「フィンラガン」はアイラの謎多きシングルモルトウイスキー! 特徴や種類、味わい、飲み方を紹介

「フィンラガン」はアイラの謎多きシングルモルトウイスキー! 特徴や種類、味わい、飲み方を紹介
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「フィンラガン」は、アイラモルトを使用したシングルモルトウイスキー。蒸溜所名が明かされていないシークレットボトルですが、アイラモルトの味わいを手ごろな価格でたのしめることから、ウイスキーファンに支持されています。今回は、「フィンラガン」の特徴や種類、味わい、飲み方などについて紹介します。

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スコットランドのボトラーズブランド、「フィンラガン」の魅力を深掘りします。

「フィンラガン(Finlaggan)」とは?

フィンラガンとは

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アイラモルトを使用した「フィンラガン」の概要をみていきます。

「フィンラガン」は蒸溜所非公開のボトラーズブランド

「フィンラガン」とは、世界30カ国以上で販売されている人気ボトラーズブランド。スコットランドのアイラ島で造られているシングルモルトウイスキーですが、どの蒸溜所で生産されているかは公開されていません。

「フィンラガン」のボトルラベルには、「ISLAY SINGLE MALT SCOTCH WHISKY」とだけ表記されています。つまり、アイラ島で操業している蒸溜所の、いずれかの原酒が使われていることを意味します。

「フィンラガン」を販売するのは、スコットランドを代表する独立系ボトラー、ザ・ヴィンテージ・モルト・ウイスキー・カンパニー(The Vintage Malt Whisky Company)。同社は、1992年に元ボウモア蒸溜所のゼネラルマネージャー、ブライアン・クルック(Brian Crook)氏によってグラスゴーで設立されました。「フィンラガン」のほか、「アイリーク(イーラッハ/The Ileach)」や、傘下のジェームス・アンド・サンズ・カンパニーが手がける「アイラストーム(Islay Storm)」などのシークレットボトルも有名で、モルトマニアに注目されています。

ポートアスケイグにあるカリラ蒸溜所

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「フィンラガン」はアイラ特有のピーティーな香味が魅力のスコッチウイスキー

「フィンラガン」には、アイラモルトが使用されているため、ピーティーでスモーキーな風味が特徴です。

アイラモルトがピーティースモーキーなのは、アイラ島のピート(泥炭)で乾燥させたピーテッドモルトを使用しているから。アイラ島は、その約4分の1がピートの湿原に覆われた島で、ピートには潮風で運ばれた海藻が含まれています。そのため、アイラモルトからは潮っぽさや海藻の香り(ヨード臭)も感じられます。

「フィンラガン」でも、そうしたアイラモルトらしい強烈な個性をたのしめるため、とくにアイラモルト好きにはたまらないブランドとして支持されています。

「フィンラガン」はコスパのよさも魅力

「フィンラガン」は、コスパがよいウイスキーで、アイラモルトの魅力を手軽に味わえるのもファンに支持される理由のひとつです。比較的手ごろな価格で、アイラ特有の強烈なピート香やヨード香、スモーキーな香りに加え、オイリーでモルティー、どっしりとした風味を存分にたのしめます。

アイラモルトはクセが強く、好みがわかれますが、世界中に熱狂的なファンが存在します。まだ飲んだことがない人は、「一度飲んだら忘れられない」と評されるアイラモルトの味わいを、「フィンラガン」で試してみてはいかがでしょう。

「フィンラガン」などシークレットボトルの醍醐味

フィンラガンなどシークレットボトルの醍醐味

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「フィンラガン」は、アイラモルトを使用していること以外は、蒸溜所名も製法も明かされていません。ウイスキー通の間では、「どのアイラモルトが使われているのか」とよく話題にのぼり、議論がたのしまれているおなじみのブランドです。

一部で、「カリラでは?」と噂されていますが、真偽のほどは不明です。ちなみに、「カリラ」説が有力視されているのは、味わいもさることながら、その名前も関係しています。「フィンラガン」の名は、かつてアイラ島に実在したフィンラガン城に由来します。その跡地からほど近い場所に、カリラ蒸溜所があるのです。「カリラ」やほかのアイラ系ボトルと飲み比べて、答え合わせをしたくなりますね。

