ウイスキー検定ってどんな試験? 受験資格や試験内容、申込方法、過去問の例までを解説

ウイスキー検定ってどんな試験? 受験資格や試験内容、申込方法、過去問の例までを解説
出典 : Alexey Lysenko/ Shutterstock.com

ウイスキー検定は、ウイスキーの歴史や製法、おいしい飲み方など、ウイスキーにまつわる知識を深めるための検定試験です。初心者・上級者問わず、誰でも挑戦できます。今回は、ウイスキーをもっとたのしみたいと考えている人に向け、ウイスキー検定の概要などを紹介します。

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ウイスキー検定とは? どんな種類がある?

ウイスキー検定とは? どんな種類がある?

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ウイスキー検定とは?

ウイスキー検定とは、ウイスキーに親しみ、日常的に味わっている人に、もっとウイスキーをたのしむための知識を身につけてもらうことを目的にスタートした検定試験です。

ウイスキーの歴史や原料、製造方法、飲み方、さらにはウイスキーに関する雑学まで、幅広い知識が問われますが、学んでいくうちにウイスキーの奥深い世界へ誘われることから、多くのウイスキー好きの間で注目を集めています。

受験のチャンスは2月と9月の年2回。なお、2021年2月に開催された第12回ウイスキー検定は、難易度の高い級は東京・大阪の会場試験、2級、3級は在宅試験として実施されました。

ウイスキー検定を運営するウイスキー文化研究所とは?

ウイスキー検定を運営しているのは、作家・ウイスキー評論家などの肩書きを持つ土屋守氏が代表を務めるウイスキー文化研究所です。2001年3月に「スコッチ文化研究所」の名で発足した同研究所は会員制の愛好家団体で、世界のウイスキーとその文化を学ぶべく、研究や情報の収集を行っています。

ウイスキー文化の普及にも意欲的で、情報発信のほか、初心者からマニアまで幅広い層に門戸が開かれたウイスキー検定や、より専門的な知識を必要とするウイスキーコニサー資格認定試験の運営も行っています。

ウイスキー検定には7つの級がある

ウイスキー検定には、3級から1級までの総合的な3つの級と、シングルモルトウイスキーやバーボンなど、特定分野に特化した知識が求められる4つの特別級があります。

【総合的な級】

◇3級(難易度:★☆☆)
ウイスキーが好きで、ウイスキーの基礎知識を身につけた人なら誰でも挑戦できる初心者向けの級。100問中60問以上正解で合格となります。

◇2級(難易度:★★☆)
ウイスキーの文化や歴史、製造方法を理解している人を対象とした級。100問中70問以上正解する必要があります。

◇1級(難易度:★★★)
ウイスキーの文化や歴史、製法にまつわる知識に加え、時事問題に対する深い知識が問われる最上位の級。100問中80問以上正解が合格ラインです。

【特別級】

◇IW級(★★☆)
IWとはアイリッシュウイスキーの略。アイリッシュウイスキーの文化や歴史、製法や時事問題に関する知識が問われます。

◇BW級(★★☆)
BWとはバーボンウイスキーの略。バーボンの文化や歴史、製法や時事問題に対する理解が求められる中級レベルです。

◇SM級(★★★)
SMはシングルモルトウイスキーの略。シングルモルトウイスキーの文化や歴史、製法にまつわる深い知識が必要になります。初段、二段、三段、師範の4段階認定。

◇JW級(★★★)
JWはジャパニーズウイスキーの略。ジャパニーズウイスキーの文化や歴史、製法に関する深い理解が求められます。初段、二段、三段、師範の4段階認定。

ウイスキー検定の受験資格を知っておこう

ウイスキー検定の受験資格を知っておこう

Alexandru Nika/ Shutterstock.com

ウイスキー検定の受験資格

ウイスキー検定は、ウイスキーに興味がある20歳以上の人なら初心者からマニア層まで誰でも受けられる検定試験です。

7つの級は段階的に受ける必要はなく、実施時間が重複していなければ1度に最大3つの級を受験することも可能。受験料が10%オフになる割引制度もあるので、チャレンジしない手はありません。

ただし1級を受験する場合は、同検定2級またはウイスキーコニサー資格認定試験に合格していることが条件となります。

ウイスキー検定の合格者特典

ウイスキー検定に合格すると、合格認定書が無料贈呈されるほか、合格認定カードや合格認定名刺、合格認定バッジ、テイスティンググラス、オリジナルボトルなどの限定グッズを有料特典として入手することが可能になります。

また、ウイスキー文化研究所の代表で国内屈指のウイスキー通、土屋守氏と行く国内の蒸溜所見学ツアーは見逃せない企画です。※2021年3月現在、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、ツアーの再開は未定となっています。

ウイスキー検定を受験するには

ウイスキー検定を受験するには

Brian Goodman/ Shutterstock.com

ウイスキー検定の申込方法

ウイスキー検定の申込は、申込開始から締切までの期間中のみ、インターネットの公式サイトより行うことができます。まずはトップページ下部にある「実施概要」を熟読のうえ、「お申し込みはコチラ」をクリック。受験したい級を選択(複数選択可)し、決済に進みましょう。

申込開始は実施日の約3か月半前。申込可能期間は2か月半程度です。銀行振込とクレジット決済で締切日が異なるので、事前のチェックは必須です。

ウイスキー検定
公式サイトはこちら


なお、今後の予定については、公式Twitterや公式Facebookでも告知しているので、いずれかをフォローしておくと安心ですね。

ウイスキー検定 公式Facebook

ウイスキー検定 公式Twitter

7つのうちどの級を受験したらよい?

