茨城のビール【常陸野(ひたちの)ネストビール】文政6年創業の木内酒造が発信する渾身のクラフトビール
常陸野ネストビールは、茨城県那珂市の老舗蔵元・木内酒造が発信するクラフトビール。約200年の歴史を持つ日本酒蔵から生まれたビールは世界約30カ国以上に輸出され、ファンを増やしてきました。ここでは、常陸野ネストビールの歴史や味へのこだわり、ラインナップなどを紹介していきます。
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常陸野ネストビールはどのようにして世界へ羽ばたいたのか、ビールへの情熱がほとばしる、その歩みと魅力に迫ります。
常陸野ネストビールの造り手が目指すのは、ここでしか造れない唯一無二の一杯
画像提供:木内酒造株式会社
常陸野ネストビールは、茨城県那珂(なか)市で日本酒造りを手掛ける老舗蔵元・木内酒造が生んだクラフトビール。まずは醸造所の歴史やこだわりをみていきます。
常陸野ネストビールの生みの親は日本酒の老舗蔵元・木内酒造
常陸野ネストビールの製造拠点は、茨城県那珂市にある額田醸造所。最新鋭の設備がそろうこの醸造所を運営するのは、文政6年(1823年)から日本酒造りを手掛ける老舗蔵元・木内酒造です。
1994年、酒税法の改正によってビールの製造免許取得に必要な最低製造量が2,000キロリットル/年から60キロリットル/年に引き下げられました。から、この規制緩和によって小規模でのビール造りが可能になったのを契機に木内酒造のビール造りへの挑戦がスタート。ゼロからビール製造の計画を作り始めました。
そして国内のビール製造免許場数が急激に増えた1996年、「常陸野ネストビール」が誕生したのです。
(参考記事)
ビール|国税庁 ビール製造免許場数の推移
画像提供:木内酒造株式会社
常陸野ネストビール誕生秘話
当時の木内酒造といえば、日本酒造りには精通していても、ビール醸造の知識はゼロ。事業計画の策定に着手したものの、設備投資に巨額の費用がかかるとわかり、一度は諦めかけたといいます。しかし、ネットで調べていくうちに、マイクロブルワリー開設に関するノウハウが公開されている北米のサイトにたどり着き、そして、DME社というカナダのビール醸造機械メーカーを知りました。
木内酒造はさっそくDME社に連絡を取り、交渉を重ねて大手商社の半額以下の価格で機器を購入することに成功。設備だけなく、DME社の持つビール造りの技術や知識も提供してもらい、ついにクラフトビール醸造の第一歩を踏み出しました。
カナダから機械が到着したのは1996年8月のこと。蔵の一部を改築して醸造所の設置に着手しましたが、本来は専門の工事業者に依頼するところを、予算の関係で、社員4人の手で作り上げることに。海外からの輸入品ということもあり、規格が日本のものと合わなかったり、英語のマニュアルに悩まされたりと悪戦苦闘の末、同年10月3日には「常陸野ネストビール」第1号が誕生しました。
常陸野ネストビールの特徴とこだわり
画像提供:木内酒造株式会社
常陸野ネストビールの特徴とこだわりをみていきましょう。
常陸野ネストビールとはどんなビール?
常陸野ネストビールは、本格ビールを目指したこだわりのクラフトビール。その味わいを特徴づけているのは、原材料と水です。
材料は厳選した麦芽やホップに加え、国産の麦芽、国産の小麦、果実など地元茨城県で栽培する農作物を積極的に取り入れています。
木内酒造の日本酒造りを支える水は、酒蔵内にある井戸から湧き出る地下水(軟水)ですが、酒蔵からほど近い酒井出の地は、万葉の昔、井戸から酒が湧き出たという伝説が根づいた土地。常陸野ネストビールの味わいもこの地の水に支えられています。
こうして造られたビールは、誕生からわずか1年で世界のビールコンテストで初受賞。その後も200を超える賞に輝き、現在はアメリカやヨーロッパ、アジア各国など、35カ国以上に輸出される人気ブランドに成長しました。
画像提供:木内酒造株式会社
常陸野ネストビールの醸造にかけるこだわり
日本酒の蔵元が生んだだけあり、原料や製法のいたるところに個性が光る常陸野ネストビールですが、そのこだわりは、醸造に対する考え方にも根づいています。
整った設備に厳選した原材料、そして伝統的なレシピを使って、日本だからこそ、また常陸野だからこそできるビールにこだわってきました。
◇原料は欧米のものでも、欧米のビールのコピーを造るわけではない
◇モルトとホップの無限の組み合わせから、最良の組み合わせを仕込む
◇品質を保つのは機械ではない、人だ
これらは常陸野ネストビールのこだわりのごく一部ですが、このような考えのもと、最新鋭の機械と人の手による製法を上手に使い分けながら、唯一無二の一杯を造り続けています。
