ウイスキーの「ハーフロック」ってなに? 特徴や水割りとの違い、基本の作り方などを紹介

ウイスキーの「ハーフロック」ってなに? 特徴や水割りとの違い、基本の作り方などを紹介
出典 : Alik Mulikov / Shutterstock.com

ウイスキーの「ハーフロック」は、氷を入れたグラスにウイスキーと天然水を1:1の割合で注いで飲むたのしみ方。今回は、ウイスキーの「ハーフロック」の特徴や「水割り」などとの違い、基本的な作り方、おすすめのウイスキーの種類などについて紹介します。

  • 更新日:

ウイスキーの「ハーフロック」とは?

ウイスキーの「ハーフロック」は通好みの飲み方,「ハーフロック」誕生の理由

natu/ Shutterstock.com

ウイスキーの「ハーフロック」の特徴や魅力、「ハーフロック」が生まれた理由をみていきます。

ウイスキーの「ハーフロック」は通好みの飲み方

ウイスキーの「ハーフロック」は、ロックスタイルのひとつで、氷入りのグラスにウイスキーと冷やした天然水またはミネラルウォーターを1:1の割合で注ぐ、シンプルで粋な飲み方です。

「ハーフロック」の魅力は、ウイスキーの香りや味わいを存分にたのしめること。ウイスキーを同量の水で割ると、アルコール度数が下がって飲みやすくなるとともに、鼻にツンとくるような香りやピリッとするような舌への刺激が抑えられて、ウイスキーの風味がわかりやすくなります。そのため、ウイスキーの個性やおいしさが引き出される飲み方として、ウイスキー通を中心に親しまれています。

なお、天然水やミネラルウォーターではなく、炭酸水やソーダ、ジンジャーエール、コーラなどで割っても、ウイスキーとの割合が1:1であれば、「ハーフロック」と呼ばれることがあります。

「ハーフロック」誕生の理由

ウイスキーの「ハーフロック」が誕生した理由は、アルコール度数が高くクセの強いウイスキーを、飲みやすくするためといわれています。

ウイスキーを氷や冷水で割ると、アルコールによる刺激やクセがやわらぎ、まろやかな口当たりになります。ひんやり清涼感のある飲み口や、引き締まった香味、スッキリとしたのどごしをたのしめるのも魅力。また、40度ほどあるアルコール度数が約半分に下がるので、体への負担がやさしくなるのもメリットです。

汗ばむ季節はもちろん、ウイスキーをライトにたのしみたいときに「ハーフロック」を試してみてもよさそうですね。

ウイスキーの「ハーフロック」とほかの飲み方との違い

「ハーフロック」と「ロック」の違い,「ハーフロック」と「水割り」の違い,「ハーフロック」と「トワイスアップ」の違い

somchaij/ Shutterstock.com

「ハーフロック」に似た飲み方に、「ロック」や「水割り」「トワイスアップ」があります。ここでは、それぞれの飲み方についておさらいするとともに、「ハーフロック」との違いをみていきます。

「ハーフロック」と「ロック」の違い

「ロック(オン・ザ・ロック)」は、大きめの氷を入れたロックグラスにウイスキーを注いで、「ストレート」に近い味わいをシャープにたのしむ飲み方。ウイスキーの量は、シングル(約30ミリリットル)またはダブル(約60ミリリットル)が一般的です。

「ハーフロック」との違いは、天然水やミネラルウォーターでウイスキーを割らないこと。また、「ハーフロック」はそのまま飲みますが、「ロック」はアルコール度数が高いので、チェイサーとして天然水やミネラルウォーターを用意して、交互に少しずつ飲むという点でも異なります。

「ハーフロック」と「水割り」の違い

「水割り」は、グラスいっぱいに氷を入れ、適量のウイスキーを注いでマドラーなどで混ぜ、そこに好みの量の冷やした天然水かミネラルウォーターを注いで軽くかき混ぜて作ります。ひんやりしていて口当たりのよい「水割り」は日本独特の飲み方といわれ、食中酒としても人気です。

