ウイスキーに賞味期限はない! 保管・保存方法から保管場所まで紹介

ウイスキーに賞味期限はない! 保管・保存方法から保管場所まで紹介
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ウイスキーには賞味期限がないため、保管・保存状態がよければ古いものでもおいしく飲むことができます。しかしそのためには温度変化やニオイ移りなど気をつけるべきことがいくつかあります。今回はウイスキーの保管(開封前)・保存(開封後)の原則や理想的な保管場所について紹介します。

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ウイスキーに賞味期限はない

ウイスキーに賞味期限はない

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ウイスキーの保管・保存場所を探す前に知っておきたいのが、ウイスキーの賞味期限です。「アルコール度数の高いお酒には賞味期限がない」なんて話も聞きますが、果たしてウイスキーの場合はどうでしょうか。

ウイスキーに代表される蒸溜酒には、基本的に賞味期限はありません。

そもそも蒸溜酒とは、醸造酒を加熱して出てきた蒸気を冷やし、液化したお酒のこと。もとの醸造酒よりもアルコール度数が高く、タンパク質や糖質など雑菌が繁殖する原因となる成分が含まれていないため、品質の劣化が起こりにくいのが特徴です。そのため、未開栓のウイスキーはもちろんですが、開封後(開栓後)のものも保存状態がよければ長期間品質を保つことができるのです。

ウイスキーの保管・保存の大原則

ウイスキーの保管・保存の大原則

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ウイスキーを保管・保存する際に気をつけるべきポイントは、「温度変化」「日光(紫外線)」「触れる空気」「ニオイ移り」の4つです。

温度変化に注意する

ウイスキーを保管・保存するうえで気を配りたいのが、適切な温度を維持すること。ウイスキーの劣化を防ぐためにも、直射日光が当たらない冷暗所に立てて置くのが基本です。
具体的には、室温15~20度前後、湿度70%程度が望ましい環境といわれています。

日光(紫外線)を避ける

ウイスキーを保管・保存する場合は、光の届かない場所を選ぶようにしましょう。日光(紫外線)だけでなく、強い電気の光もガラス瓶を通り抜けて酒質に影響を与えます。
ちなみに、ウイスキーの箱は光を遮断するようにできているので、箱のまま保管しても光を遮ることができます。アルミホイルなどでウイスキーのボトルを巻いてもよいですね。

空気に触れないように注意する

ウイスキーは酸素に触れるほど酸化しやすくなります。とくに、開封後のウイスキーの場合は、蓋のすき間から空気が入ることがあるため注意が必要です。
蓋部分がしっかり密閉されていないと空気が入り込むだけでなく、逆にアルコールが抜けて風味が飛んでしまうこともあります。とくにコルク栓の場合は要注意です。

ニオイ移りに注意する

香水や石けん類など強いニオイを発するものの近くでウイスキーを長期間保管・保存すると、ニオイが移ってせっかくの香りが損なわれることがあります。開封前はもちろんのこと、開封後はとくに気をつけたいものです。
開封後のワインや食品の保存に使用される不活性ガス「プライベートプリザーブ」や、コルクや蓋の上からぐるぐると巻きつける「パラフィルム」などを使用すると、開封後のウイスキーも保存性を高めることができます。

ウイスキーの保管・保存場所は?

ウイスキーの保管・保存場所は?

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ウイスキーを保管・保存するのに最適な場所は、食器棚や納戸、ワインセラーなどです。

食器棚・納戸

ウイスキーの保管・保存場所に悩んだら、キッチンにある扉つきの食器棚や納戸などがおすすめです。食器棚ならいつでも目が届くため、開栓後のウイスキーを保存する場合も飲み忘れを避けることができます。

ほかにも、床下収納や階段下スペースなどを活用する方法があります。暗所で高温になりにくい場所なら、ウイスキーの保管にぴったりです。ただし、階段下は窓の位置や家の構造によって、日が差し込んだり夏に熱がこもりやすかったりすることもあります。また床下収納は湿気が溜まりやすい点にも注意が必要です。

