ウイスキーコニサー資格認定試験でウイスキーのスペシャリストに!試験概要や難易度、合格率などを徹底解剖

ウイスキーコニサー資格認定試験でウイスキーのスペシャリストに!試験概要や難易度、合格率などを徹底解剖
出典 : ウイスキー文化研究所

「ウイスキーコニサー」とは、ウイスキーの知識や鑑定能力を問うウイスキー文化研究所主催の資格認定制度です。資格には3段階あり、上に進むほどウイスキーに関する高度な知識や鑑定能力が求められます。今回は、ウイスキーコニサーの概要や難易度、合格率などを紹介します。

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「ウイスキーコニサー(Whisky Connoisseur)」の資格保有者は、業界内で高い信頼を得られるため、バーテンダーさんなどお酒のプロも挑戦する資格として人気があります。ここでは、ウイスキーコニサーの概要をわかりやすく紹介していきます。

ウイスキーコニサー資格認定試験とは?

ウイスキーコニサー資格認定試験教本

出典:PR TIMES

「ウイスキーコニサー」という資格認定制度があるのを知っていますか? まずは概要からみていきましょう。

「ウイスキーコニサー」 とは?

「ウイスキーコニサー」は、ウイスキー評論家・土屋守氏が代表を務めるウイスキー文化研究所が主催する、日本で唯一のウイスキーの資格認定制度です。「コニサー(Connoisseur)」は、「鑑定家」を意味します。

ウイスキーコニサー資格認定試験では、ウイスキーの製造工程や歴史、産地の特徴、テイスティング技術など、ウイスキーに関する幅広い知識や鑑定能力が問われます。バーテンダーさんや酒類の流通・輸入・販売会社、飲食業に携わる人など、ウイスキーのプロフェッショナルに人気があり、仕事に活かせる資格として活用されています。またウイスキー愛好家にとっても、より深くウイスキーを理解し、その魅力をたのしむための有意義な資格となっています。

ウイスキーコニサーとウイスキー検定の違いは?

ウイスキー検定過去問題集

画像提供:ウイスキー文化研究所

ウイスキーコニサーは、資格認定制度のこと。その資格認定試験と同じく、土屋守氏がスタートに関わった試験に「ウイスキー検定」があります。ウイスキー検定は、一般社団法人ウイスキー検定実行委員会が主催、代表理事の土屋守氏が監修、ウイスキー文化研究所が運営する、ウイスキーの検定試験です。ウイスキー全般の一般的な知識習得を目的としたもので、ウイスキーに興味を持つあらゆる人が気軽に挑戦できます。

ウイスキー検定は初心者レベルから上級者レベルまであり、シングルモルトウイスキー級など、ある分野に特化した特別級も設けられています。世界のウイスキーを対象に、歴史や原料、製法から飲み方、ウイスキーにまつわるうんちくまでと、幅広い知識が問われるのが特徴です。

うんちくも問われるウイスキー検定

78create / PIXTA(ピクスタ)

「ウイスキーコニサー資格認定試験」と「ウイスキー検定」の違いを、目的や難易度、対象者、試験の種類、試験形式別に比較してみましょう。

<ウイスキーコニサー資格認定試験>
◇目的:ウイスキー文化の普及・発展に貢献するスペシャリストの育成
◇難易度:初級レベルから高難度のプロ向けまで
◇対象者:バーテンダーや酒類販売業者など酒類のプロ、一般のウイスキー愛好家など
◇試験の種類:ウイスキーエキスパート(WE)、ウイスキープロフェッショナル(WP)、マスター・オブ・ウイスキー(MW)の3段階
◇試験形式:筆記試験、官能試験(WP〜)、論文・口頭試問(MW〜)

<ウイスキー検定>
◇目的:ウイスキーをもっと知り、もっとたのしむ
◇難易度:初級から上級まで
◇対象者:一般のウイスキー愛好家
◇試験の種類:3級、2級、1級、特別級(6種類)
◇試験形式: 選択式の筆記試験が中心

ウイスキーを仕事に活かしたい人や、より専門的に学びたい人は「ウイスキーコニサー資格認定試験」、趣味としてウイスキーの知識を深めたい人は「ウイスキー検定」を選ぶとよいでしょう。

3種類の試験概要を確認しよう!

ウイスキーコニサー試験の様子

出典:PR TIMES

ウイスキーコニサー資格認定試験は3段階に分かれていて、「ウイスキーエキスパート試験」から始まり、「ウイスキープロフェッショナル試験」、「マスター・オブ・ウイスキー試験」と段階を踏んで取得していきます。

ウイスキーエキスパート(WE)|基礎〜中級レベル

ウイスキーコニサー資格認定試験の第一段階が「ウイスキーエキスパート」。試験は、択一形式の筆記試験が中心で、世界5大ウイスキーの基礎知識や製法、歴史などの知識が問われます。

<おもな要件>
◇受験資格:20歳以上、職種経験不問
◇試験日程:5月下旬
◇試験方法:筆記試験(90分/選択式100問予定)
◇受験料金:ウイスキー文化研究所会員18,700円、一般22,000円(ともに税込)

ウイスキーエキスパート試験合格後に資格認定料11,000円(税込)を支払うことで、認定証および認定バッジが付与されます。

認定証と認定バッジ

出典:PR TIMES

ウイスキープロフェッショナル(WP)|上級レベル

「ウイスキープロフェッショナル」は、ウイスキーエキスパートの資格保有者が受験できる資格認定試験です。記述を含む筆記試験と、官能試験(ブラインドテイスティング)が実施されます。

