします。

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日本酒の一合は180ミリリットル

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「日本酒一合」といったときの「合」は、「尺貫法」という計量法で使われる容積(体積)の単位のひとつです。尺貫法とはどういうものか、まずはその基本からみていきます。

日本酒の単位、尺貫法を知ろう

日本酒の量を表すとき、「一合」という言い方をすることがあります。この「一合」の「合」は、かつての日本で広く使われていた計量法「尺貫法」の、容積(体積)の単位です。

尺貫法とは、長さの単位「尺(しゃく)」と、重さの単位「貫(かん)」を基準とする日本古来の計量法。古代中国を起源としながら独自に発展してきました。容積の単位は「合」のほか、「勺(しゃく)」「升(しょう)」「斗(と)」「石(こく)」があります。また、面積を表す際に使われる「歩(ぶ)」や「坪(つぼ)」も尺貫法の単位です。

今から60年以上前となる昭和34年(1959年)、尺貫法は法的に廃止され、日本の計量法はメートル法に統一されました。しかし、古くから使われてきた尺貫法は、日本人の生活のなかに根づいていることもあり、いくつかの単位は今でもさまざまな場面で慣例的に使用されています。「合」をはじめとする尺貫法の容積の単位も、日本酒や米などの量を表す際によく使われます。

ちなみに「日本酒一合」の量は、メートル法の容積の単位「ミリリットル」に換算すると約180ミリリットルになります。

次からは、尺貫法の各容積単位の概要を、「ミリリットル」や「リットル」に換算した際の数値や尺貫法の単位同士の数値換算とともに紹介します。

一勺(いっしゃく)

◇1勺=1/10合=1/100升=約18ミリリットル

「勺」は日本酒関連では、おちょこをはじめ、徳利(とっくり)や升(ます)などに使われている単位です。

白地に青い二重の輪が描かれた、日本酒ファンにはおなじみのテイスティング用おちょこ「ききちょこ(蛇の目ちょこ)」には、さまざまなサイズのものがそろっています。2勺(約36ミリリットル)~2.5勺(約45ミリリットル)サイズが主流ですが、3勺(約54ミリリットル)や5勺(約90ミリリットル)、8勺(約144ミリリットル)、1合サイズ(約180ミリリットル)のものもあります。

なお、「勺」は尺貫法の面積の単位としても使われています。こちらは1勺=約0.033平方メートルで、1/100歩(1/100坪)となります。

一合(いちごう)

◇1合=1/10升=10勺=約180ミリリットル

日本酒に限らず、「一合」「二合」という数え方はお米の計量にも使われることから、「合」は現代の日本人にもなじみの深い尺貫法の単位といえます。日本酒関連では、「四合瓶」や「一合瓶」、「一合徳利」「二合徳利」、おちょこや計量器でもある升(ます)などに使われています。

1合分の量の目安となるのは、身近なところでは180ミリリットルのものが多くを占めるカップタイプのお酒です。また、「日本酒一合」がちょうど入る酒器としては、「一合徳利」や「一合升(いちごうます)」が挙げられます。

日本酒をお店で飲むときに注意したいのは「八勺(はっしゃく)徳利」の存在です。「八勺燗(はっしゃくかん)」とも呼ばれるもので、内容量は1合分の8割にあたる約150ミリリットル。約180ミリリットルの「一合徳利」よりひと回り小さいものですが、なかなか見分けがつきません。1合分をしっかり飲みたいときには、「正しく1合分を入れています」という意味の「正一合(しょういちごう)」を掲げているお店で飲むのがおすすめです。

なお、尺貫法では「合」も面積の単位として使われています。1合=約0.33平方メートルで、1/10歩(1/10坪)となります。

一升(いっしょう)

◇1升=1/10斗=10合=約1.8リットル(約1,800ミリリットル)

「日本酒一合」の10杯分が「一升」です。愛飲家にとっては「一升瓶」でもおなじみの単位で、瓶のほか升(ます)などにも使われています。

「一升」の「升」は尺貫法の容積(体積)の基本単位です。この単位の起源は古代中国で、日本で今の「一升」が定まったのは江戸時代の初期とされています。お酒や米などを量る計量器であり、往時は徴税の道具でもあった升(ます)が、時代を経るごとに大きくなっていったことなどから、今の「一升」は古代中国の「一升」の10倍ほどにもなっているといわれています。

一斗(いっと)

◇1斗=1/10石=10升=100合=約18リットル

1斗の分量は「日本酒一合」なら100杯分、「一升瓶」なら10本分に相当します。

尺貫法の単位「斗」が使われているものとしては、計量器として用いられる四角型や円筒型の「一斗升(いっとます)」があり、食用油やしょうゆ、塗料や溶剤などを入れる「一斗缶」もよく知られていますが、日本酒ファンにとっては鏡開きなどで使われる「一斗樽」「二斗樽」「四斗樽」のほうが身近かもしれません。

