「ヴァイツェン」はドイツの伝統的なビールスタイル
ヴァイツェンは数あるビールのなかでもフルーティな味わいが特徴です。ドイツでは伝統的なスタイルのビールとして親しまれていますが、日本における一般的なビールとは一線を画す個性的な味わいです。今回は、ヴァイツェンの魅力を詳しく紹介します。
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ヴァイツェンとはドイツ語で「小麦」を表す
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ヴァイツェンはドイツ語で「小麦」を意味しています。通常のビールは大麦麦芽を原料に造られますが、ヴァイツェンには、さらに小麦麦芽が加えられます。
小麦麦芽の比率が50%以上であることがヴァイツェンの定義とされており、これが独特の風味をもたらす秘訣となっています。
ヴァイツェンには酵母をろ過した「クリスタルヴァイツェン」と、ろ過していない「ヘーフェヴァイツェン」があります。ヘーフェヴァイツェンは一般的なビールとは違い、濁りのある色合いが特徴です。
現在、日本ではヴァイツェンのなかでもヘーフェヴァイツェンの人気が高く、この濁りのある色合いから「白ビール」と呼ばれて親しまれています。
ヴァイツェンの魅力はフルーティな香りとやわらかな旨味
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ヴァイツェンの魅力を一言で表すとすれば、フルーティな味わいと香りです。
小麦麦芽によってもたらされる贅沢な味わいは、バナナを思わせるような甘さと軽い口当たり。ビールの苦味が得意ではないという人にも、ぜひ味わっていただきたいビールです。
ヴァイツェンは、もともとドイツ国内で製造され、主に国内で消費されてきたビールです。しかし、1990年代以降、その味のとりこになった人々が世界各地でヴァイツェンを製造するようになり、現在ではさまざまな地域でヴァイツェンが愛飲されています。
日本国内では、ビールといえばキレのあるピルスナータイプが主流ですが、近年では、その対極にあるヴァイツェンの人気も高まっています。もともとビールが苦手な人でも飲みやすく、海外のお土産品や贈答品として購入する人も多いようです。
ヴァイツェンのおすすめを紹介
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ヴァイツェンは発祥地であるドイツをはじめ、海外で生産されるビールを思われがちですが、近年のビールの多様化を踏まえて、日本でもヴァイツェンを造るビールメーカーが増えています。なかでも有名な銘柄をいくつか紹介しましょう。
【J-CRAFT華ほの香 爽快のヴァイツェン IWATE SAWAUCHI】
「J-CRAFT」は三菱食品が全国各地のクラフトビールメーカーとともに企画開発したブランドです。そのなかの一本が、岩手県沢内村に醸造所を構える銀河高原ビールが造る「J-CRAFT華ほの香 爽快のヴァイツェン IWATE SAWAUCHI」です。
副原料をいっさい使用せず、あくまで「水・麦芽・ホップ」のみにこだわったビールで、甘味とフルーティさが強く感じられる一品です。
企画・開発元:三菱食品株式会社
【NEST BEER WEIZEN】
茨城県那珂市のブルワリー、常陸野ネストビールが造る「WEIZEN」は、本場・ドイツの農林省から金メダルを受賞したこともある実力派です。
非常に軽い口当たりとフルーティな味わいは、これまでのビールの常識をくつがえすほどの飲みやすさ。ビールが苦手な人にこそ、ぜひ飲んでみてほしい国産ヴァイツェンです。
製造元:木内酒造合資会社 常陸野ネストビール
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このほかにも、日本でも多くのブルワリーがドイツの伝統的な製造方法を踏まえつつ、それぞれ個性的なヴァイツェンを開発しています。これらを飲みくらべてみるのもたのしいでしょう。
ヴァイツェンは、日本国内における一般的なビールとは味わいも香りもまったく違うビール。フルーティで口当たりの軽いヴァイツェンを、ぜひ一度味わってみてはいかがでしょうか。