【日本酒(清酒)の保存方法】種類別の保存方法や保存にまつわる疑問を一挙に解決

【日本酒(清酒)の保存方法】種類別の保存方法や保存にまつわる疑問を一挙に解決
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日本酒の保存方法に迷ったことはありませんか。今回は、日本酒を劣化させるいくつかの原因と、生酒や大吟醸酒といった日本酒の種類別の保存(保管)方法について紹介。後半はQ&Aを設け、日本酒の保存(保管)にまつわるさまざまな疑問を解決していきます。

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まずは、日本酒を保存するときに押さえておきたい基本のポイントからみていきます。

日本酒が劣化する原因は? 温度変化と紫外線に要注意

日本酒が劣化する原因

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はじめに、日本酒を劣化させる原因をチェックしていきましょう。おもな原因である「高温」や「急激な温度変化」「紫外線」「酸化」について、それぞれみていきます。

◇高温や急激な温度変化
温度が高いところで日本酒を保存(保管)すると、色合いが黄色味や茶色味を帯び、傷んだ穀物などにたとえられる「老香(ひねか)」と呼ばれる劣化臭が生じます。また「急激な温度変化」も日本酒を劣化させる原因となるので気をつけましょう。

◇紫外線
日光や蛍光灯の光に含まれている「紫外線」は、日本酒にとっての大敵です。紫外線を浴びると、日本酒の色合いは短期間で黄色、または茶色に変化し、焦げた木材などを想わせる「日光臭」という特有の劣化臭が発生します。

◇酸化
空気中の酸素に触れることで起こる「酸化」も、不快な香りが生じたり味わいが平板になったりするなど、酒質の劣化を招きます。

この「高温」や「急激な温度変化」「紫外線」「酸化」をとことん避けることが、日本酒の保存(保管)方法のポイントとなります。

基本的な対策としては、
◆「高温」や「急激な温度変化」を避けるため、冷蔵庫や冷暗所で保存(保管)する
◆「紫外線」から守るため、箱に入れたり新聞紙で包んだりする
◆開封後の日本酒は冷蔵庫で保存し、「酸化」が進まないようできるだけ早く飲み切る

などが挙げられます。

次の章では、生酒や大吟醸酒など日本酒の種類ごとの保存(保管)方法を紹介していきます。

日本酒の種類別の保存(保管)方法

日本酒の種類別保存方法

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日本酒の種類別の保存方法をチェックしていきましょう。

生酒|冷蔵庫保存が必須

生酒は、多くの日本酒で貯蔵前と瓶詰め前の2回行われる低温加熱殺菌の工程である「火入れ」をまったく行わないお酒で、フレッシュな味わいがたのしめる一方、酒質が変わりやすいという特徴があります。

とりわけ熱の影響を受けると「生老香(なまひねか)」と呼ばれる不快な香りが生じるため、開栓、未開栓を問わず、冷蔵庫での保存(保管)が必須(※)となります。

なお生老香は、5~10度の冷蔵保存(保管)でも時間が経てば発生するため、可能であれば5度以下で保存(保管)し、できるだけ早く飲み切ることも大切です。

※生酒は例外的に常温保存が可能です。
参考:月桂冠|生酒

生貯蔵酒、生詰め酒も冷蔵庫保存推奨

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生貯蔵酒・生詰め酒|可能なかぎり冷蔵庫で保存を

生貯蔵酒は瓶詰めの直前、「ひやおろし」などでも知られる生詰め酒は貯蔵前に1回だけ火入れが行われる日本酒です。

ともに生酒より酒質は安定していますが、通常の2回火入れの日本酒に比べると変化しやすいため、可能なかぎり冷蔵庫で保存(保管)しましょう。

大吟醸酒や吟醸酒も冷蔵庫保存がおすすめ

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大吟醸酒・吟醸酒|香味をたのしむためにも冷蔵庫保存が望ましい

大吟醸酒吟醸酒、さらには純米大吟醸酒純米吟醸酒といった吟醸酒系の日本酒は、磨き抜かれた米を、低温でゆっくり発酵させる「吟醸造り」で醸したお酒です。

温度が高い場所に置いておくと、特長である華やかでフルーティーな香りや繊細な味わいが損なわれるおそれがあるため、吟醸系の日本酒は冷蔵庫での保存(保管)がおすすめです。