ウイスキー検定は誰もが気軽に受けられる検定試験です。ウイスキーの定義など基礎知識が身についてきたら、まずはテキストのスコッチを中心に出題される3級にチャレンジしてみてはいかがでしょう。

3級を飛ばして2級からスタートすることも可能ですが、2級には5大ウイスキーの知識も必要。自信が持てない場合は3級と2級の併願も視野に取り組むとよいでしょう。

また、特定分野の知識を深めたい人は、特別級から受験するのも手です。

なお、同時に受けられる級の組み合わせは実施回により異なりますが、余力があれば割引制度を利用した併願受験がおすすめです。

ウイスキー検定の勉強方法と過去問の例

ウイスキー検定の勉強方法と過去問の例

Billion Photos/ Shutterstock.com

ウイスキー検定の勉強に必要なもの

ウイスキー検定のテキストには、3~1級、特別級の受験に必要な知識を網羅した、土屋守氏監修の公式テキスト『新版・ウイスキー検定公式テキスト』(小学館)が用意されています。ウイスキーの定義や原料、製造方法といった基本情報から、世界5大ウイスキーの歴史、蒸溜所情報まで、試験対策に不可欠な情報をわかりやすく紹介しているほか、雑学やコラムも多数収録した、受験者必携の一冊です。

公式テキストで一通りの知識を身につけたら、『ウイスキー検定 公式問題集』(ウイスキー文化研究所)で過去問にチャレンジ。こちらは1級・2級・3級・SM級・JW級の各級に分かれているので、お目当てを入手するとよいでしょう。

土屋守氏の著書や、ウイスキー文化研究所が発行するウイスキー専門誌『ウイスキーガロア』なども大いに役立ちます。

ウイスキー検定の過去問の一例

ウイスキー検定で出題された過去問題の一例を紹介します。

【ウイスキー検定過去問:3級】
問題1:樽から出したアルコール度数のまま、加水を一切せずボトリングしたウイスキーは何と呼ばれるか。
(1)バレルエントリー
(2)ニート
(3)カスクストレングス
(4)フォアショッツ

【ウイスキー検定過去問:2級】
問題2:次の中で「世界5大ウイスキー」に入っていないものはどれか。
(1)ロバートブラウン
(2)タラモアデュー
(3)ジョージディッケル
(4)バグパイパー

【ウイスキー検定過去問:1級】
問題3:蒸留所と、そこが出しているブランド(製品)の組み合わせで間違っているものはどれか。
(1)グレンモーレンジィ ― キンタルバン
(2)ザ・グレンリベット ― ナデューラ
(3)タラモア ― ライターズティアーズ
(4)ジムビーム ― ノブクリーク
(5)ギムリ ― クラウンローヤル


正解/問1:(3)カスクストレングス 問3:(4)バグパイパー 問5:(3)タラモア ― ライターズティアーズ

ウイスキー検定 練習問題

ウイスキー検定の次に挑戦したい検定試験

ウイスキー検定の次に挑戦したい検定試験

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ウイスキーコニサー資格認定試験

ウイスキー検定のお目当ての級にいくつか合格したあとは、ワンランク上のウイスキーコニサー資格認定試験に挑戦したいもの。

ウイスキーコニサーは、前述したとおり、ウイスキー文化研究所主宰の資格認定制度です。「コニサー=鑑定家」の名が表すように、ウイスキーにまつわるあらゆる知識と鑑定能力が問われるワンランク上のライセンスとなっています。

ウイスキーコニサーには、「ウイスキーエキスパート」「ウイスキープロフェッショナル」「マスター・オブ・ウイスキー」の3つの段階があり、第一段階から順に取得する必要があります。

最高位の「マスター・オブ・ウイスキー」は、筆記試験のほかに論文審査や口頭試問、官能試験をクリアしたごく一握りの猛者だけが手に入れられる称号です。一度の試験で0~2名しか合格できない狭き門として知られています。

ウイスキーコニサー資格認定試験
公式サイトはこちら

ウイスキー検定に挑戦することで、ウイスキーに関する知識が磨かれると同時に、より深い世界観に触れられることでしょう。ウイスキーをもっとたのしむために、受験を検討してみるのもよさそうですね。

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