「純米吟醸酒」の魅力とは? 定義からおすすめ銘柄までを紹介【日本酒用語集】

「純米吟醸酒」の魅力とは? 定義からおすすめ銘柄までを紹介【日本酒用語集】
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「純米吟醸酒」という言葉を聞いたことはあっても、どんなお酒か知らない人も多いのではないでしょうか。日本酒の分類は種類が多く、初心者には違いがわかりにくいかもしれません。今回は、日本酒の分類と純米吟醸酒の魅力、おすすめの注目銘柄を紹介します。

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「純米吟醸酒」とはどんな日本酒?

「純米吟醸酒」とはどんな日本酒?

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「純米吟醸酒」は特定名称酒に分類されるお酒

「純米吟醸酒」について紹介する前に、まずは日本酒の種類についておさらいしましょう。

日本酒(清酒)は、「特定名称酒」とそれ以外の「普通酒」に分けられます。「純米吟醸酒」は、前者の特定名称酒に分類されるお酒のなかのひとつの分類です。特定名称酒に分類されるには、さまざまな条件をクリアする必要があります。

「純米吟醸酒」も含まれる、特定名称酒の条件

「特定名称酒」と呼ばれるには、原料や精米歩合(精米して残った米の割合)のほか、醸造アルコールを添加する量が白米の重量の10%以下であること、麹米の使用割合が15%以上であること、3等級以上に格付けされた玄米を使用することなど、さまざまな条件を満たす必要があります。なお、ひとつでも条件から外れる場合は、「特定名称酒」と名乗ることはできません。


この特定名称酒には、ひとつの分け方として、純米酒系、吟醸酒系、本醸造酒系の3タイプ、計8種類の日本酒が相当します。

◇純米酒系
純米酒、特別純米酒、純米吟醸酒、純米大吟醸酒
◇吟醸酒系
吟醸酒、大吟醸酒
◇本醸造酒系
本醸造酒、特別本醸造酒

純米酒と吟醸酒、本醸造酒の違いとは

「純米吟醸酒」をより理解するために、3つのタイプの違いを確認しましょう。

【純米酒系】

純米酒系の日本酒は、醸造アルコールを添加せず、米、米麹、水だけで造られます。使用する米の精米歩合について、純米酒には規定はありませんが、純米吟醸酒の精米歩合は60%以下、純米大吟醸酒は50%以下、特別純米酒は60%以下または特別な醸造法で醸すことと定められています(一般的には60%以下)。

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【吟醸酒系】

吟醸酒系の日本酒は、「吟醸造り」という製法で、米、米麹、水に醸造アルコールを原料として加えて造られます。吟醸酒の精米歩合は60%以下、大吟醸酒の精米歩合は50%以下と決められています。

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【本醸造酒系】

本醸造酒系の日本酒も、吟醸酒系と同じように、米、米麹、水に醸造アルコールを加えて造ります。精米歩合は、本醸造酒は70%以下、特別本醸造酒は60%以下または特別な醸造方法で醸すことと規定されています。

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「純米吟醸酒」の特徴とおいしい飲み方

「純米吟醸酒」の特徴とおいしい飲み方

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「純米吟醸酒」は純米酒と吟醸酒の特徴を持つお酒

「純米吟醸酒」は、その名のとおり、純米酒系ではあるものの吟醸酒の特徴も併せ持つ日本酒です。具体的には、精米歩合60%以下の米、米麹、水のみを原料として、醸造アルコールは添加せず、低温でゆっくり発酵させる「吟醸造り」という製法で醸されるお酒を指します。
ちなみに、精米歩合50%以下の米を使って醸すと、「純米大吟醸」と呼ばれます。

「純米吟醸酒」の味わいと香りの特徴

「純米吟醸酒」の多くは芳醇なお酒で、純米ならではのコクのある味わいと、「吟醸造り」によって醸し出される華やかでフルーティな香りに特徴があります。

「純米吟醸酒」よりも磨き抜かれた米を使う純米大吟醸酒は、吟醸香がさらに際立つものも多く、雑味が少ないクリアな味わいに定評があります。しかし、だからといって、すべてが「純米吟醸酒」よりも優れているということではありません。「純米吟醸酒」には、米の旨味と吟醸香の絶妙なバランスを堪能できるといった「純米吟醸酒」ならではの魅力があります。