「要冷蔵」のシールが貼ってある商品はもちろん、購入する際、冷蔵庫に入っていた商品や、一度開封したものは、迷うことなく冷蔵庫で保存(保管)しましょう。

なお庫内の温度の目安は、生酒系の場合は上述のとおり5度以下、生酒系以外は10度前後かそれ以下となります。

日本産業規格(JIS)では、電気冷蔵庫の冷蔵室内の平均温度は4度、野菜室内の平均温度はもっとも冷やす設定にした場合で8度とされています。

実際の庫内温度はドアの開け閉めなどでも変わってきますし、メーカーや機種によっても若干の差異がありますが、生酒系は冷蔵室で、念のため温度設定を「強」にする、生酒系以外のお酒は冷蔵室でも野菜室でもOKです。

火入れ2回の日本酒は冷暗所保存でOK

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火入れ2回の純米酒・本醸造酒・普通酒や古酒|冷暗所でもOK

火入れを2回行っている純米酒本醸造酒、普通酒、そして日本酒を長期熟成させた古酒は、酒質が比較的安定しているため、常温保存(保管)でもOKです。

保管場所は、15度以下の温度が保たれ、風通しがよく日光が入らない「冷暗所」が適しています。日光は入らなくても、紫外線を含む蛍光灯の光が当たる場所や、家電製品の放熱の影響を受ける場所は避けましょう。

なお、当然ながらこれらのお酒も冷蔵庫保存(保管)がNGというわけではありません。開封後のものはいうまでもなく、暑い日が続く夏などには未開封のものでも、冷蔵庫での保存(保管)が推奨されます。

日本酒の保存(保管)方法についてのQ&A

日本酒の保存(保管)方法のQ&A

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日本酒の保存(保管)についてのよくある疑問を、Q&A形式で一挙に解決します。

Q:日本酒に賞味期限はあるの?

A:賞味期限が表示されている日本酒はほとんどありません(例外あり)。日本酒には殺菌作用のあるアルコールが含まれているため、食品表示法で例外的に賞味期限や消費期限の表示を省略することが認められているからです。

日本酒と賞味期限の詳細については、こちらの記事をチェックしてみてくださいね。

日本酒の未開封と開封後の保存方法

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Q:日本酒の保存方法は未開封のときと開封後で変わるの?

A:未開封(開栓前)の日本酒は上述の「日本酒の種類別保存(保管)方法」を参考に、開封後(開栓後)の日本酒は種類を問わず冷蔵庫で保存するのがおすすめです。とくに生酒系・吟醸酒系の日本酒は開封後、必ず冷蔵庫で保存しましょう。

日本酒を冷蔵庫で保存(保管)するときのポイントについて、もっと知りたいと思ったときには、こちらの記事がおすすめです。日本酒セラーについても説明しています。

日本酒を保存するとき横置きはNG

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Q:日本酒の保存方法で横置きはあり?

A:なしです。日本酒が入っている瓶などの容器を横置きすると、立てて置いたときよりも空気に触れる面が広がり、酸化が進んで酒質の劣化を招いてしまいます。できるだけ日本酒は立てて保存(保管)するようにしましょう。

家庭用冷蔵庫で一升瓶の日本酒を立てて置くのが難しい場合には、冷蔵庫に入る小容量のガラス瓶に小分けして保存するのがおすすめです。

におい移りや色移りの可能性もあるため、小瓶はしっかり洗浄し、煮沸消毒してからお酒を移しましょう。

小分けするときにペットボトルを使えば、少し潰して空気が極力少ない状態でキャップをすることができるため、酸化をより防ぐことが可能となります。

しかし、内側をコーティングされていない一般的なペットボトルはガラスよりも酸素をとおしやすく、アルコール耐性も高いわけではないことから、念のため、短期間保存の使用にとどめましょう。

紙パックの日本酒の保存方法

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Q:紙パックの日本酒の保存方法は?

A:瓶詰めの日本酒と同じです。日本酒の紙パックには紫外線をとおしにくいという利点がありますが、温度や酸化には気をつける必要があります。

紙パックの日本酒については、こちらの記事にくわしい情報が掲載されています。

きちんと保存(保管)したつもりだったのに、日本酒が劣化してしまったというときには、以下の記事を要チェック。劣化の程度にもよりますが、飲用には適さなくなっても、料理酒として使って食材の旨味やコクを引き出したり、お風呂に入れてさまざまな効果が期待できる日本酒風呂をたのしんだりすることができるかもしれません。

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