「モルトウイスキー」の定義や特徴とは?【ウイスキー用語集】

「モルトウイスキー」の定義や特徴とは?【ウイスキー用語集】
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「モルトウイスキー」と言えば、一般的なウイスキーを思い浮かべる人が多いでしょうが、モルトウイスキーでないウイスキーもあるのでしょうか? また「シングルモルト」など「モルト」と付く他のウイスキーとどう違うのでしょう? モルトウイスキーの定義や特徴などを、初心者向けにわかりやすく説明します。

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「モルトウイスキー」は大麦麦芽で造られるウイスキー

「モルトウイスキー」は大麦麦芽で造られるウイスキー

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モルトウイスキーを知る前に、ウイスキーを知ろう

モルトウイスキーの定義を知る前に、まずはその前提として、ウイスキーそのものの定義を見てみましょう。一般的なウイスキーの定義としては、大きく次の3点が挙げられます 。

1.穀物を原料としていること
穀物と言っても大麦、小麦、ライ麦、トウモロコシなどさまざまで、原料とする穀物によってウイスキーの味わいが異なります。

2.糖化・発酵・蒸溜を行っていること
原料となる穀物に含まれるデンプン質から糖類を作り(糖化)、発酵により糖類からアルコールを生成。最後に蒸溜でアルコール濃度を高くすることでウイスキーが造られます。

3.木樽熟成をしていること
ウイスキーらしい工程のひとつで、ウイスキーに特徴的な琥珀色はこの工程を経て生まれます。

モルトウイスキーはモルト(大麦麦芽)を原料としたウイスキー

「モルトウイスキー」は、その名のとおり、ウイスキーのなかでも大麦麦芽(モルト)で造られたものを言います。では、なぜ大麦そのものでなく、麦芽を原料にするのでしょうか?
定義2で述べたように、ウイスキー造りには「糖化」と呼ばれる工程が必要ですが、大麦は発芽する際に「デンプン分解酵素」を作り出し、自ら糖化を促進します。この特性がウイスキー造りに適していることから、モルトウイスキーが生まれたのです。

モルトウイスキー以外にもさまざまなウイスキーが

定義1からわかるように、モルトウイスキーの他にも、原料の異なるさまざまなウイスキーがあります。
トウモロコシを主原料とした「コーンウイスキー」、ライ麦を主原料とした「ライウイスキー」、小麦を主原料とした「ウィートウイスキー」などに加え、各種の穀類を原料とした「グレーンウイスキー」があり、それぞれ原料となる穀物由来の個性があります。
ちなみに、アメリカンウイスキーの代表格として知られる「バーボンウイスキー」は「コーンウイスキー」の一種です。

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「モルトウイスキー」の定義は国によって変わる?

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「モルトウイスキー」はスコッチでは「モルト100%のウイスキー」

モルトウイスキーは、ウイスキーの本場・スコットランドでは主流となるウイスキー。単式蒸留器で2~3回蒸溜して造られるのが一般的で、原料由来の香りや味が色濃く残り、個性豊かなウイスキーに仕上がるのが特徴です。
個性の豊かさは“クセの強さ”として受け止められることもありますが、クセの少ないグレーンウイスキーと混ぜ合わせた「ブレンデッドウイスキー」が開発されたことで、世界的に普及しました。
現在のスコッチでは、ウイスキーはモルト100%の「モルトウイスキー」と、トウモロコシ、小麦などの穀類を主原料にモルトを加えて造る「グレーンウイスキー」とに大別されています。
スコットランドとウイスキー発祥の地を争うアイルランドや、スコッチをお手本としたジャパニーズウイスキーでもほぼ同様です。

「モルトウイスキー」と言ってもモルト100%でないものも

「モルトウイスキー=モルト100%」はスコッチなどの定義で、そうではない場合もあります。ウイスキーには国際的に統一されたルールがなく、国によって定義が異なるためです。
たとえばアメリカンウイスキーの場合、原料の51パーセント以上がモルトであれば「モルトウイスキー」と名乗ることができます。
隣国・カナダではブレンデッドウイスキーが主流のため、トウモロコシを主原料とした「ベースウイスキー」に対し、モルトを原料としたもの(モルト100%とは限りません)は香りづけのための「フレーバリングウイスキー」として用いられるのが一般的で、「モルトウイスキー」という定義はありません。

「モルトウイスキー」が世に出るとき名前が変わる!

「モルトウイスキー」が世に出るとき名前が変わる!

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「モルトウイスキー」にもさまざまな種類がある

「モルトウイスキー」と一口に言いますが、「シングルモルト」や「ブレンデッドモルト」など「モルト」と付くウイスキーの種類は多々あります。それぞれの違いについて説明しましょう。

【シングルモルト】

同一の蒸溜所で造られたモルトウイスキーだけを瓶詰めしたウイスキーのこと。蒸溜所ごとの個性が色濃く表れるため、ウイスキー愛好家の人気を集めています。

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【シングルカスク】

同一の蒸溜所で造られたモルト原酒のうち、さらにひとつの樽で熟成されたウイスキーだけを瓶詰めしたウイスキーのことで、「シングルバレル」とも呼ばれます。稀少性が高く、マニア垂涎の至高のウイスキーと言えます。

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【ブレンデッドモルト】

複数の蒸溜所で造られたモルト原酒を混ぜたウイスキー。モルト原酒同士を混ぜることを「ヴァッティング」と呼ぶため、「ヴァッテッドモルト」とも言われます。

【ピュアモルト】

「モルトウイスキー100パーセントのウイスキー」という意味ですが、定義は明確ではありません。製造者や販売元が「モルト」を強調する目的でそれぞれ独自に用いているため、シングルモルトを指す場合もあれば、ブレンデッドモルト(ヴァッテッドモルト)を指す場合もあります。

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「モルトウイスキー」と言っても、じつに多くの種類があることに驚かされます。それだけ、モルトウイスキーが個性豊かで魅力にあふれている証拠かもしれません。ぜひ、モルトウイスキーの魅力にはまってたのしんでみましょう。

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