日本酒のアルコール度数って高い?低い?他のお酒との違いから適量まで解説

日本酒のアルコール度数って高い?低い?他のお酒との違いから適量まで解説
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日本酒のアルコール度数は一般的に13~16度前後と、同じ醸造酒のワインと比べて約1~2度高いだけなのに、日本酒は酔いやすいというイメージをお持ちの方もいるのでは?今回は日本酒のアルコール度数や、上手なたのしみ方を紹介していきます。

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日本酒のアルコール度数は、一般的に13~15度前後

日本酒のアルコール度数は、一般的に13~15度前後

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日本酒のアルコール度数は一般的に13~15度前後。高いものでは20度近くある銘柄もあります。
日本酒(清酒)は、酒税法第3条第7号において「アルコール分が22度未満のもの」と定義されています。そのため、22度以上のアルコール度数の日本酒(清酒)はありません。
日本酒は口当たりがよくほかのお酒よりも飲みやすいのが特徴です。特においしい冷酒はついつい飲みすぎてしまうこともあるので、飲む量には注意が必要です。

ほかのお酒よりも日本酒のアルコール度数は高い?低い?

ほかのお酒よりも日本酒のアルコール度数は高いのか、ビール、ワイン、焼酎といったおもなお酒の平均的なアルコール度数と比較してみましょう。

◇ 日本酒:13~15度前後(※原酒は16~20度程度)
◇ ワイン:13度前後
◇ ビール:5度前後
◇ 紹興酒:16度前後
◇ 焼酎:25度前後
◇ ウイスキー:40度以上
◇ ブランデー:40度前後
◇ ウォッカ:40~96度
◇ ラム酒:40~75度
◇ チューハイ:3~9度前後

ほかのお酒と比較すると、日本酒のアルコール度数は、それほど高くないことがわかりますね。
ビールと比較すると度数は高いですが、焼酎より低いのがわかります。日本酒は飲みやすさからアルコール度数を忘れてしまいがちです。「ワインより少しだけ度数が高め」と覚えておくと飲みすぎ防止になりそうです。

日本酒などの"醸造酒"が"蒸溜酒"よりアルコール度数が低い理由

日本酒などの"醸造酒"が"蒸溜酒"よりアルコール度数が低い理由

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日本酒は原料となる米をアルコール発酵させて造る"醸造酒"。醸造酒のなかではアルコール度数の高いお酒で、醪(もろみ)を搾ったあとの「原酒」の状態では20度近くあります。
焼酎やウイスキーなどの"蒸溜酒"は、アルコール発酵した醸造酒を加熱してアルコール分を濃縮させる「蒸溜」という工程を経て造られます。
一方、醸造酒は「蒸溜」を行いません。アルコール発酵だけで度数を高めるのは難しいため、蒸溜酒よりもアルコール度数が低くなっています。

同じ醸造酒のビールより、日本酒のアルコール度数が高いのはなぜ?

日本酒は、ビールと比較するとアルコール度数が10度程度高くなっています。その大きな理由は、「並行複式発酵」という日本酒独自の発酵方法で造られるからです。

日本酒は、酵母が元気に活動して原料がしっかりと発酵できるよう、長い時間をかけ工夫を重ねることで、アルコール度数20度近くという、醸造酒の中では世界に類をみないアルコール度数の高さを実現してきました。

一般的な日本酒は、水を加えて14〜16度に調整されますが、水を加えずにアルコール度数が16〜20度程度で出荷される原酒は、より濃厚でしっかりした味わいが特徴となっています。

日本酒の適量を知っておこう

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日本酒の適量は、性別や年齢、体格、体質などによって異なりますが、厚生労働省は「飲酒ガイドライン」のなかで、「節度ある適度な飲酒」を「1日平均純アルコールで20グラム程度」と定義しています。自分の適量がつかめるまでは、これをひとつの目安にするとよいでしょう。

純アルコール20グラムというと、日本酒1合程度。ビールなら中ビン1本(500ミリリットルロング缶1缶)、ウイスキーならダブルでグラス1杯。ワインならグラス2杯弱、アルコール度数7度のチューハイなら350ミリリットル缶1本分に相当します。

女性は男性に比べて身体が小さい場合も多いため、男性の1/2〜2/3程度を適量に定めるのが無難かもしれません。

【純アルコール量の計算式】
お酒の量(ミリリットル)×アルコール度数/100×アルコール比重(0.8)=純アルコール量(グラム)

日本酒を適量でたのしむ秘訣

日本酒を適量でたのしむ秘訣

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日本酒はまろやかで優しい口触りで、飲みやすいものが多いためついつい飲みすぎてしまうという方もいるでしょう。和らぎ水とセットで日本酒を飲むことで二日酔い防止に繋がります。ここでは、日本酒を適量でたのしむ秘訣をご紹介します。

日本酒はお料理やおつまみと一緒にたのしむ

日本酒を適量でたのしむ秘訣は、お料理やおつまみと一緒に、ゆっくり味わうことです。
日本酒は一般的にはストレートで飲むため、ビールやハイボール、チューハイなどと同じペースで飲み続けると、すぐに酔いが回ってしまいます。
空腹の状態でお酒を飲むと内臓に負担がかかるだけでなく悪酔いの原因にもなるので、軽く食べてから飲み始めることをおすすめします。

日本酒を飲むときは「和らぎ水(やわらぎみず)」とセットで

日本酒をたのしむうえで、欠かせないのが「和らぎ水(やわらぎみず)」です。

ウイスキーなどアルコール度数の高い蒸溜酒をストレートやロックで飲むときは、「チェイサー」と呼ばれる水や低アルコール飲料を用意することがあります。日本酒を飲むシーンでは、このチェイサーを「和らぎ水」と呼んでいます。

合間に水を飲むことで、体内に入るアルコール濃度が下がるため、悪酔いの防止につながります。また、「和らぎ水」を飲むタイミングで一呼吸おくので、ペースが落ち着き、飲みすぎを防ぐことにもつながります。

日本酒は二日酔いしやすいってホント?

「日本酒は酔いやすい」といわれますが、科学的な根拠はありません。ただ、口当たりがよくて飲みやすい日本酒を飲み始めると、ついついブレーキが効かなくなることもあります。

アルコール度数が高くなくとも、たくさん飲めば当然、体内に取り込まれるアルコールの量は多くなります。悪酔いしたり、二日酔いしないためには、まずは自分の適量を知って、アルコールの摂取量を認識しながら飲む習慣を身につけることが大切です。

低アルコール日本酒も普及し始めている

低アルコール日本酒も普及し始めている

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近年は低アルコールを謳う日本酒が増えています。
低アルコール日本酒は、通常、アルコール度数13度以下で造られています。なかには7~10度前後と、より明確に低アルコールであることを謳う銘柄もあります。
かつては低アルコールでおいしい日本酒を造るのは難しいといわれていましたが、蔵元の努力や技術の発達によって味のよさと低アルコールを両立できるようになり、高品質の低アルコール日本酒が生み出されています。
一般に、通常の日本酒では飲みごたえのある味わいが、低アルコール日本酒では軽やかな味わいがたのしめます。飲みすぎには注意して、それぞれの魅力を堪能してみてくださいね。

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