「ヴァイツェン」の魅力とは? おすすめの地ビールとともに紹介

「ヴァイツェン」の魅力とは? おすすめの地ビールとともに紹介
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「ヴァイツェン」というビールを知っていますか? 日本の一般的なビールとは異なる味わいを持つビールで、原料や製法などにも大きな違いがあります。今回は「ヴァイツェン」の魅力に迫るとともに、日本の地ビールメーカーの「ヴァイツェン」も紹介します。

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「ヴァイツェン」はフルーティーな味わいが魅力のビール

「ヴァイツェン」はフルーティーな味わいが魅力のビール

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「ヴァイツェン」は日本の一般的なビールとは異なる特徴を持つ

日本の大手メーカーが造るビールのほとんどは、「ピルスナー」と呼ばれるビアスタイル(ビールの種類)ですが、地ビールメーカーなどでは「ヴァイツェン」というビアスタイルのビールも造られています。

「ヴァイツェン」のおもな特徴は、白濁した液体の色やクリーミーな泡にあります。味わいはフルーティーで、バナナやバニラ、クローブを思わせる甘い香りが漂い、口当たりはやわらかく苦味はほとんどありません。このような特徴から、「ヴァイツェン」は苦いビールが苦手な人にも好まれる傾向があります。

南ドイツ発祥の「ヴァイツェン」は、特権階級のためのビール!? 

「ヴァイツェン」は、南ドイツのバイエルン地方で生まれたビアスタイルです。ミュンヘン市北東に位置する町・フライジングに、「ヴァイエンステファン醸造所」という世界最古級のブリュワリーがありますが、この醸造所が1040年に造ったものが始まりといわれています。

「ヴァイツェン」は、かつて「貴族のビール」と呼ばれていました。その理由は、16世紀ごろのドイツにおいて、「ヴァイツェン」の製造は、法律によりドイツ王家にのみ認められていて、王家が所有するブリュワリーにほぼ独占されていたからです。

この時代のドイツには「ビール純粋令」という別の法律もありましたが、特権階級である王族だけに製造を認めた法律があったとは驚きです。

なお、「ビール純粋令」はビール造りの基本精神として、現代ドイツでも適用されています。

「ヴァイツェン」が世界に広まるまでの歴史

冷蔵技術が未熟な時代、常温発酵で造られる「ヴァイツェン」は、とても人気がありました。しかし18世紀に入ると、冷蔵技術が発達し、当時一般的に飲まれていたビールの味が向上したことで、人気に陰りが出始めます。

このころのドイツでは、「ヴァイツェン」の醸造権利が民間に譲渡され、複数の醸造所で造られるようになっていましたが、ほかのビールの勢いに押されて、需要が落ちていったといわれています。

時代は下り、20世紀の半ばころになると「ヴァイツェン」が再評価され、人気が復活します。そして20世紀後半には、クラフトビールブームが起こりつつあったアメリカで「ヴァイツェン」の製造が始まり、日本でも1994年(平成6年)に地ビールの醸造が解禁されたことで、「ヴァイツェン」が造られるようになっていきました。

こうして、「ヴァイツェン」は世界でも親しまれるビールとなったのです。

「ヴァイツェン」のおいしさの秘密は原料にあり

「ヴァイツェン」のおいしさの秘密は原料にあり

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「ヴァイツェン」は小麦麦芽から造られる

ドイツ語で「小麦」を意味する「ヴァイツェン」は、小麦麦芽を50%以上使用して造られます。

多くのビールは大麦麦芽(モルト)を主原料に造られますが、「ヴァイツェン」は小麦麦芽を多く用いるため、飲み口が軽く仕上がる傾向にあります。また、苦味が少なく、やわらかな酸味があるのも特徴です。

一般的な「ヴァイツェン」は白濁した見た目が特徴的なビールですが、これは小麦のタンパク質によるもの。グラスに注いだときの泡立ちがよいのも、小麦の特性です。

なお、「ヴァイツェン」はドイツ語で「白」を意味する「ヴァイス」や「白ビール」とも呼ばれますが、実際は真っ白ではありません。かつてドイツで主流だった黒褐色のビールと比べ、色が淡いことから、「黒」に対して「白」と呼ばれるようになったのです。

