日本酒を冷凍したら? たのしみ方から注意点まで全部紹介します

日本酒を冷凍したら? たのしみ方から注意点まで全部紹介します
出典 : Xi kou/ Shutterstock.com

冷凍した日本酒を飲んだことがありますか? 日本酒には「みぞれ酒」と呼ばれる、あえて凍らせて飲む方法もあります。今回は日本酒を冷凍してたのしむ方法にフォーカスして、日本酒を冷凍するときの注意点やみぞれ酒の作り方などを紹介します。

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日本酒を冷凍庫で凍らせてもいい? 凍らせるとどうなる?

日本酒を冷凍庫で凍らせてもいい? 凍らせるとどうなる?

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日本酒は冷凍庫で凍る?

日本酒を冷凍庫で保管するとどうなるのでしょうか。一般的なアルコール度数15度程度の日本酒の場合、マイナス7度程度になると凍り始めるといわれています。日本では、JIS規格によって、家庭用冷蔵庫の冷凍庫は、マイナス18度からマイナス20度に設定されています。したがって、たいていの日本酒は、家庭用の冷凍庫に入れると凍ることになります。

冷凍庫に入れて、凍りやすい日本酒とは?

日本酒のアルコール度数は、20度近いものから10度を下回るものまでさまざま。日本酒は通常、「加水」と呼ばれる工程で、アルコール度数が15度前後に調整されていますが、なかには無加水の原酒タイプや、加水量を多くしたり、発酵を調整したりしてアルコール度数を低く仕上げたものもあります。

一般的には、お酒の主成分であるエタノールの性質により、アルコール度数が高いものほど凍りにくくなるので、アルコール度数20度近い原酒タイプは凍りにくく、逆に、近年人気の10度以下の低アルコールタイプは、凍りやすいといえます。

日本酒を冷凍すると味は変わる?

通常、冷凍庫で凍らせた日本酒を解凍して飲むと、渋味やえぐみが出て、風味が落ちるといわれています。とくに、製造過程で醸造アルコールを添加していない日本酒は、味の変化が起きやすい傾向にあるようです。

もちろん、日本酒のタイプによっては凍らせても変化の少ないものもあり、近年は、あえて凍らせてたのしむ「みぞれ酒」という飲み方も人気です。このほか、冷凍技術を研究し、冷凍専用の日本酒開発に取り組む蔵元やメーカーも存在します。

これまでの常識が少しずつ変わってきて、「日本酒を冷凍してはダメ」とは、一概にはいえなくなっているのが現状です。

次の項目で、冷凍してたのしむ「みぞれ酒」について見ていきましょう。

日本酒を冷凍する「みぞれ酒」というたのしみ方

日本酒を冷凍する「みぞれ酒」というたのしみ方

Perm, Perm Krai, Russia/ Shutterstock.com

日本酒を冷凍してたのしむ「みぞれ酒」とは

凍らせた日本酒をグラスに注ぐと、液体がみぞれのようなシャーベット状(カチンカチンに凍っていない状態)に早変わり。それが「みぞれ酒」です。ふんわりとくちどけがよく、新しい日本酒のたのしみ方として、ジワジワ人気が広がっています。

なぜ、みぞれのようになるかというと、日本酒が「過冷却」の状態になっているから。過冷却とは、本来凍るはずの温度下でも凍らずに、液状を保っていることをいいます。この「過冷却」の状態にするには、ゆっくり静かに日本酒を冷やす必要があります。

ゆっくり静かに冷やすと、凝固点を超えても凍らずに液体の状態をキープしますが、ちょっとの衝撃で分子が結びついて凍り始めます。この現象を利用したのが「みぞれ酒」。過冷却状態の日本酒をグラスに注ぐと、グラスにぶつかった衝撃で、みぞれ状になるのです。

日本酒を冷凍して、「みぞれ酒」を作ってみよう

それでは、実際に「みぞれ酒」を作ってみましょう。

まずは日本酒を冷蔵庫で冷やし、よく冷えた状態にしてから冷凍庫に移します。アルコール度数にもよりますが、一般的な日本酒でおよそ90分が目安。グラスなどの容器も、冷凍庫で冷やしておくとよいでしょう。

時間が経ち、日本酒とグラスを取り出したら、あとは温度が上がらないうちに素早く、やや高い位置から日本酒を注ぐだけ。うまく過冷却の状態になっていれば、みぞれ酒ができあがっているはずです。

日本酒を冷凍する際の注意点とは

みぞれ酒を作るときに、注意したいのが容器です。瓶のまま冷凍庫で凍らせると、中身が膨張して割れることがあり、危険な側面も。とくに未開封の瓶のまま冷凍すると、かなりの確率で割れてしまいまいます。

冷凍庫で凍らせる場合は、割れにくく、におい移りも少ない、厚めのペットボトルに入れ替えるのがおすすめです。密封性が比較的高いのも推奨ポイント。ただし、ペットボトルに日本酒を容量ギリギリまで入れてしまうと、凍ったときに膨張して破損する場合もあるので、適度に余裕のある状態にしておきましょう。


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冷凍してたのしむ「みぞれ酒」用の日本酒

日本酒を凍らせてたのしむ「みぞれ酒」ですが、過冷却の状態にするのはなかなか難しく、ただのシャーベットになってしまうこともよくあります。もっと手軽にみぞれ酒作りに挑戦してみたい人は、専用の日本酒を使ってみてはいかがでしょう。

京都伏見の玉乃光酒造が開発した「玉乃光 純米吟醸 みぞれ酒」は、紙パックを冷凍庫で凍らせるだけで「みぞれ酒」をたのしめる専用酒です。凍結・解凍しても風味が変わらず、スムージーのような「みぞれ酒」をたのしめます。

製造元:玉乃光酒造株式会社
公式サイトはこちら

凍った状態で販売される、「凍結酒」もおすすめ

「みぞれ酒」のほかにも、冷凍技術を活用することで、おいしい日本酒をたのしめるように開発された「凍結酒」という商品もあります。

そのひとつが、岩手県の蔵元・南部美人が開発した、「南部美人スーパーフローズン 瞬間冷凍 純米大吟醸 生原酒」です。リキットフリーズ方式と呼ばれる特殊な冷凍技術によって、劣化の早い「生酒」を急速冷凍した商品で、搾りたての生酒の風味をたのしめるのが特徴。生酒本来のおいしさをたのしめます。

製造元:株式会社 南部美人
公式サイトはこちら

日本酒を冷凍して飲むスタイルは、まだまだ一般的ではありませんが、飲み方のひとつとして冷凍する方法を取り入れれば、さらに日本酒のたのしみが広がります。まずは「みぞれ酒」から試してみてはいかがでしょう。

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