「純米吟醸酒」は食事にも合わせやすい

濃厚なコクのある「純米吟醸酒」は、煮物料理や魚の煮付けなど、しっかりとした味付けの料理によく合います。また、米の味や香りを豊かに感じられるお酒なので、ごはんに合うおつまみとの相性がよいものも多くあります。
「純米吟醸酒」のなかでも、とくに米の旨味が強く香りが穏やかなタイプを「味吟醸」と表現することがあります。「味吟醸」は料理の味わいを引き立てる傾向にあるため、多くの料理に合わせやすく、食中酒に適しています。

飲み方は、冷酒や冷や(常温)、ぬる燗がおすすめ。ぜひ、食事に合わせてみてください。

「純米吟醸酒」の選び方とおすすめ銘柄

「純米吟醸酒」の選び方とおすすめ銘柄

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「純米吟醸酒」を選ぶポイント

「純米吟醸酒」といっても、味わいも価格もさまざまで、初めて挑戦する人などは、どのような観点で選べばよいか迷うこともあるでしょう。

「純米吟醸酒」を選ぶときは、「純米吟醸酒」の特徴的な香りと味わいで選ぶのがポイントです。好みの香りや味がわからない場合は、やはり試飲するのがいちばん。

「吟醸香」と呼ばれる香りの成分には、大きく分けてリンゴ系のさわやかな香りと称される「カプロン酸エチル」と、バナナ系の甘い香りと称される「酢酸イソアミル」の2種類があります。

ただ、香りの感じ方は人それぞれなので、試飲の際にかいでみて、好きな香りの傾向を見つけてみてはいかがでしょう。味わいも、辛口や甘口など「日本酒度」と呼ばれる指標を参考に、好みに合わせて選んでみてください。

また、産地や酒米、蔵元、銘柄に注目し、それぞれの個性や歴史、こだわりを知ったうえで「これ!」という1本を選べるようになったらたのしいですね。

「純米吟醸酒」の注目銘柄

日本全国には素晴らしい「純米吟醸酒」がたくさんありますが、ここでは、世界でも有力な日本酒だけの品評会 「SAKE COMPETITION」の純米吟醸酒部門で、2019年にゴールドに選ばれた上位銘柄を紹介します。

【「飛露喜 純米吟醸」(福島)】

1999年に誕生した「飛露喜」は、2000年代の日本酒ブームを牽引した、いわずと知れた人気銘柄です。なかでも純米吟醸は、フレッシュでさわやかな吟醸香を放ち、味わいのバランスがとくに優れていて、キレのある後味が印象的。ただし、生産数が少なく人気のため入手困難です。

製造元:合資会社廣木酒造本店
公式サイトなし

「飛露喜(ひろき)」は無ろ過生原酒という新しい潮流を生んだ酒

【「磯自慢 純米吟醸」(静岡)】

厳選した酒造好適米と南アルプスを源泉とした名水で造られる「磯自慢」。さわやかな吟醸香とやわらかな甘味、ほのかな酸味とキレのよさが魅力の銘柄で、食中酒にも適しています。
純米吟醸は、きれいでなめらかな旨味とキレのよいシャープな酸味が特徴。冬季限定の新酒(生原酒)もあるので、シーズンが訪れたら試してみてはいかがでしょう。

製造元:磯自慢酒造株式会社
公式サイトはこちら

静岡の日本酒【磯自慢(いそじまん)】原料や品質にこだわり抜いたお酒

【「鈴鹿川 純米吟醸」(三重)】

昔ながらの伊勢杜氏の伝統を受け継ぐ「鈴鹿川(すずかがわ)」。2019年にゴールドを受賞した純米吟醸は、穏やかで洗練された吟醸香と、果実を思わせるみずみずしい旨味、しっかりとした味わいのバランスのよさが魅力です。少し冷やして飲むのがおすすめ。

製造元:清水清三郎商店株式会社
公式サイトはこちら

純米吟醸酒は、米由来の濃厚な旨味と華やかな香りが魅力の、バランスのよい日本酒です。食事に合うものも多いため、初心者の人もさまざまな銘柄に挑戦してみてはいかがでしょうか。

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