気になる泡盛の度数!新酒から古酒までのおすすめ銘柄
泡盛のアルコール度数を詳しく解説!新酒から古酒まで、度数別のおすすめ銘柄も紹介します。泡盛の歴史や特徴、度数の違いを知ってたのしみましょう。
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そもそも、泡盛ってどんなお酒?
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泡盛の定義と特徴
泡盛は焼酎の一種で、酒税法上は蒸溜酒類の「単式蒸溜焼酎」に分類されます。単式蒸溜焼酎は「乙類焼酎」とも呼ばれ、そのなかでも規定の原料や製法で造られた焼酎を「本格焼酎」といいます。この本格焼酎のうち、沖縄県特産の伝統的な焼酎が泡盛です。
泡盛の製法に明確な法的定義はありませんが、沖縄県酒造組合が運営する泡盛のポータルサイト「琉球泡盛」では、泡盛の大きな特徴として以下4点を挙げています。
◇原料に米を用いること
◇種麹に黒麹菌を用いること
◇仕込みは一度きり全麹仕込みで行うこと
◇蒸溜には単式蒸溜機を使うこと
泡盛の原料米には、タイ米を用いるのが一般的。また、伝統的に黒麹菌で造った米麹を使用するため、香り高く濃醇な味わいをたのしめるのも、泡盛ならではの特徴といえるでしょう。
泡盛の歴史
琉球(現在の沖縄県)で泡盛が造られ始めたのは、東南アジアを経由して西洋の蒸溜技術が伝わった15世紀ごろといわれています。泡盛は、酒税法上は焼酎のなかに含まれるお酒として定義されていますが、日本で焼酎造りが始まったのは16世紀に入ってからのこと。じつは、焼酎よりも泡盛のほうが古くから造られ、親しまれてきたお酒なのです。そのため、泡盛は「日本最古の蒸溜酒」といわれています。
泡盛の名前の由来
泡盛という名前の由来には諸説あります。
サンスクリット語で「酒」を意味する「アワムリ」が転じて泡盛になったという説や、米のほかに粟を原料に使っていて、「粟盛り」が泡盛になったという説などさまざま。
なかでも有力視されているのは、「アルコール度数を計る手法から泡盛の名が生まれた」とする説です。かつて、蒸溜酒のアルコール度数は、高い位置から器に注いだときの泡立ち具合で決めていました。このとき、高アルコールで質の高い酒ほど泡が盛り上がったそう。その様子から、「泡盛」と名づけられたといわれています。
泡盛のアルコール度数はどのくらい?
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泡盛のアルコール度数の上限とは
本格焼酎のアルコール度数が20~25度程度に対し、一般的な泡盛のアルコール度数は30度前後。なかには40度を超える高アルコールのものもあります。しかし、酒税法によって単式蒸溜焼酎のアルコール度数は45度以下と規定されています。つまり、泡盛のアルコール度数の上限は45度となります。
ちなみに、焼酎や泡盛のアルコール度数の違いは、加水によるもの。「割水」という製造工程で、造り手がもっともおいしく飲めるアルコール度数に調整されているのです。
アルコール度数の低い泡盛と高い泡盛
焼酎と比べてアルコール度数が高いイメージのある泡盛ですが、近年は、アルコール度数が低めの泡盛も登場しています。それが、「マイルド」に分類される泡盛です。
「マイルド」と名乗るための条件は、泡盛の公正競争規約によって、アルコール度数25度以下に調整することと定められています。
その一方で、与那国島伝統の「花酒」は、アルコール度数が60度を超えます。ただし、45度以下という規定から外れるため、酒税法上は泡盛ではなくスピリッツに分類されています。
泡盛の熟成年数とアルコール度数
泡盛は熟成年数によって、大きく新酒と古酒(クース)にわけられます。
◇新酒
熟成期間3年以内のもの。アルコール度数は30度程度。
◇古酒(クース)
蒸溜後3年以上長期熟成させたもの。アルコール度数は43度のものが多い。