ヴァイツェンにはさまざまなバリエーションがある

「ヴァイツェン」は、製法によっていくつかのタイプに分けられます。おもな種類を紹介しましょう。

◇へーフェ・ヴァイツェン
「ヘーフェ」はドイツ語で「酵母」の意味。酵母をろ過していないため白濁しています。いわゆるヴァイツェンらしいビールです。

◇クリスタル・ヴァイツェン
酵母をろ過して造られているため白濁しておらず、液体は透きとおっています。

◇デュンケル・ヴァイツェン
「デュンケル」はドイツ語で「色が濃い」の意味。その名のとおり、濃い色をしています。

◇ヴァイツェン・ボック
通常の「ヴァイツェン」はアルコール度数が5%程度なのに対して、ボックは約7~9.5%と高いのが特徴です。

◇デュンケル・ヴァイツェン・ボック
濃色かつアルコール度数が高いビールです。

日本でたのしめる「ヴァイツェン」のおすすめ地ビール

日本でたのしめる「ヴァイツェン」のおすすめ地ビール

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酵母が生み出す繊細な味わいの「銀河高原ビール ヴァイツェン」

岩手県の豪雪地域にあるブリュワリー、銀河高原ビールが造る「へーフェヴァイツェン」。酵母のろ過技術が発達していなかった時代の味わいが再現されています。

原料と小麦と大麦の麦芽は100%がドイツ産で、ホップもドイツのファインアロマを使用。標高約1,440メートルの和賀岳(わがだけ)から湧き出る天然水を使い、繊細かつ複雑な味わいを実現しています。

酵母が生み出すバナナやクローブのような芳香と、口に広がるハチミツのような甘味が魅力です。苦味はほとんどなく、丸みのあるコク、パインを思わせるほのかな酸味がのどをやさしくとおります。

製造元:銀河高原ビール
公式サイトはこちら

日本酒蔵元の老舗が造る「いわて蔵ビール ヴァイツェン」

岩手県で江戸時代から続く日本酒の老舗蔵・世嬉の一(せきのいち)酒造が造る「ヘーフェヴァイツェン」。日本のビールで初めて、モンドセレクション金賞を受賞したビールです。

口に含むと、最初はフルーティーで、そのあとにフローラルな香りが鼻を抜けていきます。そして、甘味を感じさせながらも、わずかな苦味と、のどに当たる酸味が絶妙に広がります。

世嬉の一酒造では、地ビールの醸造を大正時代に建てられた有形文化財の蔵で行っているのが特徴。また「健康・食の安全」にこだわり、麦芽の栽培から加工までを地元の農家や農協と協同で行っているうえ、ほかの原料も遺伝子組み換えを制限している国から輸入しているのも特筆すべき点でしょう。

製造元:いわて蔵ビール
公式サイトはこちら

富士山麓の天然水を使った「富士桜高原麦酒 ヴァイツェン」

山梨県の富士桜高原麦酒が造る「ヘーフェヴァイツェン」。本場ドイツの醸造技術を用い、富士山麓の良質な軟水を原料に醸造しています。

新鮮な酵母由来のバナナやクローブなどのエステル香が漂い、きめ細かい絹のような泡や滑らかな舌触り、余韻をたのしめます。

柑橘系のフルーツと一緒にさっぱりと味わったり、甘いデザートと合わせて酸味を引き出したりと、料理とのペアリングをたのしむのもおすすめ。パンやホットケーキなど、小麦を使った料理との相性も抜群です。

製造元:富士桜高原麦酒
公式サイトはこちら


小麦のビール「ヴァイツェン」は、日本の一般的なビールとは見た目も味わいも異なります。日本の地ビールにもラインナップされているので、ぜひ小麦由来のリッチな泡とフルーティーな味わいを堪能してみてください。

「ヴァイツェン」はドイツの伝統的なビールスタイル

「白ビール」とも呼ばれる南ドイツの「ヴァイツェン」はどんなビール?

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