ウイスキーを冷凍庫で冷やす魅力と注意点!氷点下のたのしみ方
ウイスキーを冷凍庫で冷やすとどう変わるのでしょうか?氷点下ウイスキーの魅力とたのしみ方を徹底解説。アルコール度数の高いウイスキーでも冷やすことで驚きの味わいに!冷やす際の注意点も詳しくご紹介します。
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冷凍庫で冷やすと変貌するウイスキーの味と香り
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ウイスキーを冷凍庫に入れて冷やすと、どんな変化があるか知っていますか?
ウイスキーは水と違って0度では凍りません。ウイスキーなどのお酒に含まれるアルコールそのものは、マイナス100度以下でないと凍らないので、アルコール度数の高いウイスキーほど凍りにくく、とろりとした触感に変わります。
また、冷たくなるだけでなく、香りやアルコールの刺激が弱くなって飲みやすくなります。暑い季節にはぴったりの飲み方となりますが、アルコール度数が高いことに変わりはないので、飲みすぎないよう注意しましょう。
冷凍庫で冷やすと、ウイスキーによっては色合いが変化することもあります。
ウイスキーは瓶詰めをする際に加水によってアルコール度数を調整しますが、そのとき香味成分が析出(せきしゅつ)し、濁りを生じやすくなります。そこでいったん5~0度くらいまで冷やしてからろ過する「チルフィルタード」という工程を行います。
しかし、ウイスキーによっては冷却ろ過をしていない銘柄もあり(たとえば「富士山麓」「イチローズモルト」など)、これを冷凍庫で冷やすと濁りが出てしまいます。ウイスキー独特の琥珀色をじっくりとたのしみたい人にはおすすめできません。
冷凍庫で生まれる氷点下の誘惑、フリージングハイボール
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冷凍庫で冷やしたウイスキーのたのしみ方の幅を広げる画期的なアイディアが「フリージングハイボール(氷点下ハイボール)」。氷点下まで冷やしたウイスキーに、よく冷えた炭酸水を加える飲み方です。
ハイボールに向いたウイスキーは、誰もが飲みやすい味にブレンドされた、ブレンデッドウイスキーがおすすめです。では、フリージングハイボールの作り方を紹介します。
あらかじめウイスキーをボトルごと冷凍庫へ入れましょう。アルコール度数40度以上のウイスキーは、家庭用の冷蔵庫では、ほとんど凍ることはありません。
キンキンに冷えたウイスキーを、できればダブルウォールマグなど保冷性の高い金属製のグラスへ注ぎ、よく冷えた炭酸水を加えます。
なお、炭酸水は間違っても冷凍庫で冷やしてはいけません。凍りついてしまい、解凍しても炭酸が抜けて使い物にならなくなります。
最後に大切なのはウイスキーとソーダの割合。ウイスキー1に対しソーダは3というのが黄金比だそうです。暑い日に、キンキンに冷えたハイボールをグイグイと飲む爽快感を味わってみては。
冷凍庫で凍らない? 40度のウイスキーはマイナス24度で凍る!
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ウイスキーを家庭用の冷凍庫へ入れても凍らないといいましたが、ウイスキーメーカーではおすすめをしていません。アルコール度数40度のウイスキーは、約マイナス24度で凍ります。それ以下の低温になる冷凍庫だと、凍結する際に中身が膨張して瓶が割れてしまうことがあるからです。
一般的な家庭用の冷凍庫の平均温度は、おおむねマイナス18度だといわれているので、冷気が直接当たる場所を避けるなど、保管方法に留意すれば、まず凍りつくことはありません。
ただし、業務用の冷凍庫ではマイナス20度から30度が一般的なので、瓶が割れる可能性が高くなります。入れないほうが賢明でしょう。
ウイスキーを冷凍庫で冷やしてたのしむ際は、アルコール度数40度以上を目安にしましょう。一度冷やしたウイスキーは、どうしても味が変わるので、冷凍専用にして使い切ることをおすすめします。
ウイスキーを冷凍庫に入れて、冷やして飲むのは“禁断の果実”かもしれません。アルコール度数が高くても、冷やすことでまろやかで飲みやすいウイスキーへと変貌します。一度味わったら止められなくなるかもしれませんが、飲みすぎにはくれぐれも注意しましょう。