ブランデーの飲み方、味わい方を究める

ブランデーの飲み方、味わい方を究める
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ブランデーは高級なお酒だけに、ストレートで飲むものと決めつけがち。とはいえ、ブランデーはアルコール度数が高いので、ストレートで飲むのはきついという人も少なくないでしょう。ここでは、ブランデーをもっと身近にたのしむために、ブランデーの飲み方について紹介します。

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ブランデーのさまざまな飲み方

ブランデーのさまざまな飲み方

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ブランデーの飲み方を知る前に、まずはブランデーとはどんなお酒かをおさらいしておきましょう。
ブランデーは、果実を発酵させた醸造酒を、さらに蒸溜して造られるお酒のこと。「果実が原料」とはいっても、一般的にブランデーといえばワインと同様、ブドウを原料としたお酒をさし、リンゴやサクランボなど、ブドウ以外の果実を原料とした場合は「フルーツブランデー」と呼ばれます。

ブランデーは、ウイスキーや焼酎などと同様に、醸造酒からアルコール分だけを抽出した蒸溜酒(スピリッツ)のため、醸造酒にくらべてアルコール度数が高くなります。
蒸溜されたばかりのブランデーの原酒は無色透明で、アルコール度数は70度近くもあります。この原酒を、オーク材で作られた樽のなかで長期間熟成させることで、まろやかで美しい琥珀色になり、アルコール度数も40~50度ほどに調整します。

よく「ブランデーは香りをたのしむお酒」といわれるように、アルコール度数が高いだけに、ゴクゴクと飲むお酒ではありません。芳醇な香りを堪能しながら、ゆったりと味わうのがブランデーの飲み方の基本です。その意味では、ブランデーは飲む時間そのものをたのしむお酒ともいえるでしょう。

よく、「ブランデーはストレートで飲むのが基本」と言われますが、ストレートで飲むだけがブランデーのたのしみ方ではありません。また、ストレートで飲むといっても、ただそのままグラスに注いで飲めばよいといったものではありません。
ストレートをはじめとしたさまざまな飲み方について、ブランデーをよりおいしくたのしむための注意点を見ていきましょう。

ブランデーの飲み方【ストレート編】

ブランデーの飲み方【ストレート編】

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ブランデーの飲み方はストレートが基本とされるのは、ブランデーの魅力である、果実由来の芳醇な香りと、熟成された深い味わいとをダイレクトに味わえるためです。

ブランデーの香りや味わいを存分に堪能するため、ストレートで飲む際は、じっくりと時間をかけてたのしみたいもの。ブランデーを注いだグラスを、ゆっくりと、静かに回しながら、まずは美しい色合いを目でたのしみます。グラスを回しているあいだに、ブランデーの香りがグラスの内側にたまり、グラスの外側まで漂ってきます。

目と鼻で十分にたのしんだら、いよいよブランデーを口に含みます。豊かな味わいを舌で感じるのはもちろん、そのままゆっくり鼻から息を吐けば、ブランデーの濃厚で華やかな香りがより強く感じられるはず。これが、ブランデーを飲む至福の時といわれています。

ブランデーをストレートで飲む際に注意すべきは、量と温度です。グラスに注ぐ量は、30分程度で飲める量が目安。個人差もあるでしょうが、おおむね40~60ミリリットルが適量とされています。

おいしくいただくための適温は、冷やすのでも、温めるのでもなく、18~20度ほどの適温が基本。ブランデーを熟成する際の温度は、15~17度とやや低めなので、それよりやや高い室温のもとで、ブランデーの香りが際立つのだとか。
ちなみに、かつては手のひらでグラスを包み、体温で温めて飲むのがよいとされてきましたが、これはブランデーの質が低かった過去の話。現在のブランデーは品質が向上しており、温めるとアルコールが揮発して、せっかくの香りを損なってしまうことも。
適切な温度でたのしむために、グラスのステム(脚)を持って飲むのがおすすめです。

また、ブランデーはアルコールが強いお酒なので、ストレートで飲む際は、ウイスキーなどと同様に水や炭酸水などを「チェイサー」として合間に飲むことをおすすめします。チェイサーを飲むことで、飲みすぎや悪酔いを防ぐとともに、一杯ごとに舌をリセットして、より深く味と香りを堪能できます。

ブランデーの飲み方【ロック編】

ブランデーの飲み方【ロック編】

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ブランデーの飲み方はストレートが基本といわれることから、他の飲み方は“邪道”と決めつける人もいるようです。しかし、ブランデーはストレート以外の飲み方でも、ストレートとはまた違ったたのしみ方ができます。

その代表格がオンザロック。グラスに大きめの氷を入れて、その上からブランデーを注ぎ、グラスのなかでゆっくりと転がしながらたのしむ飲み方。冷たいお酒が好きだという人にはおすすめです。

