「ザ・グレンリベット」がシングルモルトのスタンダードと呼ばれる理由

「ザ・グレンリベット」がシングルモルトのスタンダードと呼ばれる理由
出典 : ペルノ・リカール・ジャパンサイト

「ザ・グレンリベット」は、イギリス政府が公認する第1号の蒸溜所から生まれた由緒あるウイスキーで、“すべてのシングルモルトの原点”とも呼ばれる銘柄です。スコッチウイスキーの生産地のひとつ、スペイサイドで育まれた「ザ・グレンリベット」の個性や、その歴史について紹介します。

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「ザ・グレンリベット」を生んだスコッチ最大のウイスキー産地、スペイサイド

「ザ・グレンリベット」を生んだスコッチ最大のウイスキー産地、スペイサイド

MichaelY/ Shutterstock.com

「ザ・グレンリベット」は、1824年にイギリス政府が公認のライセンスを与えた最初の蒸溜所という歴史的背景から、スコッチウイスキーを代表する銘柄のひとつであるだけでなく、モルトウイスキーの代名詞的な存在でもあります。

こうした由緒ある「ザ・グレンリベット」の故郷は、スコットランド最大の河川であるスペイ川の流域、「スペイサイド」と呼ばれる地域です。
スペイサイドは、「ハイランド」「ローランド」「キャンベルタウン」「アイランズ」「アイラ」と並ぶ、スコッチウイスキーの6大生産地のひとつ。
現在、スコッチのモルトウイスキー蒸溜所の約半数にあたる50近くもの蒸溜所が集中していて、まさに“スコッチの聖地”といっても過言ではないでしょう。

冷涼な気候や良質な湧き水、豊富なピート(泥炭)など、ウイスキー造りに適した自然環境をもち、「ザ・グレンリベット」だけでなく、シングルモルトの先駆者「グレンフィディック」や、“スコッチのロールスロイス”とも呼ばれる「ザ・マッカラン」など、世界的な銘柄を数多く輩出。世界のウイスキー愛好者にとって憧れの地となっています。

「ザ・グレンリベット」の創始者ジョージ・スミスのパイオニア精神

「ザ・グレンリベット」の創始者ジョージ・スミスのパイオニア精神

出典:ペルノ・リカール・ジャパンサイト

「ザ・グレンリベット」の生みの親、ジョージ・スミス氏は、今から200年近く前、1824年にイギリス政府から公認蒸溜所としての最初のライセンスを得た人物として、ウイスキーの歴史に名を残しています。

当時のスコットランドでは、過酷な課税から逃れるためのウイスキーの密造が盛んに行われていて、ジョージ・スミス氏もその一人でした。
「グレンリベット(リベット川の渓谷)」と呼ばれる地で蒸溜技術を磨き、寒冷な気候や良質な湧き水を活かし、なめらかな口当たりのモルトウイスキーを造り出した彼は、この良質なウイスキーをより多くの人にたのしんでもらうため、政府公認のライセンスを取得しました。

これは、他の密造業者たちからすれば“裏切り”ともいえる行為。そのためジョージ・スミス氏は周囲からの攻撃にさらされ、ときには命まで狙われたほどだったとか。
それでも、持ち前のパイオニア精神を発揮し、決してひるむことなく信念を貫いたことで、次第に後に続く蒸溜所が増え、いつしか密造業者は姿を消していったといいます。
現在に至るスコッチウイスキーの隆盛の礎は、「ザ・グレンリベット」が築いたといっても過言ではないのです。

「ザ・グレンリベット」が“シングルモルトのお手本”と呼ばれる理由

「ザ・グレンリベット」が“シングルモルトのお手本”と呼ばれる理由

出典:ペルノ・リカール・ジャパンサイト

「ザ・グレンリベット」の特徴は、洗練された豊かで華やかな味わいと、バランスの取れたなめらかな飲み口。「ミルクのよう」とも形容される甘くて芳醇な飲み心地は、ウイスキーに不慣れな若い人や女性にもおすすめです。

シングルモルトといえば、蒸溜所ごとの個性が強烈で、ウイスキー初心者からすればややハードルが高い印象もあるようですが、「ザ・グレンリベット」の人を選ばない飲みやすさは、そうした先入観を覆す魅力があります。そのため、ウイスキー愛好家からは「これぞシングルモルトのお手本」との声もあがっています。