近年の酒樽は、昔ながらの木樽のほか、内側がステンレス製で上げ底ができるタイプのものもあり、来客数に応じて、本来の容量の半分だけお酒を入れるといったこともできるようです。鏡開きや樽酒のふるまいに参加することがあれば、ぜひ注目してみてくださいね。

一石(いっこく)

◇1石=10斗=100升=1,000合=約180リットル

1石の分量は、「日本酒一合」で換算すると1,000杯分にもなります。

「石」という単位は、日本酒関連ではおもに蔵元の生産量を表す際に使われます。たとえば年間100石生産する蔵元なら、1年間で一升瓶1万本分の日本酒を造っていることになります。

そのほか、和船の積載量の単位や木材の容積量の単位にも「石」が使われます。この場合の1石は10立方尺として換算されます。

また「加賀百万石」というように、江戸時代の大名や武家の知行高を表す際にも「石」が使用されます。この場合はお酒と同じく1石=10斗=100升の換算で、石高は玄米で量られます。

日本酒一合のアルコール量

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「日本酒一合」に含まれるアルコール量はどれくらいか、国が提示する「節度ある適度な飲酒」量の目安とともにみていきます。

日本酒一合の純アルコール量は?

日本酒を「一合」飲んだとき、アルコールの摂取量はどれくらいになるのか知っていますか?

アルコールの心身への影響はお酒を飲む量で決まるのではなく、摂取した純アルコール量で決まります。純アルコール量は、
◇飲んだお酒の量
◇飲んだお酒のアルコール度数
をチェックしたうえで、以下の計算式で求めます。

お酒の量(ミリリットル)×アルコール度数(度または%)/100×アルコール比重(0.8)=純アルコール量(グラム)

アルコール度数15度の日本酒を1合(約180ミリリットル)飲んだ場合、計算式にあてはめると
180ミリリットル×15度/100×0.8=21.6グラム
となり、摂取した純アルコール量が21.6グラムだとわかります。

お酒の種類ごとの飲酒量~基準となる「1単位」とは

「日本酒一合」の純アルコール量21.6グラムは、日本の基準飲酒量のひとつ「1単位」と同程度です。

基準飲酒量「1単位」とは、節度ある適度な飲酒量として国が提示しているもので、1日平均の純アルコール量は20グラム程度とされています。

「1単位」の量はお酒の種類ごとに異なります。何をどのくらい飲むと「1単位」になるのかみていきます。

◇日本酒(アルコール度数15度のもの):1合(約180ミリリットル)
◇ビール(アルコール度数5%のもの):中瓶1本(500ミリリットル)
◇ワイン(アルコール度数14%のもの):1/4本(約180ミリリットル)
◇焼酎(アルコール度数25度のもの): 0.6合(約110ミリリットル)
◇ウイスキー(アルコール度数43度のもの):ダブル1杯(60ミリリットル)

なお「1単位」は飲酒の最小単位ととらえられることが多く、その純アルコール量約20グラムが国際的にみると突出して高いこともあって、近年では新たな基準飲酒量「1ドリンク=10グラム」が提案されています。

酒器別! 日本酒一合の目安

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日本酒を飲むときの酒器は、それぞれ容量が違うため、節度ある適度な飲酒量とされる「日本酒一合」の目安も酒器によって変わってきます。よく用いられる「おちょこ」「升(ます)」「ワイングラス」の目安をチェックしていきます。

おちょこ

おちょこは、2勺(約36ミリリットル)~2.5勺(約45ミリリットル)サイズのものがよく使われます。「一合」は約180ミリリットルなので、それらのサイズのおちょこを使えば、目安は4~5杯となります。また、「一合徳利」を使用すると飲み切ったら「一合」となるので、よりわかりやすくなります。

升(ます)

升(ます)はさまざまなサイズがあります。なかでも広く使われているのは「一合升(いちごうます)」です。「一合徳利」同様、飲み切ってしまえば「一合」なので、こちらもわかりやすいですね。

ワイングラス

近年は日本酒をワイングラスでたのしむ機会が増えてきているようです。平成23年(2011年)から開かれている「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」の運営に携わる株式会社酒文化研究所では、ワイングラスに注ぐ日本酒の量として、「一合」ほど注ぐコップ酒の半分の量を基本単位とすることを提唱しています。これに則れば、「一合」=約180ミリリットルを飲み切る目安は、その半分の約90ミリリットル2杯となります。

株式会社酒文化研究所
公式サイトはこちら

日本酒の「一合」は、長く使われてきた尺貫法の容量というだけでなく、お酒を健康で長くたのしむための目安ともなるものです。おいしいお酒と出会ったときこそ飲みすぎないよう、「一合」を意識するのもよいかもしれませんね。

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