ウイスキーグラスの種類とは?選び方とともにご紹介

お気に入りのウイスキーを、どんなグラスで飲んでいるでしょうか? 一言で「グラス」といってもさまざまな形があります。今回はウイスキーグラスの種類や、グラスにおすすめの飲み方などを紹介します。
- 更新日:
グラスによってウイスキーの味が変わるってほんと?

Master1305/ Shutterstock.com
味を感じるメカニズムとグラスの関係
ウイスキーを飲むときは、銘柄や産地、どんな飲み方がおいしいか、といったことに注目しがちですよね。しかし、ウイスキーの味をしっかりと堪能するには、グラスも重要な存在なのです。
グラスの形状や素材は、味覚に大きく影響します。人は甘味、塩味、酸味、苦味、旨味の5種類を舌全体で感じますが、最近の研究によって、液体の流れ込む速度や口の中で液体が当たる角度によって、味わいが違ってくることがわかってきました。つまりグラスの種類によって、味わいが変わる可能性があるということです。
ウイスキーグラスは、たのしみ方に合わせて選ぼう
ウイスキーをたのしむのに、このグラスでなければいけない!という明確な決まりはありません。ただ、グラスによって特性が異なるので、いくつかポイントを覚えておきましょう。
香りをたのしみたいなら、ワイングラスのように口が狭く、下にいくほどふくらんだ、しずく型のものがおすすめです。口当たりのよさを求めるなら、飲み口が薄いものを選びましょう。薄ければ薄いほど、ウイスキーの味や温度を感じやすくなります。
また、飲み口が広いものは口全体に液体が広がりやすく、逆に狭いものは舌の中央で受け止めやすいといった特徴があります。味の好みは人それぞれなので、いろいろなグラスをためしてみて、舌に合うものを見つけてみてください。
ウイスキーグラスの形状と各部分の機能を知ろう

Vania Zhukevych/ Shutterstock.com
ウイスキーグラスの形状と各部分の名前を確認
おすすめのウイスキーグラスを探す前に、まずはウイスキーグラスの基本的な形状と各部分の機能を知っておきましょう。ここではテイスティンググラス(ストレートグラス)を例にとって解説していきます。
【リム】
唇が触れるふちの部分(飲み口)を「リム」といいます。リムが薄く加工されていればいるほど、ウイスキーがスムーズに舌の上に流れ込んできます。また、グラス全体がふくらんでいて、リム(飲み口)の直径がより小さいほうが、香りが抜けにくく、香りを長くグラス内に留めておくことができるといわれています。
【ボウル】
ボウルとは、グラスのふくらんでいる部分のことです。ふくらみが大きいほどウイスキーが空気と触れ合う面積が広くなり、ウイスキーの放つアロマをより高めてくれます。
【ステム】
グラスの持ち手(棒状の部分)を「ステム」といいます。ステムには長いものと短いもの、またステムがあるグラスとないグラスがあります。ステムの役割は、ウイスキーが過度に温まるのを防ぐことです。
【プレート】
グラスの一番下の土台部分はプレート、または「フット」と呼ばれます。土台の直径が大きいほどグラスが安定するため、グラスマーカーをつける際や立席でウイスキーを飲む際などに役立ちます。
ウイスキーグラスはどうやって選ぶ?
ウイスキーグラスを選ぶときのポイントは、以下の3つに注目することです。順番に見ていきましょう。
【リムの薄いグラスを選ぶ】
前述のように、グラスのリム部分は薄ければ薄いほど口当たりがよくなるので、薄いものがおすすめです。また形状も注目すべきポイントのひとつ。リムが外側に反っているものは味わいがソフトに感じられ、リムの反っていないストレートタイプは、香りや味をダイレクトにたのしめるといった特徴があります。リムの反り具合は、お好みで選びましょう。
【ボウルのあるグラスを選ぶ】
ウイスキーの香りをたのしむなら、ボウル部分に適度なふくらみのあるグラスがおすすめです。一般的に、ボウル部分がくびれているものは、ウイスキーの香りがグラスの中で長く滞留して、香りが少しずつ放たれるように作られています。
【ステムの有無で選ぶ】
ショットグラスやロックグラスなど、ステムのついていないグラスもたくさんありますが、ウイスキーの繊細な味わいをたのしみたいときは、手のぬくもりが伝わりにくいステムつきのグラスを選ぶとよいでしょう。
ウイスキーグラスにはどんな種類があるの?

New Africa/ Shutterstock.com
ウイスキーグラスの種類:ストレートグラス(テイスティンググラス)
はじめにおすすめしたいのがストレートグラス(テイスティンググラス)です。ステムがついていて、リムが反った形状から「チューリップグラス」とも呼ばれています。
ストレートグラスは本来、視覚や味覚、嗅覚を働かせて、ウイスキーをテイスティングする際に使われます。ウイスキーの繊細な香りと味をたのしむための、基本となるグラスといえるでしょう。
ウイスキーグラスの種類:ロックグラス
ひとつは揃えておきたいウイスキーグラスといえば、口の広い円柱型のロックグラス。ロックグラスはその名のとおり、アルコール度数の高いお酒をオン・ザ・ロックで飲むために作られたものです。口が広いので、大きな氷でも入れやすいのが特徴。ロックグラスには、ガラスや陶器、磁器、金属などさまざまな材質のものがあります。基本の円柱型以外にも、コロンとした丸型などデザインのバリエーションも豊富です。
ウイスキーグラスの種類:ショットグラス
お猪口のように小さいショットグラスは、ウイスキーだけでなく、リキュールやテキーラなどを一口で飲み干すときなどに活躍するグラスです。
ウイスキーをショットグラスで飲むときは、基本的に氷や水を加えずにそのままたのしみます。アルコールが揮発しにくいため、ウイスキー本来の味を強く感じられるのが特徴です。
ウイスキーグラスの種類:タンブラーグラス
ウイスキー以外にも、あらゆる飲み物に使われているのがタンブラーグラス。ハイボールや水割りのほか、ストレートで飲む際のチェイサー用にもおすすめです。くびれのないシリンダー型のグラスは炭酸が抜けにくく、香りが立ちやすいという特徴があります。容量もさまざまで、ウイスキーグラスとしては8オンス(240ミリリットル)のタンブラーグラスが多く使われる傾向にあります。
ウイスキーグラスの種類はさまざまで、たのしみ方によって適したものが違ってきます。ウイスキーの味わいはグラスで大きく変わるもの。さっそく、お気に入りの飲み方に合うウイスキーグラスを探してみてはいかがでしょう。
