高知に行って飲んでみたい! おすすめの日本酒(地酒)【四国編】

高知に行って飲んでみたい! おすすめの日本酒(地酒)【四国編】
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高知県の日本酒造りは、県が蔵元をていねいにサポートすることで、県内の全蔵元が一丸となってレベルアップを図っています。高知の食文化である「おきゃく」もまた、高知の日本酒の質を上げる立役者のひとつ。今回は、そんな高知の日本酒の魅力を紹介します。

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高知では各蔵元の造りをデータ化して全体の品質をアップ

高知では各蔵元の造りをデータ化して全体の品質をアップ

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高知県の日本酒造りは、県内の蔵元が一丸となった組織的なつながりによって品質向上を図っています。蔵元同士の親交の深さもさることながら、高知県酒造組合の仲介のもと、県内にある約20蔵に巡回指導を行うという仕組みを確立しているのです。

その目的は、各蔵元の麹や醪(もろみ)の状態などをデータ化し、共有することで、県全体の日本酒造りの技術を底上げすること。酒造りにおいて、県がここまでていねいにサポートするのは珍しく、他府県の酒造業関係者からも注目を集めています。

高知県の気候は、一般的には日本酒造りに向かないとされる温暖なものであり、そうした環境下で、いかにおいしい日本酒を造り上げるかを課題としてきました。この課題に県ぐるみで向き合うなかで、他府県にはない酒造りのネットワークが構築され、県全体の酒造りが進化を遂げていったのです。

高知のお酒は料理との相性抜群で土佐の「おきゃく」にぴったり

高知のお酒は料理との相性抜群で土佐の「おきゃく」にぴったり

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高知県の日本酒は、高知県ならではの食文化である「おきゃく」に欠かせない存在です。
「おきゃく」とは、土佐弁で「宴会」を意味する言葉。高知では、宴会(おきゃく)の際に、大きなお皿にさまざまな料理を盛りつけた「皿鉢」を、出席者みんなでたのしむという慣習があります。気心の知れた人だけでなく、初めて会う人とでも気軽に杯を交わし、絆を深めていく。それが、高知流のもてなしなのです。

昔から酒好きが多いとされる高知県だけに、「おきゃく」の主役となるのは、やはり高知の地酒。そのため高知の日本酒は、土佐のカツオをはじめとした魚介類に合う食中酒として進化してきました。高知の地酒は高知の食文化とともに発展し、その中核を担い続けてきたのです。

高知の日本酒、人気銘柄

高知の日本酒、人気銘柄

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高知県の温暖な気候のなか、創意工夫とたゆまぬ努力によって生み出される数々の日本酒。ここでは、とくに人気を集めている銘柄を紹介します。

商品ごとに酒米を限定し品種の違いをたのしめる【酔鯨(すいげい)】

「酔鯨」は、明治5年(1872年)創業の酔鯨酒造が造る日本酒の代表銘柄です。蔵元と同じ酒名は、酒好きで知られる幕末の土佐藩主、山内豊信(容堂)公の雅号「鯨海酔侯」にちなんで命名されたものです。
「酔鯨」は、純米吟醸を主体に幅広い商品がラインナップされていますが、それぞれ単一品種の酒米のみを使用することで、米のもつ味わいの違いをストレートにたのしめます。近年では、国内外で「酔鯨」をたのしむイベントを開催するなど、幅広い地域・世代から注目されており、鯨の尾をデザインしたオシャレなラベルでも人気を集めています。

製造元:酔鯨酒造株式会社
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坂本龍馬とも縁深い蔵元が醸す超辛口のお酒【船中八策(せんちゅうはっさく)】

「船中八策」を造るのは、慶長8年(1603年)創業という、高知県でも指折りの歴史をもつ司牡丹酒造。幕末の英雄、坂本龍馬とも縁深い蔵元としても知られており、その酒名も龍馬が明治の新政府造りに向けて提唱した献策に由来しています。
仁淀川水系の湧水を仕込み水にして醸す「船中八策」は、抜群のキレが特徴の「超辛口」と評される日本酒です。「全国新酒鑑評会」では、ここ5年連続で金賞を獲得するなど、その酒造りの技術の高さは折り紙つき。メディアが行った「お燗酒コンテスト」でも高い評価 を受け、冷やしても温めてもおいしい日本酒として認められています。

製造元:司牡丹酒造株式会社
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名杜氏が確かな技術で醸す極上のお酒【美丈夫(びじょうふ)】

「美丈夫」は、高知県の最東端、奥深い山あいに蔵を構える、濵川(はまかわ)商店が醸す代表銘柄です。濵川商店は、日本酒造りには難しいとされる超軟水を仕込み水に使い、おいしい日本酒を造りだす高い技術を誇ります。
杜氏である小原昭氏は日本醸造協会醸造技能者として表彰を受け、「全国新酒鑑評会」において8年連続で金賞を獲得した実力者。そんな名杜氏が醸す「美丈夫」は、口に入れた瞬間、お米と酵母のよい香りがふわっと立ち、次いで、抜群にシャープなキレを感じさせる飲み口で、全国の日本酒通をうならせています。

製造元:有限会社濵川商店
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さらりとしてまろやかな甘さが美味の食中酒【亀泉(かめいずみ)】

「亀泉」は、春には桜と太平洋が一望できる波介山(はげやま)の麓にある蔵元、亀泉酒造が造る日本酒です。仕込み水には、古くから蔵の敷地に湧き出る清流、仁淀川(によどがわ)水系の軟水を使用していて、過去に一度も涸れたことがないことから「万年の泉」と呼ばれ、酒名もそれにちなんで名づけられています。
「亀泉」の特徴は、さらりとしたのどごし。脂っぽい食事に食中酒として合わせると、とくに「亀泉」のよさが引き立ちます。なかでも、高知県酵母「CEL-24」を使用した商品は、まろやかな甘さが特徴で、淡麗辛口が多い高知の日本酒としては珍しい1本です。

