今さら聞けない? 日本のウイスキー蒸溜所ってどこにあるの?

今さら聞けない? 日本のウイスキー蒸溜所ってどこにあるの?
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ハイボールブームやNHKの連続テレビ小説「マッサン」などの影響を受け、国内ウイスキーの人気は止まるところを知りません。今回は、世界も羨む高い品質のジャパニーズウイスキーを製造している、日本各地のウイスキー蒸溜所について紹介していきます。

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ウイスキー蒸溜所は日本国内にどのくらいあるの?

ウイスキー蒸溜所は日本国内にどのくらいあるの?

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ウイスキー蒸溜所は国内に何か所ある?

現在、国内には約40か所以上のウイスキー蒸溜所が存在します(2020年8月時点)。

かつて、ウイスキー蒸溜所は今以上に存在していましたが、時代の移り変わりとともに、自社での蒸溜を止めたりするなど、多くの蒸溜所がその歴史に幕を下ろしてきました。

現存するウイスキー蒸溜所のなかで、とくに有名なのが、ニッカウヰスキーやサントリーなどが所有する6つの蒸溜所です。それぞれの蒸溜所の特徴を紹介しましょう。

日本有数のウイスキー蒸溜所とその特徴1:ニッカウヰスキー

【ニッカウヰスキー余市蒸溜所】

「日本のウイスキーの父」とも称される竹鶴政孝氏は、スコットランドに似た冷涼な気候、豊かな水源、凛と澄んだ空気を併せ持つ、北海道・余市を夢の出発点に選びました。モルトウイスキーの原料である大麦や、ピート(草炭)が豊富であったことも理由のひとつです。代表銘柄は「余市」。

【ニッカウヰスキー宮城峡蒸溜所】

竹鶴政孝は、かねてから「異なる蒸溜所で生まれた複数の原酒をブレンドすることで、ウイスキーはより味わい深く豊かになる」という信念を抱いていました。そこで目をつけたのが、ローランドスタイルのウイスキーを造るのに理想的な環境が整う、宮城県・宮城峡です。代表銘柄は「宮城峡」。

ニッカウヰスキー株式会社

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日本有数のウイスキー蒸溜所とその特徴2:サントリー

【サントリー山崎蒸溜所】

サントリーの創業者、鳥井信治郎氏の熱い想いから生まれた日本初のモルトウイスキー蒸溜所です。京都の南西に位置するこの蒸溜所は、桂川、宇治川、橘川が合流する湿潤な環境で、ウイスキー造りの理想郷とも呼ばれています。代表銘柄は「山崎」。

【サントリー白州蒸溜所】

サントリーは、「山崎」とは異なるタイプのモルトウイスキー原酒を求めて、日本有数の名水地・山梨県白州に第2のモルトウイスキー蒸溜所を1973年に開設。白州蒸溜所の稼働により、サントリーはより奥深く多彩な味わいのウイスキーを造り出すことに成功しました。代表銘柄は「白州」。

サントリーホールディングス株式会社

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日本有数のウイスキー蒸溜所とその特徴3:キリン、マルス

【キリンディスティラリー 富士御殿場蒸溜所】

静岡県御殿場市にあるこの蒸溜所は、モルトウイスキーとグレーンウイスキーの仕込みからボトリングまでを一貫して行う、世界でも数少ない蒸溜所です。代表銘柄は「富士山麓」。

キリンディスティラリー 富士御殿場蒸溜所

「富士山麓」は国境を越えた蒸溜技術が結実したブレンデッドウイスキー

【マルス信州蒸溜所】

鹿児島の焼酎メーカー「本坊酒造」は、「いつか日本の風土を活かした本物のウイスキーを造りたい」という想いから、標高約798メートルの長野県中央アルプス駒ヶ岳山麓に蒸溜所を構えました。霧が多く、冬は氷点下15度を下回る日も珍しくないこの地には、ウイスキー造りに適した軟水が湧き出しています。代表銘柄は「マルスウイスキー 3&7」。

本坊酒造株式会社 マルス信州蒸溜所

「マルスウイスキー」は80年代の地ウイスキーブームの火つけ役

ウイスキーの蒸溜所が増えてきている理由は?