なお、「フィンラガン」のような、アイラ系のシークレットボトルはほかにも存在します。前述した「アイリーク」や「アイラストーム」、スペシャリティドリンクス社の「ポートアスケイグ」、エリクサーディスティラーズ社の「エレメンツオブアイラ」などがそれにあたり、いずれもボトラーが手がけています。

このほか、日本でも酒販店さんが手がけたものや、テレビ番組と雑誌がコラボした商品などもあり、話題となっています。

シークレットボトルの醍醐味は、自身の味覚を頼りに、ときには「ああでもないこうでもない」と意見を交わしながら、蒸溜所を探り当てることにあります。蒸溜所名が明かされないことで、固定観念に縛られず、飲む人が味わいや香りを純粋にたのしめるのも大きな魅力かもしれませんね。

「フィンラガン」のおもな種類

フィンラガンのおもな種類

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「フィンラガン」には多彩な種類があり、どのボトルもアイラ特有の強烈なピート香やヨード香をまとっています。

「フィンラガン オールドリザーブ」はスモーキーな香りが印象的で、バランスのとれた味わいが魅力。「フィンラガン カスクストレングス」は、アルコール度数58%でありながら飲みやすく、凝縮された旨味をたのしめます。「フィンラガン オリジナルピーティー」は、ほどよくピーティーで穏やかな味わいの1本です。

以下で詳しくみていきましょう。

フィンラガン オールドリザーブ|スモーキーでドライ、なめらかな口当たり

「フィンラガン オールドリザーブ」は、ブランドのなかでもスタンダードな1本。ドライで強烈なスモーキーさと潮風のような風味、オイリーな味わいが特徴で、アイラモルトらしい個性をたのしめます。香りのインパクトは強めですが、飲み口はマイルドでなめらか。バランスのとれた味わいが魅力です。

アイラモルトを手ごろな価格でたのしめる、コスパに優れたシングルモルトウイスキーです。

フィンラガンはアイラモルト

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フィンラガン カスクストレングス|凝縮された旨味、フルーティーな味わい

「フィンラガン カスクストレングス」は、加水調整せず、樽出しそのままの原酒をボトリングしたウイスキー。アルコール度数は58%と高いものの、アルコールの刺激はそれほど強く感じられず、飲みやすい印象です。フルーティーな甘味と凝縮された力強い味わいを、じっくり堪能できます。

フィンラガン オリジナルピーティー|ほどよいピーティーさと塩辛さ

「フィンラガン オリジナルピーティー」は、ほどよくピーティーで塩辛さを感じる、穏やかな味わいのシングルモルトウイスキーです。もちろん中身は不詳ですが、「カリラの味わいに、より近い印象を受ける」という人もいます。

「フィンラガン オールドリザーブ」よりも少し安めなので、さらにコスパのよさを感じられる1本です。

「フィンラガン」のおすすめの飲み方

フィンラガンのおすすめの飲み方

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「フィンラガン」は、ストレートや少量の加水、ロック、トワイスアップ、ハイボールなど、幅広い飲み方に合うウイスキーです。

「どの蒸溜所のウイスキーが使われているのか」と想像しながら飲むなら、味わいを捉えやすいストレートが最適です。

「フィンラガン」は加水しても味わいが崩れにくいので、ハイボールのほか、トワイスアップや水割りなどでも魅力を存分に堪能できます。また、少量の加水により甘味が強く感じられるようになるため、ストレートで飲むときにスプーンやスポイトなどで少しずつ水を加えて、風味の変化をたのしんでみてはいかがでしょう。

なお、ストレートで飲むときは、ミネラルウォーターなどのチェイサーを用意して、交互に飲むのがおすすめです。とくに、「フィンラガン カスクストレングス」はアルコール度数が高いため、できるだけゆっくり飲むことを意識してくださいね。

「フィンラガン」は蒸溜所名が公開されていない、アイラ産のウイスキーブランド。スモーキーなアイラモルトが好きな人はもちろん、まだ飲んだことがない人も、比較的手ごろな価格でたのしめる「フィンラガン」をぜひ試してみてください。

製造元:The Vintage Malt Whisky Company
公式サイトはこちら(英語)

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