製造元:亀泉酒造株式会社
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ていねいな作業にこだわって造られる人気の希少酒【南(みなみ)】

「南」は、日本酒マニアのあいだで“幻の日本酒”とも称される銘柄。その造り手は、高知市より車で1時間半程度走らせた安田町に蔵を構える南酒造場です。その創業は明治2年(1869年)で、長く「玉の井」という銘柄を醸していましたが、1998年より新たな代表銘柄として、蔵の名を冠した「南」を立ち上げました。
南酒造場の酒造りの特徴は、全量箱麹を使用したていねいな酒造りにあります。そこから生まれる、淡麗辛口でありながらも芳醇な味わいこそが「南」の持ち味。その味わいは、大吟醸や吟醸酒などの特定名称酒から普通酒まで、すべてのお酒に共通しています。

製造元:有限会社南酒造場
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高知の日本酒、そのほかの注目銘柄

高知の日本酒、そのほかの注目銘柄

Payless Images/ Shutterstock.com

高知県の日本酒は、蔵元ごとの個性がよく出た銘柄がそろっています。そのなかから注目の5銘柄を紹介しましょう。

高知の日本酒造りを今に伝える蔵元が醸す【久礼(くれ)】

「久礼」は、天明元年(1781年)から高知県中西部、中土佐町久礼で酒造りを続けてきた老舗、西岡酒造店の代表銘柄です。西岡酒造店では、その歴史の長さを活かし、蔵内にギャラリーを併設。高知の日本酒造りの歴史を今に伝える貴重な存在となっています。
「久礼」の特徴は、四万十川を源流とする水や、地元高知で自然栽培した酒造好適米を使用するなど、高知の色が強く出る酒造り。「土佐の一本釣りの町」として知られる中土佐町で、古くからカツオと一緒に親しまれてきた「久礼」は、高知の日本酒らしく、しっかりとしたコクと抜群のキレを味わえます。

製造元:有限会社西岡酒造店
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豊富な酵母と米の合わせ方であらゆる風味を味わえる【土佐鶴(とさつる)】

「土佐鶴」は、安永2年(1773年)創業の老舗蔵、土佐鶴酒造の代表銘柄です。土佐鶴酒造の強みは、独自に育種した「土佐鶴淡麗酵母」をはじめ、多彩な酵母を豊富に所有していること。それらを、原料米や、めざす味わいに応じて使い分ける技術は、見事としかいいようがありません。
また、精米歩合は、酒税法の基準よりもさらに厳しく設定し、大吟醸にいたっては精米歩合30%以下にまで磨き上げる徹底ぶり。「全国新酒鑑評会」では、なんと全国最多の45回も金賞に輝いているという、実力派の蔵元です。

製造元:土佐鶴酒造株式会社
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高知を代表する蔵元が造る四万十川のように澄んだ酒【四万十川(しまんとがわ)】

「四万十川」は、古くから「菊水は知らぬ人なき土佐の味」と評されるほど、高知で名を馳せる蔵元、菊水酒造が造る日本酒です。菊水酒造は江戸時代から続く老舗蔵ですが、日本で初めて冷蔵貯蔵設備を導入するなど、近代的な技術にも積極的な蔵元として知られています。
「四万十川」は、四国山脈を源とする伏流水を仕込みに使い、添加物を一切加えずに仕上げた日本酒。その名のとおり、四国を代表する清流・四万十川のような澄みきった味わいが特徴です。

製造元:菊水酒造株式会社
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日本酒初心者にも門戸を広げるフレッシュ&ジューシーなお酒【土佐しらぎく(とさしらぎく)】

「土佐しらぎく」を造るのは、高知県東部の村で、明治36年(1903年)から酒造りを行う仙頭(せんとう)酒造場。「フレッシュ&ジューシー」をコンセプトに、普段日本酒に親しんでいない人や若者にも日本酒をたのしんでもらうことを重視する蔵元です。
ほとんどの工程を手作業で行うていねいな酒造りに定評があり、めざす日本酒の味わいによって、「吟の夢」「山田錦」「八反錦」「雄町」「しずく媛」などの酒造好適米を使いこなすセンスは秀逸。「土佐しらぎく」は、ふくらみのある味わいとサッパリとした飲み口で、日本酒初心者にも飲みやすいと評判です。

製造元:有限会社仙頭酒造場
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ていねいな酒造りによって生まれるみずみずしさが魅力の【文佳人(ぶんかじん)】

「文佳人」は、常に新しいものを追い求めながら日本酒造りに取り組む蔵元、アリサワが醸す日本酒です。創業は明治10年(1877年)で、現在は5代目当主自らが杜氏として指揮をとっています。
その酒造りの特徴は、醪(もろみ)の状態をきめ細かく管理できる少量仕込み。できた醪は槽(ふね)でゆっくりと搾り、氷温の冷凍庫で保管しています。こうして生まれる「文佳人」は、みずみずしいフレッシュな香りが特徴的で、搾りたてのおいしさを存分にたのしめます。

製造元:株式会社アリサワ
公式Facebookはこちら

日本酒造りに最適とはいえない温暖な気候のなかで、これほどレベルの高い酒造りが行われているのは、高知の蔵元の酒造りに対する士気の高さと、それを支える組織の取り組みがあってこそ。ぜひ「おきゃく」で、高知の日本酒を味わってみたいものです。

高知県酒造組合

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