「ハーフロック」との決定的な違いは、ウイスキーと水の割合に決まりがないこと。好きな分量でOKという自由度の高さが「水割り」の魅力です。とはいえ、水割りにも目安となる分量があり、ウイスキー1に対して天然水またはミネラルウォーターを2~2.5の割合で注ぐと、おいしい一杯が作れるといわれています。

「ハーフロック」と「トワイスアップ」の違い

「トワイスアップ」は、ウイスキーと常温の天然水またはミネラルウォーターを1:1に割ったもの。「ハーフロック」との違いは、氷や冷水は使わず、常温のままたのしむことです。

「トワイスアップ」は、ウイスキーの香りを堪能するのに最適な飲み方です。一般に、ウイスキーに溶け込んでいる香りが開きやすくなるのは、アルコール度数約20~30度といわれていて、「トワイスアップ」にするとちょうどこのくらいの度数になります。

「ハーフロック」でも同じように香りをたのしめますが、ウイスキーは冷やすと香りが弱まります。その点、常温のまま飲む「トワイスアップ」では、十分に開かれた香りを満喫できるのが魅力です。

なお、ウイスキーに同量の水を加える方法は、ウイスキーのテイスティング時にも用いられています。

ウイスキーの「ハーフロック」の作り方

「ハーフロック」の基本的な作り方,おいしい「ハーフロック」を作るコツ

Goskova Tatiana/ Shutterstock.com

ウイスキーの「ハーフロック」の作り方を、おいしく作るコツとともに紹介します。

「ハーフロック」の基本的な作り方

ウイスキーの「ハーフロック」は、グラス(ハーフロックグラスなど)、マドラー、ウイスキー、氷、冷水を用意して、以下のステップで作ります。

1.氷をグラス一杯に入れる
2.ウイスキーを注ぐ
3.マドラーでしっかり混ぜてウイスキーを冷やす
4.氷を追加する
5.ウイスキーと同量の冷水を注ぎ、マドラーで軽くかき混ぜる

おいしい「ハーフロック」を作るコツ

「ハーフロック」のおいしさは冷たさにかかっています。上手に作るコツは、できるだけ冷たい状態をキープできるようにすること。

使う氷は、市販の氷がベターです。不純物の取り除かれた氷は溶けにくいので、1:1の好バランスが崩れにくくります。また、ウイスキーを割る水も、事前に冷蔵庫などでしっかり冷やしておくことがポイント。余裕があればグラスも冷やしておくことをおすすめします。

水は、前述のとおり、市販の天然水またはミネラルウォーターを使うのが鉄則。おいしい一杯には、おいしい水が欠かせません。水の種類は、ウイスキーの味の邪魔をしない軟水が適していますが、なかには硬度の高いものもあるので、作る前に確認しておくと安心です。なお、日本では、硬度100ミリグラム/リットル(mg/L )未満の水は軟水、それ以上のものは硬水に分類されています。

以上のようなコツを押さえておいしい「ハーフロック」を作っても、氷がほとんど溶けてウイスキーの濃度が薄まれば、「ハーフロック」ではなく「水割り」のようになってしまいます。1:1の絶妙なバランスのうちに飲み干すことも大切ですよ。

「ハーフロック」におすすめのウイスキーの種類

「ハーフロック」におすすめのウイスキーの種類,スコッチウイスキーのブレンデッドウイスキー,アメリカンウイスキーのバーボンウイスキー

nafterphoto/ Shutterstock.com

ウイスキーの本場スコットランドやバーボン文化が根づくアメリカなどでは、ウイスキーをストレートで飲むことが多いといわれますが、両国産のウイスキーのなかには「ハーフロック」にしてもおいしくたのしめるものもあります。「ハーフロック」におすすめの銘柄とともにその魅力を紹介します。

スコッチウイスキーのブレンデッドウイスキー

ブレンデッドウイスキーは、大麦麦芽(モルト)のみを原料としたモルトウイスキーと、トウモロコシなどの穀物を原料としたグレーンウイスキーをブレンドしてボトリングしたウイスキー。その多くは、ブレンダーの卓越したブレンド技術によって、バランスよく、洗練された味わいに仕上げられています。

