熊本の日本酒【花の香(はなのか):花の香酒造】地元産の水と米で全量を仕込むこだわりの地酒

熊本の日本酒【花の香(はなのか):花の香酒造】地元産の水と米で全量を仕込むこだわりの地酒
出典 : Marina Kutukova / Shutterstock.com

「花の香」は、熊本県和水町(なごみまち)の蔵元、花の香酒造の日本酒銘柄です。杜氏を兼ねる6代目の現蔵元が、試行錯誤を重ね、全量を地元和水町の水と米で醸すまぎれもない地酒ブランドを築き上げました。蔵元の歴史を含め「花の香」を紹介します。

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「花の香」の歩み

「花の香」の歩み

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「花の香」の蔵元の歴史

「花の香」は、熊本県和水町の蔵元、花の香酒造の日本酒ブランドです。

花の香酒造で代々当主を務める神田家が、京都から熊本の地にやってきたのは、今からおよそ600年前と伝わります。時代は下り、明治35年(1902年)、神田角次、茂作親子が妙見神社所有の神田を譲り受け、そこで作った米と、神社の岩清水で酒造りを開始。そうして神田酒造が誕生しました。

神田酒造は平成4年(1992年)に花の香酒造と名を変え、現在は6代目の神田清隆氏が蔵元杜氏として腕を振るっています。

「花の香」の名前の由来

「花の香」という名は、梅の花の香りに由来しています。和水町の花の香酒造の庭には、樹齢約180年の梅の古木があります。毎年、春の訪れとともに、梅花の香りが蔵のなかにも漂うことから、この名がつけられました。

奈良時代までの日本では、花といえば桜ではなく梅を指したといわれています。日本酒「花の香」の最高峰「純米大吟醸 花の香 梅花」の上品な香りは、古くから多くの和歌にも詠まれてきた気品ある梅の香りを思い起こさせるものです。

「花の香」の蔵元の転機

「花の香」の蔵元、花の香酒造は、もともと日本酒だけを造る蔵でしたが、日本酒の需要減を受けて、焼酎も手掛けるようになりました。一時は焼酎ブームで好調だったものの、流行が落ち着くとともに事業は行き詰まりを見せます。そうしたなかで平成23年(2011年)に家業を継いだのが、6代目の現蔵元杜氏、神田清隆氏でした。

神田氏は、自社の酒造りを見直し、小仕込みでていねいに醸す、高品質な日本酒を造る現在の方向に舵を切りました。平成26年(2014年)には、「獺祭(だっさい)」で知られる山口県の旭酒造で5人の蔵人とともに酒造りを修業。研修で得た知識や技術を活かし、蔵の改造や造りの工夫を重ねていきました。

そうして平成27年(2015年)、自らが杜氏として酒造りに携わった新生「花の香」を発売し、大きな評判を呼んだのです。

「花の香」は水と米にこだわる地酒

「花の香」は水と米にこだわる地酒

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「花の香」の香りと旨味を引き出す和水の水

「花の香」には、地元和水町の水が使われています。

「水の国」とも呼ばれる熊本県は、地下水が豊富な県として知られています。和水町も例外ではなく、水道水には地下水が用いられています。

9万年前に起こった阿蘇山(あそさん)の大噴火により形成されたという和水町の大地。そこからこんこんと湧き出す清水は、岩盤によってゆっくりと自然ろ過された良水で、日本酒「花の香」の華やかな香りと旨味を引き出しています。

「花の香」の原料米はすべて和水の米

「花の香」ブランドの日本酒には、すべて和水町産の米が使われています。そこには、現蔵元の、「仕込みに使う和水の水と同地質、同地域で育てた和水町産の米だけで日本酒を造りたい」という地元に対する想いが込められています。

蔵元の神田氏は、平成27年(2015年)に地元農家の協力のもと「花の香農作部会」を立ち上げ、自社水田で酒造好適米「山田錦」の栽培をスタートしました。少しずつ収穫量を増やし、令和2年(2020年)になって和水町にある水田の10%以上が自社水田となり、すべての「花の香」に地元産の米が使えるようになりました。つまり、水も米も丸ごと和水町産の原材料で醸す、「全量和水町テロワール※」を実現させたのです。※「土地の個性」「土地の味」といった意味。