オンザロックの魅力は、時間とともに変化する味わいをたのしめること。グラスに注いだ直後はストレートに近い状態で、ブランデー本来の香りと味わいがダイレクトに味わえます。
時間の経過とともに、少しずつ氷が溶け、ブランデーと混ざり合い、アルコール度数が低くなって飲みやすくなります。あわせて、色合いの変化もたのしめます。

また、オンザロックならではの魅力が、氷がグラスにあたる際の「カラン」と乾いた音。目と鼻と舌、そして耳もくわえて、まさに五感を駆使してたのしめる飲み方だといえるでしょう。

ブランデーの飲み方【水割り・ソーダ割り編】

ブランデーの飲み方【水割り・ソーダ割り編】

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ブランデーの飲み方のなかでも、初心者や、お酒に強くないという人におすすめなのが、水割りやソーダ割りです。

氷の入ったグラスにブランデーと水、あるいはソーダを適量注ぐ飲み方ですが、自分の好みで割合を変えて、最適な比率でたのしめるのが魅力です。
氷を入れずに、ブランデーと水を1対1で割る飲み方を「トワイスアップ」といいます。ウイスキーを飲む際は、このトワイスアップがもっとも味と香りを明確に感じられる飲み方といわれています。ブランデーの場合も、トワイスアップで飲めば、ストレートで飲むよりも香りが引き立つという声も。

トワイスアップを作るときの注意点は、常温のミネラルウォーターを使用すること。よく冷えた水は、ブランデーとなじむのに時間がかかってしまうからです。

一方、ソーダ割りで飲むと、飲みやすさはもちろん、はじける炭酸がブランデーのおいしさを引き立たせるため、とてもおいしくいただけます。先に初心者向けといいましたが、かつてのヨーロッパでは王侯貴族や知識人のあいだでメジャーな飲み方だったとか。

また、ブランデーをお湯で割る「ホットブランデー」も、カラダが温まるうえに、華やかな香りが広がるのをたのしめます。
季節やその時々の気分にあわせて、さまざまな飲み方をたのしんでください。

ブランデーの飲み方【カクテル編】

ブランデーの飲み方【カクテル編】

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ブランデーの飲み方には、各種の飲料と組み合わせるカクテルもあります。ブランデーを使ったカクテルには、数多くの種類がありますので、ここでは定番のものから、少し珍しいものまで紹介します。

【ニコラシカ】

ブランデーを使ったカクテルの定番といえるのが「ニコラシカ」。作り方は、グラスに注いだブランデーに、輪切りのレモンをのせてフタをして砂糖を盛るだけ。まるでブランデーをストレートで飲むかのようなカクテルです。
ポイントは、レモンを二つに折り曲げて、砂糖と一緒にかじりながら飲むこと。レモンの酸味と砂糖の甘さ、そしてブランデーの香りと味わいが一体となります。その意味では、口のなかで初めて完成するカクテルといえるでしょう。

【サイドカー】

「サイドカー」も「ニコラシカ」と並ぶポピュラーなブランデーベースのカクテル。飲み口が軽く、口当たりが優しいため、とくに女性に人気のカクテルです。
一般的なレシピは、ブランデー、ホワイトキュラソー、レモンジュースを2対1対1の割合でグラスに注ぎます。カットしたフルーツなどをグラスに飾ると、ぐっとオシャレ感が増します。

【ジャックローズ】

ブドウを原料としたブランデーではなく、リンゴを原料としたアップルブランデー(カルヴァドスなど)が入手できたときに、試してほしいカクテルが「ジャックローズ」です。
作り方は、アップルブランデーとライムジュースを3対1の割合で注ぎ、グレナデンシロップを数滴たらしてシェイクします。バラのような色合いが美しい、甘酸っぱい味わいのカクテルです。

【カフェ・ロワイヤル】

ナポレオンが好んで飲んだことでも有名なのが、ブランデーとコーヒーで作るカクテル「カフェ・ロワイヤル」。
コーヒーを注いだカップの上で、ブランデーを染み込ませた角砂糖をスプーンにのせ、火をつけます。
部屋を暗くすると、ブランデーに灯る青い炎がとても幻想的。美しい色合いとコーヒーの香りで癒やし効果も期待できるカクテルです。

ブランデーを用いたカクテルは、他にもさまざまな種類がありますので、ぜひ自分に合ったカクテルを探してみてください。

高級酒の代表格、ブランデー。格式高いと思われがちですが、たのしみ方もいろいろ。難しくとらえず、自分に合った飲み方を探してみると、お酒の幅が広がり、たのしみも増えるのではないでしょうか。

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