高知の日本酒【亀泉(かめいずみ):亀泉酒造】老舗蔵元が醸す個性あふれる土佐の地酒

高知の日本酒【亀泉(かめいずみ):亀泉酒造】老舗蔵元が醸す個性あふれる土佐の地酒
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「亀泉」は、高知県土佐市の蔵元、亀泉酒造の銘柄です。亀泉酒造は、120年以上の歴史を持つ老舗の蔵元ながら、守りに入ることなく、「美味しい」「楽しい」「面白い」をモットーに個性あふれる日本酒を醸しています。今回は「亀泉」の魅力を紹介します。

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「亀泉」の歩み

「亀泉」の歩み

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「亀泉」の蔵元の成り立ち

「亀泉」は、高知県の中南部に位置する土佐市の蔵元、亀泉酒造の日本酒銘柄です。

亀泉酒造の歴史は、今から120年以上前の明治30年(1897年)、「自分たちの飲む酒は自分たちで造ろう」と、土佐の日本酒好きの有志11人が集まって酒造りに取り組んだことから始まります。長い歴史のなかで、さまざまな困難に見舞われたこともありましたが、諦めずに残った川澤(かわざわ)家と西原(さいばら)家の両家が支え合って蔵を守ってきたのです。

現在は、川澤亨氏が社長、前社長で杜氏も務める西原一民(さいばらかずひと)氏が会長という体制で経営を行っています。

「亀泉」の名の由来とは

「亀泉」という銘柄名は、亀泉酒造の蔵内にある泉に由来しています。

この泉は、江戸時代の初期、参勤交代が本格的に始まった寛永12年(1635年)ごろから、干ばつに遭っても涸れることがないため、「万年の泉」と呼ばれて重宝されてきました。

「亀は万年」という表現がありますが、「亀泉」という銘柄名は、この「万年の泉」の水で仕込んだ日本酒という意味で名づけられたのです

この湧水は、国土交通省選定の「水質が最も良好な河川」にも選ばれた土佐の清流、仁淀川(によどがわ)水系の軟水です。ほのかな甘みとやさしいのどごしが特徴の清らかなこの水で、「亀泉」は醸されています。

「亀泉」は地元産の原料で造られる地酒

「亀泉」は地元産の原料で造られる地酒

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「亀泉」に使われる地元生まれの米たち

亀泉酒造は、高知県産の原料にこだわった地酒造りを目指す蔵元です。

「亀泉」にも、高知県で育まれた米が多く使われています。それらの米の特徴を見ていきましょう。

【吟の夢(ぎんのゆめ)】

高知県の酒造好適米第1号。「山田錦」を母とし、その特性を受け継いで平成10年(1998年)に誕生しました。「吟の夢」は、フルーティーな香りと軽やかな旨味、そして適度の酸味とキレのよさを持つ酒を生むのが特徴。「亀泉」シリーズでは、「純米吟醸 吟麓(ぎんろく)」などに使用されています。

【風鳴子(かぜなるこ)】

開発時の名称は「高育63号」。高知県の酒造好適米第2号として平成14年(2002年)に誕生しました。早期栽培に適していて、大粒で雑味のもととなるタンパク質の含有量が少ないなど、酒造適性も良好。「亀泉」シリーズでは、「純米吟醸原酒 高育63号」などに使用されています。

【土佐錦(とさにしき)】

平成6年(1994年)にデビュー。農林水産省の規程では一般のうるち米扱いながら、酒造適性に優れている米です。大粒で吸水性がよく、タンパク質の含有量が低いといった特徴があり、淡麗辛口の味わいを生みます。「亀泉」シリーズでは、「亀泉 特別純米」などに使用されています。

「亀泉」は高知の酵母で造られる

「亀泉」に使用されている高知県産の原料には、もうひとつ大事なものがあります。それは、「高知酵母」という酵母です。

「酵母」は菌類の一種で、糖分をエサにアルコール発酵を行い、エタノールと二酸化炭素を作り出します。パンや酒類などの製造に用いられていますが、とくに日本酒造りに使われる酵母のことを「清酒酵母」といいます。

酵母は、発酵の際に香りの成分も生み出します。たとえば、「酢酸イソアミル」という成分はバナナのような香り、「カプロン酸エチル」という成分はリンゴのような香りを、酒にもたらすといわれています。

「亀泉」ブランドの日本酒には、「CEL-24」「CEL-19」「AC-95」「AA-41」などの高知酵母が使われています。ぜひ、それぞれの酵母による味わいと香りの違いをたのしんでみてください。

「亀泉」の日本酒通をうならせるラインナップ

「亀泉」の日本酒通をうならせるラインナップ

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「亀泉」の蔵元のモットーが生んだ人気酒「CEL-24」

亀泉酒造は、「美味しい」「楽しい」「面白い」をモットーに、酒造りを行ってきました。この基本精神が生んだ大人気の1本が、「純米吟醸原酒 CEL-24」です。

酒名のとおり、高知酵母「CEL-24」を使用。酵母の特性をフルに活かした、甘酸っぱくフレッシュな味わいと、リンゴやパイナップルを思わせる華やかな吟醸香は、これまでの日本酒とは一線を画すもので、ひときわ強い個性を放っています。

米は通常「八反錦(はったんにしき)」を使っていますが、高知県生まれの酒造好適米「吟の夢」や「風鳴子」を使ったバージョンも限定醸造。火入れを行わない生酒タイプのほかに、火入れバージョンもあり、たのしみの幅がより広がっています。

また、オリジナリティーにあふれる成分表示にも注目したいところ。手書き風のラベルに記されている各数値は、仕込みごとに異なります。

「亀泉」の個性あふれるラインナップ

「純米吟醸原酒 CEL-24」だけでなく、「亀泉」ブランドの多くの商品で「生酒」と「火入れ」の両方がたのしめます。日本酒通をうならせる「亀泉」のラインナップの一部を紹介しましょう。

【亀泉 純米大吟醸 貴賓(きひん)】

「山田錦」を40%まで磨いて使用。「CEL-19」と「H-21」の2種類の酵母を使った、華やかな香りと上品な味わいが特徴の気品あふれる1本です。

【亀泉 純米大吟醸 亀の尾】

幻の酒米と呼ばれる「亀の尾」と、高知酵母「CEL-19」「A-14」を使用した香り高い生酒。独特の酸味とさわやかな後口がたのしめます。

【亀泉 純米吟醸原酒 高育(こういく)63号】

「高育63号」という名で開発された高知の酒造好適米「風鳴子」と、高知酵母「AA-41」を使用した「オール高知」の純米吟醸酒。濃厚な香りと穏やかな味わいが特徴です。

【亀泉 純米吟醸 吟麓(ぎんろく)】

高知の酒造好適米第1号「吟の夢」と高知酵母「CEL-19」を使用。フレッシュな酸味とビターな苦味がほどよく調和しています。食中酒としてもおすすめ。

【亀泉 特別純米】

米は「土佐錦」、酵母は「AA-41」と「A-14」という、高知生まれの原材料で醸した特別純米酒。バランスがよく飲み飽きない味わいです。

「亀泉」は、酒好きの心をくすぐる商品を揃えた日本酒ブランドです。高知産の米と麹、そして蔵に湧き出る水で仕込んだ地酒を、じっくりと味わってみてください。きっと、その旨さの虜になるはずです。

製造元:亀泉酒造株式会社
公式サイトはこちら

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