ビールのスタイルとは? どんな種類がある?
「ビールのスタイル(ビアスタイル)」とはビールの種類(タイプ)のこと。ここでは、世界中で100以上とも言われるビールのスタイルについて、その分類法や、代表的なスタイルの特徴などを、「日本ビール検定公式テキスト」を踏まえて紹介していきます。
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ビールのスタイルは発酵方法によって分類される
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ビールは発酵によって造られる
ビールを一言で表すとすれば、「水と麦芽、ホップを発酵させて造ったアルコール飲料」です。
世界には、色や香り、味わいなどが異なる多種多様なビールがありますが、こうしたビールの種類のことを「スタイル(ビアスタイル)」と呼んでいます。ビールのスタイルによって個性が異なるのは、発酵の仕方が大きく影響しています。
ビールの発酵方法は3種類ある
ビールのスタイルを決定づける発酵方法には、「上面発酵」「下面発酵」「自然発酵」の3つがあり、ビールのスタイルも発酵方法によって3種類に大別されます。
華やかな香りや味わいが魅力の上面発酵のビールのスタイルは「エール」、飲みやすくクセのない味わいが魅力の下面発酵のビールは「ラガー」と呼ばれます。自然発酵のビールは、おもにベルギーで造られ、エールやラガーとは異なる独特の香りや味わいを引き出しています。
上面発酵のビールのスタイル
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上面発酵で造られるビール「エール」の特徴
ビールのスタイルのなかでも、比較的、古くから造られてきたのが上面発酵のエールビール。15~25度ほどの高めの温度で、3~5日という短期間で発酵させて造るビールで、発酵時に酵母が上面に浮いてくることから、この名で呼ばれます。
エールビールの風味は、豊かで芳醇。じっくりと飲まれるビールです。代表的なエールビールのスタイルを紹介しましょう。
【ケルシュ(ドイツ)】
「ケルシュ」は、ドイツ西部に位置するケルン地方で造られるビールのスタイル。高温発酵の後に低温熟成され、淡い色が特徴的。ドライな味わいで飲みやすいスタイルのビールです。
【ヴァイツェン(ドイツ)】
「ヴァイツェン」もドイツ発祥のビールのスタイルですが、こちらは南部のバイエルン地方で醸造されています。
その特徴は、原料の50%以上を小麦の麦芽が占めること。それゆえ、小麦を意味するドイツ語から「ヴァイツェン」と呼ばれます。苦味は少なめで、スッキリとした味わいから、飲みやすいスタイルとして人気です。
【ペールエール(イギリス)】
「ペールエール」はイギリスのバートン・オン・トレント地方で生まれたスタイル。フルーティーなホップの香りと、強い苦味を特徴とする、イギリスの伝統的なビールです。
【スタウト(アイルランド)】
ロンドンから伝わった「ポーター」というスタイルが、アイルランドで独自に進化して生まれたのが「スタウト」。濃い褐色が特徴の「黒ビール」で、スモーキーな味わいのなかにも甘さが感じられる独特の風味が特徴的なスタイルです。
下面発酵のビールのスタイル
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下面発酵で造られるビール「ラガー」の特徴
ビールのスタイルとしては後発に当たるのが、下面発酵のラガービール。10度前後の低温で、約1週間かけて発酵させて造るビールで、発酵時に酵母が沈んでいくのが、その名の由来です。
ラガービールに分類されるビアスタイルは、いずれも飲みやすい爽快な口当たりが特徴。なかでも代表的なスタイルを紹介しましょう。
【シュバルツ(ドイツ)】
「シュバルツ」は、ドイツのバイエルン地方を発祥とするビールのスタイル。黒に近い濃い色合いが特徴的で、黒ビールならではのローストされたコクのある風味に加え、ほのかに甘さも感じられます。
【ピルスナー(チェコ)】
チェコ生まれの「ピルスナー」は、世界でもっとも普及しているビアスタイルと言われています。下面発酵ならではの爽快感と、クセのない味わい、ホップの豊かな香りが日本でも強く支持され、日本で販売されている淡色ビールの大半がピルスナーです。
【アメリカンラガー(アメリカ)】
「アメリカンラガー」は、その名のとおり、アメリカで誕生したビアスタイルです。副原料としてコーンなどの穀物類が使用されることも多く、ホップ特有の香りは控えめ。強い炭酸と低めのアルコール度数が特徴的な、あっさりとした飲み口のため、ビール初心者にもおすすめのスタイルです。
自然発酵のビールのスタイル
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自然発酵で造られるビールの特徴
「自然発酵」に分類されるビアスタイルは、おもにベルギーで造られています。醸造所内の空気中に漂う、野生の酵母を用いて発酵させて造るため、醸造諸ごとに独自の風味が生まれます。
【ランビック(ベルギー)】
「ランビック」はベルギーのブリュッセル近郊で醸造される自然発酵のスタイルのビール。自然発酵のビアスタイルは、野生酵母の性質によって特徴づけられるため、ブリュッセル近郊で醸造されたビールでなければ「ランビック」とは認められません。
基本的には苦味が少なく、飲みやすいスタイルのビールですが、甘味を加えたものや、果実を加えたものなどバリエーションも豊富です。
今回、紹介してきたビールのスタイルはあくまでも一例で、まだまだ世界には数多くのスタイルが存在します。ビールの好みは人によって異なるので、自分に合うのはどのスタイルなのか、いろいろと飲み比べてみるのもたのしいのでは?