こうした「ザ・グレンリベット」の味わいは、創業者であるジョージ・スミス氏が生み出したレシピから、ほとんど変わっていないのだとか。彼の築いたウイスキー造りのスタイルが、いかに完成度が高かったかがわかります。

ジョージ・スミス氏のウイスキー造りのスタイルは、政府公認ライセンス第1号というバックボーンと相まって、当初から広く支持されたといいます。
その名声にあやかろうと、その後、周辺地域にある蒸溜所が続々と「グレンリベット」の名を冠したウイスキーを発売したそうです。そこで、氏は自身のウイスキー造りのスタイルを守るため裁判所に提訴。長きにわたる係争を経て、1884年に、唯一無二の存在として「The」の定冠詞が付けられた「ザ・グレンリベット」となったのです。

「ザ・グレンリベット」の商品ラインナップ

「ザ・グレンリベット」の商品ラインナップ

出典:ペルノ・リカール・ジャパンサイト

「ザ・グレンリベット」のラインナップは、定番商品ともいえる「クラシック」シリーズと、19世紀の伝統的な製法で小ロット生産される「ナデューラ」シリーズ、そして限定品とに大別されます。

クラシックシリーズには、バランスのよさに定評がある「ザ・グレンリベット12年」をはじめ、「15年」「18年」「21年」「25年」といった熟成期間の異なる商品に加えて、創業者であるジョージ・スミス氏の手法にならい、熟成期間を問わずに選んだ原酒から造られた「ザ・グレンリベット・ファウンダーズリザーブ」があります。

「ナデューラ」シリーズは、ゲール語(スコットランド地域の古語)で「ナチュラル」を意味するとおり、モルトウイスキー本来のフレーバーをそのまま活かした商品です。
近年の蒸溜所ではほとんど見られなくなった、冷却ろ過しない「ノン・チルフィルタード製法」を用いることで、豊かでナチュラルな味わいがたのしめます。

このほか、シェリー樽で14年以上熟成した特別な1樽から、加水調整することなくそのまま瓶詰めめした「ザ・グレンリベット シングルカスク2018」など、日本のモルトウイスキーファン向けに業務用限定販売される商品もそろっており、国内のバーでたのしむことができます。

「ザ・グレンリベット コード」の謎に満ちた魅力

「ザ・グレンリベット コード」の謎に満ちた魅力

出典:ペルノ・リカール・ジャパンサイト

「ザ・グレンリベット」の限定品には、熟成年数や熟成樽の種類、さらにはウイスキーの色や香り、味わい、フィニッシュなどを記した「テイスティングノート」といった、ウイスキーの味わいに関わる情報を一切公開せずに販売する「ミステリアス・ウイスキー」と呼ばれるシリーズがあります。

そのコンセプトは、「情報や先入観に左右されず、感覚を研ぎ澄ませながらウイスキーの奥深いフレーバーやアロマを感じ、味わいの謎を解き明かしていこう」というもの。2013年に第1弾の「ザ・グレンリベット アルファ」、2016年には第2弾の「ザ・グレンリベット サイファー」が発売され、その斬新なアイデアが、“ウイスキー愛好家への挑戦状”として大きな話題を集めました。

2018年6月には、ミステリアス・ウイスキーの第3弾として「ザ・グレンリベット コード」が発売されました。
ウイスキーの色を見ることができないマットなブラックボトルには、味わいの謎を解くカギとなる暗号(コード)が隠されたグラフィックデザインが施されています。公表されているのは、マスター・ディスティラーであるアラン・ウィンチェスター氏が、特別な樽を選び抜いた逸品だということのみ。すべては自分の舌や鼻で解き明かすほかありません。

日本国内では2,380本限定販売という希少な商品ですが、著名なバーなどではまだ口にできる可能性もあります。「シングルモルト通」を自認する愛好家であれば、自らの五感をもって、その味わいの謎を解き明かしたくなることでしょう。

イギリス政府公認第1号の蒸溜所という由緒ある歴史はもちろん、そのバランスのよい飲み口、さらには「ミステリアス・ウイスキー」に象徴される遊び心。「ザ・グレンリベット」には、ウイスキー愛好家の心を惹きつけてやまない魅力があります。ウイスキーに興味をもつのであれば、ぜひ、一度は飲んでもらいたい銘柄です。

国内販売元:ペルノ・リカール・ジャパン株式会社
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