前述のとおり、一般的な泡盛のアルコール度数は30度程度ですが、古酒のなかには、アルコール度数43度のものが多くあります。43度が多い理由は、貯蔵・熟成させている間に1~2度ほどアルコール度数が変化することがあり、規定の45度を超えないように配慮されているためといわれています。しかし、はっきりしたことはわかっていません。
なお、新酒よりも高アルコールの商品が多い古酒ですが、飲みやすいようにアルコール度数を調整した、「マイルド」な古酒も販売されています。
泡盛の銘柄をアルコール度数別に紹介
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泡盛の代表銘柄をアルコール度数別にラインナップ
泡盛の代表的な銘柄である「残波(ざんぱ)」「春雨(はるさめ)」「久米仙(くめせん)」を、アルコール度数別にいくつか紹介します。
【残波】
◇残波ホワイト25度
通称「ザンシロ」。クセが少なく、透明感のあるすっきりした味わいと、フルーティーな香りが特徴です。
◇残波ブラック 30度
通称「ザンクロ」。厚みのある味わいとバランスのとれたコク、芳香な香りをたのしめる、飽きの来ない泡盛です。
◇残波 43度
古酒と新酒(一般酒)をブレンドした泡盛。芳醇な香りと奥深いコク、ほのかな甘味が特徴の、重厚な1本です。
◇残波プレミアム五年古酒
5年熟成の古酒。アルコール度数は35度で、長期熟成ならではの芳香な香り、芳醇な味わいを堪能できます。
有限会社比嘉酒造
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【春雨】
◇春雨 マイルド
アルコール度数25度の飲みやすい泡盛。やわらかい口当たりで、ほのかに立ち上る香りと幅のある味わいをたのしめます。
◇春雨 カリー
2~3年熟成させた泡盛でアルコール度数は30度。グラスに注いでからしばらくすると、バニラのような風味が現れます。濃厚で複雑な香りとやわらかな口当たりも特徴。
◇春雨 ラメ
老麹(ひねこうじ)を使用し、古酒のような熟成感を表現した、熟成期間2~3年の泡盛。バニラ系の香りとまろやかで深みのある、洗練された味わいを堪能できます。アルコール度数は43度。
宮里酒造所
公式サイトなし
【久米仙】
◇久米仙 奴樽蔵 25度
樫樽で貯蔵熟成させた琥珀色の泡盛。軽い口当たりで、樫樽特有の豊かな香りとまろやかな風味をたのしめる、久米仙酒造の人気商品です。
◇久米仙 ブラック古酒 30度・43度
古酒ならではのまろやかな口当たりで、甘く芳醇な香りと、とろみのある濃厚な味わい、豊かな余韻をたのしめます。原酒に近い43度は、より華やかで奥深いコクを満喫できます。
◇久米仙 十年熟成古酒 六角 41度
熟成期間10年の古酒。グラスに注いだあとにしばらく置いておくと、バニラを思わせる甘い香りが立ち上り、口に含めば甘い味わいが広がります。
久米仙酒造株式会社
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スピリッツに分類される与那国島の「花酒」
日本最西端の与那国島で古くから親しまれてきた「花酒」。アルコール度数を計るときに、高い位置から器に注ぐと、まるで白い花が咲き誇っているように見えたことから、「花酒」と名づけられたといわれています。「花酒」は60度の高アルコール度数が特徴で、与那国島のみに製造が認められています。
【与那国】
与那国島でもっとも古い蒸溜所といわれている崎元酒造所の「花酒」。甘く華やかな香りが特徴で、まろやかな口当たりをたのしめます。水で割ると白くにごります。
崎元酒造所
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【どなん60度】
国泉泡盛合名会社が造る「花酒」。パンチのある力強い味わいが特徴ですが、芳醇な香りとまるみのある濃厚な旨味もたのしめます。
国泉泡盛合名会社
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泡盛のアルコール度数はさまざま。アルコール度数の高いものと低いものでは、印象も大きく変わります。とはいえ、全体的にはアルコール度数が高いものが多いので、飲みすぎには注意して、味わいの違いをたのしんでみてください。