なお、床下や階段下など、日常的には開くことのない収納場所は、開封前のウイスキーの保管におすすめです。開封後のウイスキーを保存する場合は、そのまま何カ月も放置して飲み忘れることのないように気をつけましょう。

ワインセラー

ワインを保管するためのワインセラーも、ウイスキーの保管場所に適しています。ワインセラーは、ウイスキーの保管の大敵である日光(紫外線)と温度変化、ニオイ移りを避けることができるからです。

ただし、コルク栓を使ったウイスキーを保管する場合、ボトルを横に寝かせるタイプのワインセラーは不向きです。コルク栓を使ったウイスキーは、横にしたまま長期間保管するとコルクが劣化してウイスキーが蒸発したり漏れたりするおそれがあるため、立てて置くのが望ましいとされています。

ワインセラーは開封後のウイスキーの保存にも適していますが、スクリューキャップやコルク栓が緩んでいると風味を損なうおそれがあります。ワインセラーで保存するときは、スクリューキャップやコルク栓がしっかり締まっていることを確認してください。

冷蔵庫は要注意

光の届かない冷暗所と聞くと、冷蔵庫を思い浮かべる人も多いでしょう。しかし、ウイスキーの保管・保存場所として冷蔵庫を使うことはあまり推奨されていません。理由は、冷やしすぎるとせっかくの香りが失われ、本来の味わいを感じにくくなるというウイスキーの特性にあります。冷蔵庫の振動がウイスキーの酒質を変化させたり、食品のニオイが移ったりする可能性も否定できません。
ウイスキーは冷蔵庫には入れず、先述した方法で保管・保存するようにしましょう。

古いウイスキーは開封前(開栓前)でも要注意

古いウイスキーは開封前(開栓前)でも要注意

Irik Bik/ Shutterstock.com

古いウイスキーでも開封前のものならどんなウイスキーでもおいしくたのしめるというわけではありません。

古いウイスキーを飲む場合

「古いウイスキーや年代モノのヴィンテージボトルが、定価の何倍もの価格で取り引きされていた!」なんて話を聞いたことがある人もいるでしょう。しかし当然のことながら、「古いウイスキー=おいしいウイスキー」とはかぎりません。保管状態が悪ければ、酒質が劣化している可能性があります。
古いウイスキーを見つけた場合は「液面低下」と「特級表記」に注目してみましょう。

◇液面低下
コルクがウイスキーを吸収したり、水分が瓶の外に出てしまったりして液面が低下している状態のこと。未開封なのに液面低下している場合は、保管状態に問題があった可能性があります。

◇特級表記
古い酒税法(1953~1989年)では、アルコール度数43度以上のウイスキーを「特級」、40度以上43度未満を「一級」、39度以下を「二級」として3つに分類していました。特級表記があるということは、古くて約70年、若くても約30年ということになります。
古くても保管状態がよければおいしく味わえるので、まずは味わってみてください。新しいウイスキーにはない味わいに出会えるかもしれません。

コルクの劣化に注意

コルク栓が使われているウイスキーにも注意が必要です。ウイスキーのコルクは天然素材で作られたものです。未開栓でも室温が高いとコルクが劣化し、中のウイスキーも劣化してしまう可能性があります。

また開封前でも保管期間が長いと、場合によってはコルクのニオイがウイスキーに移ってしまうこともあります。ほかにもコルクの収縮によって瓶とコルクの間にすき間ができて中の酒が漏れたり、コルクがもろくなって開栓が難しくなったりすることもあるため、コルク栓を使った古いウイスキーは、早めに飲み切ってしまうか、密閉性の高いボトルに移し替えるとよいでしょう。

ウイスキーを長くたのしむためには、保管・保存方法に気をつけることが重要です。保存状態がよければ、開栓後も比較的長い期間安定した品質をたのしむことができます。保管・保存に適した環境を整えて、お気に入りのウイスキーをたのしみましょう。

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