定番ビール?クラフトビール?あなたはどっち派

- 更新日:
日本人に愛され続ける国民的酒「ビール」
いつの季節も人々に親しまれているビール。「とりあえず、ビール」と思わず言ってしまうくらい日本人はビール好きと言えます。
国別ビール消費量でも、第7位(「キリンビール大学」レポート2015年 世界主要国のビール消費量より)と健闘しています。
ビールが文献に登場するのは、1724年、八代将軍徳川吉宗の時代、阿蘭陀(オランダ)通訳が刊行した「阿蘭陀問答」に記述があるそうです。実際のビールが入ってきたのは、西洋との交流が始まってからのことです。
現在では、主要ビール会社のビールの販路拡大とともに、いつでも、日本人好みの爽やかで冷たいビールを飲むことができるようになりました。
また、1994年には、ビールの製造免許の年間最低製造数量の緩和により、小さなブルワリーが日本各地に誕生。各地で特色のある地ビールをたのしむことができるようになりました。ですが、一時期、ブルワリーの乱立とともにクオリティの低いビールも販売され、地ビールブームは失速してしまいます。
しかし、その後、おいしさを真剣に追及したブルワーたちの努力によって、現在はクラフトビールの人気が高まり日本のビール市場も盛り上がってきています。
日本のおもなビールブランド
「ビールならなんでもOK」「好きなビールブランドがある」「この銘柄でないと飲まない」などビール好きもさまざま。
まずは、日本のビール人気を支えている現在の主要ビール会社と銘柄を紹介します。
◆キリンビール/
明治から現在まで一度も名前を変更していない老舗。ラガーのラベルデザインも120年間大きく変わっていないなど老舗のこだわりが見えます。
主な銘柄:キリンラガービール、キリン一番搾り生ビール
◆サッポロビール/
1877年開拓使のシンボルである北極星のマークを配した「札幌ビール」を発売。戦後は生ビールの味わいを瓶詰めする製法を開発。
それが、現在の「黒ラベル」へとつながっています。
主な銘柄:サッポロ生ビール黒ラベル、ヱビスビール
◆アサヒビール/
1987年に、日本初といわれる辛口ビール、スーパードライを発売。業界空前のヒット商品になりました。
主な銘柄:アサヒスーパードライ
◆サントリー/
洋酒メーカーでしたが、戦後、ビール市場に参入。今やプレミアムビール売上高ナンバーワンに(業界動向サーチビール業界売上ランキングより2015~2016)!
主な銘柄:ザ・プレミアム・モルツ
それぞれの会社の人気ビールを改めて飲み比べてみたいですね。

exoticartz/ Shutterstock.com
注目される日本のクラフトビール
戦後、日本のビール作りは大手主要ビール会社がメインでした。1994年には、ビール製造免許の生産量基準の緩和により、小規模ブルワリーが全国に誕生、日本酒の「地酒」のように「地ビール」と名付け大ブームになりました。
ところが、乱立することで経験不足などから質の伴わないブルワリーも散見されるようになり、大手ビール会社のように大量生産できないことからビールの値段も高くなりました。そのため、「地ビールは、まずくて高い!」というイメージが広まってしまいました。ピルスナー以外の味わいに慣れていない人が多かったことも要因のひとつでした。
ブームが去りいくつかのブルワリーが廃業に追い込まれた中、地道に本当においしいビールを追求してきたのが、現在も活躍中のブルワリーです。
負のイメージを持つ人も多い「地ビール」から、職人がひとつひとつつくる工芸品を思わせる「クラフトビール」へと呼称も変わりつつあります。
上記のように、苦境を乗り越えてきた日本の小規模ブルワリーの作るクラフトビールは品質に定評があり、海外のコンテストで多数の賞を受賞しています。
人気のクラフトビールの一部を紹介します。
◆ヤッホーブルーイング(長野県)/
1996年創業時、日本にはあまりなじみのないエールビールを専門につくり、ビール業界を驚かしたブルワリー。「よなよなエール」は日本のクラフトビールの中でも最も有名なビールのひとつ。
主な銘柄:よなよなエール、水曜日のネコ
◆コエドブルワリー(埼玉県)/
蔵造りの建物が並び“小江戸”と呼ばれる川越市のブルワリー。ドイツ人のブラウマイスターから受け継いだ技術で個性的なクラフトビールを生みだしています。
主な銘柄:COEDO伽羅-Kyara-
◆志賀高原ビール(長野県)/
長野県に200年以上続く日本酒の蔵元、玉村本店が造る本格的なエールビール。志賀高原の湧水を仕込み水とした、個性的な味わいのエールビールは長年のファンが多い。
主な銘柄:志賀高原ペールエール
◆箕面(みのお)ビール(大阪府)/
大阪北部にある箕面市にあるブルワリー。「ワールド・ビア・アワード」で2度も世界一になったことのある定番のスタウトが人気の的です。このほかにも受賞歴多数で世界に認められたブルワリー。
主な銘柄:スタウト、W-IPA
◆常陸野ネストビール(茨城県)/
海外でも人気が高く、世界50各国以上で親しまれています。ホワイトエールは、副原料にナツメグやコリアンダーなどのスパイスを使っているのが特徴。受賞歴も多数あります。フクロウのロゴマークが目印。
主な銘柄:ホワイトエール
◆スワンレイクビール(新潟県)/
自然豊かな地で、越後の名水にこだわったビールを作るブルワリー。地元産のコシヒカリを使用したラガー「越乃米コシヒカリ仕込みビール」は中でも人気のひとつ。「ワールド・ビア・カップ」で受賞歴があります。
主な銘柄:アンバースワンエール
◆那須高原ビール(栃木県)/
ポリフェノールを含んだ100%自然のビール酵母を使用した生ビールが人気です。1995年創業。世界最大のビア・コンペティション「ワールド・ビア・カップ」で2000年から5回連続で金・銀・銅各賞に輝いています。
主な銘柄:スコティッシュエール
見つけたら、ぜひ試してみたいクラフトビールです。

Kitisak Wittayapishate/ Shutterstock.com

おすすめ情報
関連情報
日本ビール検定(びあけん)情報
