「ラフロイグ」はアイラモルトを代表する逸品

「ラフロイグ」はアイラモルトを代表する逸品
出典 : Pecold / Shutterstock.com

「ラフロイグ」は、スコッチウイスキーの6大生産地のひとつ、アイラ島を代表する銘柄です。スモーキーなピート香や磯の香りなど、アイラらしさを強烈に感じさせることから“アイラの王”と称されるラフロイグの魅力を紹介します。

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「ラフロイグ」を生んだスコッチウイスキーの聖地、アイラ島

「ラフロイグ」を生んだスコッチウイスキーの聖地、アイラ島

Kevin Wells Photography/ Shutterstock.com

「ラフロイグ」を生んだアイラ島は、世界5大ウイスキーのなかでも、“ウイスキーの代名詞”といわれるスコッチウイスキーの産地のなかでも特異な地位を占めています。

スコッチウイスキーの故郷、スコットランドは、北海道と変わらないほどの面積ながら、地域ごとに自然環境が大きく異なります。
このため、「ハイランド」「ローランド」「スペイサイド」「キャンベルタウン」「アイランズ」「アイラ」と、生産地ごとに異なる個性のウイスキーが造られています。

その一角を占めるアイラ島は、インナーヘブリディーズ諸島の最南端に位置する小さな島。同じくスコットランド北西にあるオークニー諸島やスカイ島などは、「アイランズ」とまとめられているにもかかわらず、アイラ島だけが独立した分類とされているのは、それだけ強烈な個性をもっているからです。

アイラ島で造られるウイスキーの最大の特徴が、強烈なスモーキー香。これは、原料となるモルトを乾燥させる際に、島の約4分の1を覆う湿原から切り出したピート(泥炭)で焚きしめているからです。加えて、荒々しい海から漂う潮や海藻の香りが、熟成中のウイスキーにヨード香をもたらします。
このように、アイラモルトにはアイラ島ならではの風土がみごとに反映されており、他の地域のウイスキーにはない強烈な個性となっているのです。

「ラフロイグ」の故郷は「広い入り江の美しい窪地」

「ラフロイグ」の故郷は「広い入り江の美しい窪地」

出典:サントリーサイト

「ラフロイグ」の造り手である「ラフロイグ蒸溜所」は、アイラ島にある9つの蒸溜所(※)のひとつ。面積は日本の淡路島ほど、人口は3,500人にも満たない小さな島に、9つもの蒸溜所があるというだけでも驚きですが、そのラインナップも強烈です。
ラフロイグを筆頭に、アードベッグ、ボウモア、ブルックラディ、ラガヴーリン、ブナハーブン、カリラ、キルホーマンと、いずれもウイスキー好きにはたまらないビッグネームばかり。アイラ島が“ウイスキーの聖地”と呼ばれるのも納得するというものです。

※2018年末に、9番目の蒸溜所として「アードナッホー蒸溜所」が操業を開始しました。樽詰めから3年以上経たないと出荷できないため、市場に出るのは2022年頃になりそうです。

ラフロイグ蒸溜所は、この島の南岸部に位置しています。「ラフロイグ」という言葉は、もともと“広い入り江の美しい窪地”を意味するゲール語で、その名のとおり、風光明媚さではスコットランドの数ある蒸溜所のなかでもトップクラスといわれています。
この地にラフロイグ蒸溜所が誕生したのは、1815年のこと。今から約200年の昔であり、世界史的にはナポレオン戦争が終結した年、日本はまだ江戸時代の後期です。

「ラフロイグ」といえば、今でこそシングルモルトの逸品として知られていますが、19世紀後半からは、スコッチのブレンデッドウイスキーを構成する重要なピースのひとつとして重用されていました。アイラモルトの力強いフレーバーは、ブレンデッドウイスキーの特徴づけに、あるいは隠し味として、一流ブレンダーにとって欠かすことのできない要素だったのです。

その後、20世紀を迎えると、海を越えてアメリカで人気を博すようになります。当時のアメリカは禁酒法時代のまっただなかでしたが、ラフロイグの強烈なピートとヨードの香りから、薬用効果があると認められ「薬用酒」として輸出されていたのです。

20世紀後半になって、蒸溜所ごとの個性を競い合うシングルモルトの時代を迎えると、アイラモルトの強烈な個性は世界中のウイスキーファンに歓迎されます。
なかでもラフロイグはその独特の香りから、“スモーキーアイラ”の象徴として、「惚れ込むか、大嫌いになるかのどちらか」と評されるほどの特異な存在感を発揮しているのです。

「ラフロイグ」が“アイラの王”と称される理由

「ラフロイグ」が“アイラの王”と称される理由

出典:サントリーサイト

「ラフロイグ」は、ウイスキーマニアの間では“アイラの王”と呼ばれるほど、アイラモルトを特徴づける要素を強固に備えています。

アイラ島の象徴であるピートに由来するスモーキーなフレーバー。海を感じさせる強烈なヨード香。濃厚でオイリーな味わいと、やや塩辛いドライな後味。ウイスキーマニアをして「これぞアイラ! 」といわしめる味わいは、“アイラの王”と呼ぶにふさわしいものがあります。

加えて、シングルモルトウイスキーとしては初めて、英国の「ロイヤルワラント(王室御用達)」の認定を受けたという栄誉も、その愛称を裏づけています。
一口に王室御用達といいますが、その決定権をもつのは、エリザベスⅡ世女王、エジンバラ公、そしてプリンス・オブ・ウェールズであるチャールズ皇太子の3方です。
ラフロイグは、1994年にプリンス・オブ・ウェールズ御用達の認定を受け、蒸溜所の外壁には、その証として“平和の楯”と呼ばれるプリンス・オブ・ウェールズの紋章が飾られています。

「ラフロイグ」の魅力を支えるこだわりの製造法

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