神田氏は、地元産の米への想い、そしてその米で醸す地酒への想いを共有する農家の人たちをも含めたテロワールを重視し、全量和水町の酒造りを続けています。

「花の香」は世界一をめざす酒

「花の香」は世界一をめざす酒

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「花の香」は国際的なコンクールで高評価

「花の香」の蔵元杜氏、神田清隆氏は、地元の原材料で世界一の酒を造ることを目標としています。その想いが形となり、「花の香」は国際的な日本酒のコンクールで高く評価されています。

平成29年(2017年)には、フランス開催の「Kura Master 2017」で「純米大吟醸 花の香 桜花」が審査員特別賞を受賞。

平成30年(2018年)には、ベルギーで行われている「ブリュッセル国際コンクール(CMB)」の日本酒部門「SAKE selection」で、「純米大吟醸 花の香 和水」と「瓶内二次発酵 花火」がシルバー賞に輝きました。

そして令和2年(2020年)、「低精白 九拾(ていせいはく きゅうじゅう)」が、イギリスの「IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)」でシルバーメダルを獲得するなど、次々と世界的な評価を得て、その名を広めています。

「花の香」のラインナップ紹介

地元和水の水と米だけで造られる、地酒中の地酒「花の香」。純米大吟醸酒がずらりと並ぶそのラインナップから、いくつかを紹介しましょう。

【純米大吟醸 花の香 梅花(ばいか)】

「山田錦」を35%まで磨いて、香りを最大限引き出した純米大吟醸。華やかでやさしく、透明感とキレもある「花の香」の最高峰です。

【純米大吟醸 花の香 桜花(おうか)】

「山田錦」を精米歩合50%で使った香り高くキレのある1本。生原酒と火入れタイプがあります。フランスの「Kura Master 2017」審査員特別賞受賞酒です。

【純米吟醸 花の香 菊花(きっか)】

華やかな香りを生み出す、熊本生まれの「熊本酵母」を使用。軽快な旨味と酸味がたのしめる食中酒としてもおすすめの純米吟醸酒です。

【純米大吟醸 花の香 和水(なごみ)】

和水町の水と米だけで醸した味わいは、華やかでフルーティー。酸味由来のキレもあります。ベルギーの「SAKE selection」シルバー賞受賞酒です。

【低精白 九拾(きゅうじゅう)】

自然農法をめざして作られている和水町産「山田錦」を精米歩合90%で使用した挑戦的な1本。イギリスの「IWC 2020」でシルバーメダルを獲得しています。

【瓶内二次発酵 花火(はなび)】

フランス仕込みの「瓶内二次発酵」製法をさらに進化させたスパークリング純米大吟醸酒。ベルギーの「SAKE selection」シルバー賞受賞酒です。

「花の香」の蔵で、「花の香」を味わうこともできる

花の香酒造の敷地内には、花の香ギャラリー「花回廊」と、限定酒などが有料でテイスティングできるバー「花香酔人(かこうすいじん)」があり、ギャラリーの見学後にテイスティングもたのしめます。

地元産の原材料を使い、昔ながらの「撥ね木搾り(はねきしぼり)」で、ていねいに醸される「花の香」を、蔵のそばで味わうのも乙なもの。

このほか、通常は立ち入ることができない麹室(こうじむろ)のなかをガラス越しに覗くことができる、「麹廊下」などもあります。近くに足を運ぶ機会があれば、立ち寄ってみてはいかがでしょう。

「花の香」は、すべて和水町産の原材料で醸した、文字どおりの地酒です。国際的にも評価の高いその味には、梅花が香るような上品さが備わっています。「全量和水町テロワール」の味わいに、酔いしれてみてはいかがでしょう。


製造元:花の香酒造株式会社
公式サイトはこちら


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