スコットランドのスコッチウイスキーといえば、シングルモルトウイスキーも思い浮かびますが、個性の強いシングルモルトウイスキーに比べてブレンデッドウイスキーは飲みやく、初心者でも親しみやすいのが魅力です。

スコッチウイスキーのブレンデッドウイスキーのなかでも、「ハーフロック」におすすめなのは、「バランタイン12年」や「シーバスリーガル12」年など。「ハーフロック」にすれば、絶妙にブレンドされた複数の原酒の魅力が開花して、いつもとはひと味違うおいしさを堪能できます。

バランタイン12年

「ハーフロック」におすすめのウイスキーの種類,バランタイン12年

出典:サントリー株式会社 「バランタイン」ブランドサイト

「バランタイン12年」は、スコットランド各地の蒸溜所から選りすぐった40種類以上もの原酒が、バランスよくブレンドされた贅沢な1本。「スコッチの宝石」と称されるあざやかな黄金色で、ハチミツやバニラを想わせる甘い香りや、上品でキレのある味わいをたのしめます。

輸入販売元:サントリー株式会社
「バランタイン」ブランドサイトはこちら

シーバスリーガル12年

「ハーフロック」におすすめのウイスキーの種類,シーバスリーガル12年

出典:ペルノ・リカール・ジャパン株式会社サイト

「シーバスリーガル12年」は、スコッチウイスキーの産地のひとつスペイサイド特有の華やかな香りと、リッチで芳醇な味わい、スムースでクリーミーな舌触りが魅力。ウイスキー初心者でも飲みやすい、まろやかさもおいしさの秘密です。

輸入販売元:ペルノ・リカール・ジャパン株式会社
「シーバスリーガル」ブランドサイトはこちら

アメリカンウイスキーのバーボンウイスキー

バーボンウイスキーはアメリカンウイスキーの代表格で、トウモロコシを主原料に造られます。原料や熟成樽由来の甘く香ばしい風味があり、初心者でも比較的飲みやすいのが特徴です。

バーボンウイスキーは、「ストレート」や「ロック」のほかハイボールやカクテルなど幅広い飲み方でたのしまれていて、「ハーフロック」にもぴったり。力強い味わいなので、水で割ってもその風味を十分にたのしめます。銘柄は、「メーカーズマーク」や「ワイルドターキー8年」などがおすすめです。

メーカーズマーク

「ハーフロック」におすすめのウイスキーの種類,メーカーズマーク

出典:サントリー株式会社 「メーカーズマーク」ブランドサイト

「メーカーズマーク」は、1本1本職人の手でていねいに造られるバーボンウイスキー。ライ麦ではなく冬小麦を使用して、ふくらみのあるまろやかな味わいに仕上げられています。やさしい口当たりも魅力。

輸入販売元:サントリー株式会社
「メーカーズマーク」ブランドサイトはこちら

ワイルドターキー8年

「ハーフロック」におすすめのウイスキーの種類,ワイルドターキー8年

出典:CT Spirits Japan株式会社サイト

「ワイルドターキー8年」は、こだわりの製法で、原料の持つ香り豊かなフレーバーがしっかりと引き出されているのが特徴。アルコール度数50%ながら繊細さを併せ持ち、原料や熟成樽由来の心地よい甘味と、重厚でコクのある味わいをたのしめます。

輸入販売元:カンパリ・グループ CT Spirits Japan株式会社(シーティースピリッツジャパン株式会社)
「ワイルドターキー」ブランドサイトはこちら

「ハーフロック」は、ウイスキーと水の1:1の好バランスにより、ウイスキーのおいしさがくっきりと引き出される飲み方。お好きなウイスキーと市販の氷、冷やした天然水などを用意して、ぜひ味わってみてくださいね。

おすすめ情報

関連情報

ウイスキーの基礎知識
広告掲載について

ビア検(日本ビール検定)情報

イベント情報

おすすめ情報

Ranking ランキング

おすすめの記事