<おもな要件>
◇受験資格:20歳以上、ウイスキーエキスパート(WE)保有者
◇試験日程:10月下旬
◇試験方法:内容は筆記試験(90分)+官能試験(60分)
◇試験料金:ウイスキー文化研究所会員24,200円、一般27,500円(ともに税込)

ウイスキーエキスパート試験合格後に、資格認定料11,000円(税込)を支払うことで、認定証および認定バッジが付与されます。

画像提供:ウイスキー文化研究所

マスター・オブ・ウイスキー(MW)|最難関レベル

「マスター・オブ・ウイスキー」は、ウイスキープロフェッショナルの資格保有者が受験できる最難関レベルの資格です。一次試験の論文、二次試験の筆記、官能試験、口頭試問を突破するには、ウイスキーのすべてを熟知している必要があります。

<一次試験のおもな要件>
◇受験資格:20歳以上、ウイスキー文化研究所会員かつウイスキープロフェッショナル(WP)保有者
◇試験日程:11月~
◇試験方法:論文試験
◇試験料金:16,500円(税込)

<二次試験のおもな要件>
◇受験資格:マスター・オブ・ウイスキー一次試験合格者、または前年度のマスター・オブ・ウイスキー一次試験合格者
◇試験日程:2月下旬
◇試験方法:記述式筆記試験+官能試験+口頭試問
◇試験料金:18,700円(税込)

二次試験合格者は、資格認定料を支払う必要があります。

マスター・オブ・ウイスキーの合格率は17%

Pressmaster / Shutterstock.com

最難関「マスター・オブ・ウイスキー」の合格率は? ほかのレベルは?

「ウイスキーコニサー」の公式データによると、2010~2024年度の「マスター・オブ・ウイスキー」の合格率は17%。これまで114人が受験して、一次通過者74人のうち19人が合格しています。年代別では40代がもっとも多く、合格者は12人となっています。

ほか2つの平均点、合格率もみていきます。
第1段階の「ウイスキーエキスパート」では、2004~2024年の合格者の平均点は63.7点。受験者数のべ6,813人に対する合格率は50.3%で、これまで3,459人が合格しています。合格者の年代の内訳をみると、20~30代がボリュームゾーンとなっています。

第2段階の「ウイスキープロフェッショナル」では、2007~2024年の筆記試験の平均は58.0点、官能試験の平均は45.8点。受験者数のべ1,565人に対する合格率は44.2%で、これまで691人が合格しています。合格者は30~40代が多くなっています。

ウイスキーコニサーのテイスティング試験はどんなもの?

ウイスキープロフェッショナル官能試験の様子

出典:PR TIMES

ブラインドテイスティング=官能試験は、「ウイスキープロフェッショナル」と「マスター・オブ・ウイスキー」の受験者に対して実施されます。

「ウイスキープロフェッショナル」では、選択・記述式の問題が出題されます。過去の出題例を挙げると、初年度2007年の官能試験では、「グレンモーレンジィ10年」「ジョニーウォーカー ブラックラベル」「ラフロイグ 10年」「メーカーズマーク」が出題されました。内訳をみると、スコッチウイスキー3種類と、バーボンウイスキー1種類となっています。

2024年の官能試験では、「シーバスリーガル 12年」「シングルモルト宮城峡」「バッファロートレース」「ボウモア 12年」が出題されました。こちらはスコッチウイスキー2種類とバーボンウイスキー1種類、ジャパニーズウイスキー1種類の構成でした。


最難関の「マスター・オブ・ウイスキー」の官能試験では、その場で3種類のウイスキーをテイスティングして、30分以内に回答しなければなりません。銘柄名を当てることよりも、色やアロマ、フレーバーなど、どのようなウイスキーかを自分の言葉で伝えられるかが重要だそうで、より高度なテイスティング技術と表現力が求められます。

ウイスキーコニサーに年会費はある?

ウイスキーコニサークラブ

出典:ウイスキーコニサーサイト

ウイスキーコニサー試験のウイスキーエキスパート、ウイスキープロフェッショナルの受験にあたって、年会費を支払う必要はありません。ただし、ウイスキー文化研究所の会員登録をしていると受験料の割引があります。

また、ウイスキー文化研究所の会員とは別に、ウイスキーコニサー試験合格者だけが加入できる『ウイスキーコニサークラブ』という会員制度もあります。

ウイスキーコニサー資格認定試験に合格して、年会費6,600円(税込)を支払えば、「ウイスキーコニサークラブ(WCC)」に入会できます。ウイスキーコニサークラブ(通称コニサークラブ)は、ウイスキー文化のさらなる普及をめざして2023年に発足しました。

会員特典として、会報誌『ウイスキーコニサー倶楽部(年4回発行)』やウイスキーフェスティバル招待券、限定ツアーやセミナー、イベント、会員限定のオリジナルボトルの頒布などが用意されています。

会報誌には、コニサー試験について書かれていることがあるので、受験者は一読しておくと参考になりそうです。

なお、会員向けのオリジナルボトルは、一般販売されることもあります。本来は会員しか飲めない特別な味わいをたのしみたい人は、チェックしてみてはいかがでしょう。

「ウイスキーコニサー資格認定試験」は、バーテンダーさんなどのプロも挑戦する試験で、「ウイスキーエキスパート」「ウイスキープロフェッショナル」「マスター・オブ・ウイスキー」と段階が進むほど難度が高くなります。一般の人が趣味の範囲で受験するなら、ウイスキー検定から始めるのがおすすめです。

※この記事で紹介した価格はすべて2025年4月現在のものです。

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