ドイツ伝統のアルトビールの魅力と最高のたのしみ方
ドイツの伝統的なアルトビールは、濃厚でまろやかな味わいが特徴です。独特のホップ香と深い風味をたのしむコツや、おすすめの飲み方を詳しく解説。ビール愛好家必見の情報です。
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アルトビールの特徴は濃厚ながらまろやかな口当たり
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アルトビールは、ドイツ西部のデュッセルドルフ地方を発祥とする上面発酵ビールです。
「アルト」とはドイツ語で「古い」という意味の言葉ですが、決して「古くなったビール」ではありません。上面発酵(総称して「エールビール」)は、近年の主流である下面発酵(総称して「ラガービール」)よりも古くからあるドイツの伝統的なビール醸造法であることから、「アルトビール」と呼ばれています。
アルトビールの特徴は、銅褐色の見た目にふさわしい濃厚な味わい。とくにホップの香味と香りがきいています。
とはいえ、ただ濃厚というだけでなく、日本で一般的なピルスナータイプのようなみずみずしさも感じられるのが魅力。アルトビールは、深いコクと、まろやかな味わいを同時にたのしむことができるビールといえるでしょう。
アルトビールの製造法
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アルトビールは、前述したように上面発酵ビール(エールビール)に分類されます。上面発酵ビールは、下面発酵ビール(ラガービール)にくらべて高温(15~20℃前後)で発酵させるのが一般的で、これは発酵の際に酵母がビールの表面に浮かんでくることから、「上面発酵」と呼ばれます。
一次発酵を終えたアルトビールは、別の樽(タンク)に移され、さらに1カ月以上かけて熟成されます。このとき、酵母よりも下面にあるビールに圧力がかかり、ゆるやかに炭酸がビールに溶け込んでいきます。アルトビールならではのみずみずしさとまろやかな味わいは、このように長時間かけてゆっくりと熟成することによって完成するのです。
アルトビールのおすすめの飲み方
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アルトビールは、本場ドイツでは樽から直接グラスに注がれます。ビールの風味が損なわれないよう、グラスも小ぶりのもので、グラスが空くとすぐに追加のビールがテーブルに運ばれてきます。
日本でアルトビールをたのしむ場合も、できれば本場同様のスタイルで提供してほしいところですが、そんなお店を探すのは簡単ではありません。せめて、ジョッキではなく、小さめのグラスで提供してくれるお店を探したいものです。
あまり冷やしすぎず、小さめのグラスで一杯ずつ味わうことで、アルトビール本来の香りや味を堪能しましょう。
アルトビールは料理と合わせてたのしむのがおすすめです。ドイツ生まれのアルトビールには、やはりドイツの料理が好相性。ソーセージをはじめ、しっかりとした味付けの肉料理に、まろやかで濃厚な味わいのアルトビールは最高の組み合わせといえるでしょう。
アルトビールはビールの本場ドイツで発展した伝統的なスタイル。ホップの風味を利かせた独特の味わいで多くのビールファンを魅了しています。まだ飲んだことがないという人は、ぜひ一度味わってみてはいかがでしょう。