常陸野ネストビールのおすすめ商品
常陸野ネストビールは国内外で人気が高いだけに、ラインナップも豊富です。ビールの色を表す指数SRM(Standard Reference Method/標準参照法:数値が高いほど色が濃い)や、ビールの苦味を表すIBU(International Bitterness Units/国際苦味単位:数値が高いほど苦味が強い)の数値も参考に、味の違いをたのしんでください。
ラガー
画像提供:木内酒造株式会社
モルトの旨味とホップの軽快な風味が特長のラガービール。さわやかな風味が魅力です。
内容量:350ml缶
スタイル:ラガー
アルコール度数:5.5%
色(SRM):4.2
苦味(IBU):30
飲みごろ温度:6~9℃
セゾン ドゥ ジャポン
出典:常陸野ネストビールホームページ
日本酒造りに不可欠な米麹を使ったセゾンビール。米麹の甘味と自然な酸味、柚子果汁のほのかな香りが特徴です。
内容量:330ml
スタイル:ジャパニーズセゾン
アルコール度数:5%
色(SRM):6.6
苦味(IBU):23
飲みごろ温度:6~9℃
ホワイトエール
出典:常陸野ネストビールホームページ
コリアンダー、オレンジピール、ナツメグなどを加えたさわやかな香りの小麦ビール。柔らかな味わいをたのしんで。
内容量:330ml
スタイル:ベルジャンホワイトエール
アルコール度数:5.5%
色(SRM):3.6
苦味(IBU):24
飲みごろ温度:6~9℃
ペールエール
出典:常陸野ネストビールホームページ
エールビールの本場イギリス産のモルトとホップをぜいたくに使い、手間のかかる古式醸造法で仕込んだペールエール。アロマホップの華やかな香りが魅力です。
内容量:330ml
スタイル:UKペールエール
アルコール度数:5.5%
色(SRM):7.8
苦味(IBU):45
飲みごろ温度:10℃
ヴァイツェン
出典:常陸野ネストビールホームページ
小麦麦芽を使用した酵母入りにごりビール。バナナのような華やかな香りとさわやかな味わいがポイントです。
内容量:330ml
スタイル:ヘーフェヴァイツェン
アルコール度数:5.5%
色(SRM):3.8
苦味(IBU):20
飲みごろ温度:6~9℃
ジャパニーズクラシックエール
出典:常陸野ネストビールホームページ
江戸時代末期に造られた日本で最初のビールをイメージしたクラシカルなビール。IPAスタイルをベースに杉桶で仕込み、日本的な味わいに仕上げています。
内容量:330ml
スタイル:インディアペールエール
アルコール度数:7%
色(SRM):11
苦味(IBU):31
飲みごろ温度:13℃
だいだいエール
出典:常陸野ネストビールホームページ
筑波山の麓・八郷(やさと)産の「福来(ふくれ)みかん」と柑橘系のホップを使用したIPA。フルーティーでさわやかな香りと旨味がたのしめます。
内容量:330ml
スタイル:インディアペールエール
アルコール度数:6.0%
色(SRM):7.2
苦味(IBU):35
飲みごろ温度:10℃
ニッポニア
出典:常陸野ネストビールホームページ
茨城県産のビール大麦「金子ゴールデン」、「酒米の王様」の異名を持つ「山田錦」、ソラチエースホップ、国産ホップなどこだわりの素材で造り上げたオールジャパンビール。米の旨味と麦芽のコク、ホップのさわやかな味わいをたのしんで。
内容量:330ml
スタイル:インディアペールラガー
アルコール度数:6%
色(SRM):7.0
苦味(IBU):20
飲みごろ温度:6~9℃
常陸野ネストビールが飲める店舗をチェック
出典:常陸野ネストビールホームページ
常陸野ネストビールは、木内酒造のオンラインショップで購入可能ですが、東京都内や水戸にあるダイニングバー「常陸野ブルーイング」や、東京駅と神田万世橋にあるラボバー「常陸野ブルーイング・ラボ」などの店舗で飲む味はまた格別です。
また、木内酒造の本社に併設されたミニブルワリー「手造りビール工房」では、オリジナルビール造りを体験しながら、ビールを味わうことができます。ほかにも、本社併設の利き酒スペース「利き酒処」や、木内酒造の敷地内にある「蔵+蕎麦 な嘉屋」などで常陸野ネストビールをたのしむことができます。
「常陸野ネストビール」は、日本酒の蔵元が発信する至高のクラフトビール。機会があったら、多彩なラインナップを飲み比べて、好みのビールを見つけてみてください。
製造元:木内酒造株式会社
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