ウイスキーの蒸溜所が増えてきている理由は?

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世界で高まるジャパニーズウイスキーの評価

2001年、英「ウイスキーマガジン」誌が行ったコンテストで、ニッカウヰスキーの「シングルカスク余市10年」が総合1位に、サントリーの「響21年」が総合2位に輝きました。この成果に、世界のウイスキー愛好家が驚き、賞賛を送ったそう。これが、ジャパニーズウイスキーが注目されるようになったきっかけといわれています。

2013年には「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録され、日本の食文化が世界中から注目されるようになりましたが、もちろんジャパニーズウイスキーも例外ではありません。

さらに、2015年には、ウイスキー評論家のジム・マーレイが、自著「ワールド・ウイスキー・バイブル」で、世界最高のウイスキーに「山崎シェリーカスク」を選出しました。これにより、ジャパニーズウイスキーへの需要がさらに高まったのです。

ウイスキー人気の高まりと相反して深刻な原酒不足

ジャパニーズウイスキーの人気の高まりに加え、急増するインバウンドの増加なども関係しているといわれています(2020年8月時点でのインバウンド需要は、コロナの影響で低下しています)。

さらに、国税庁の公表によると、日本の酒類輸出金額は7年連続(2018年時点)で過去最高を更新。そのうち、ウイスキーの輸出額は約150億円と清酒に次いで多くなっています。それだけ、ジャパニーズウイスキーは、海外からの需要が増加しているのです。

その反面、急激なウイスキー人気の高まりにより、とくに有名企業のウイスキーが原酒不足となっていて、供給が間に合っていないのがウイスキー市場の現況です。

つまり、国内外でのジャパニーズウイスキーの需要の高まりと、原酒不足を背景に、商機を求めて新規参入が増えてきていると考えられます。

新規参入蒸溜所が相次ぐウイスキー業界

新規参入蒸溜所が相次ぐウイスキー業界

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日本酒蔵元も手がけるウイスキー蒸溜所

近年では日本酒の蔵元が手がける蒸溜所も増えています。いくつか代表的な蒸溜所を紹介しましょう。

【ベンチャーウイスキー 秩父蒸溜所】

肥土(あくと)伊知郎氏が経営するベンチャーウイスキーは、国内でも数少ないウイスキー専業メーカーです。埼玉県秩父市にある秩父蒸溜所で、日本を代表する人気の地ウイスキー「イチローズモルト」を醸造しています。
2020年4月には、世界でもっとも権威があるとされる、イギリスのウイスキー品評会「ワールド・ウイスキー・アワード(WWA)」にて、4年連続で世界最高賞を受賞。輝かしい快進撃に、世界から熱い視線が注がれています。

製造元:株式会社ベンチャーウイスキー 秩父蒸溜所
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【若鶴酒造 三郎丸蒸留所】

若鶴酒造が、昭和27年(1952年)にウイスキーの酒造免許を取得して設立された三郎丸蒸留所は、北陸で唯一のウイスキー蒸溜所です。400年続く銅器製造の歴史を活かして、世界初の鋳造製ポットスチル「ZEMON」を開発した蒸溜所としても知られています。
日本酒の蔵元ならではの技術を用いて、フルーティーなエール酵母(ビール酵母)を使用しているのが特徴です。

若鶴酒造株式会社 三郎丸蒸留所

【笹の川酒造 安積蒸溜所】

日本酒「笹の川」の銘柄で知られる笹の川酒造では、戦後間もない昭和21年に安積蒸溜所を設置し、東北最古の「地ウイスキー蒸溜所」として、全国でも珍しい地ウイスキーの製造に力を注いでいます。
安積蒸溜所では、モルトの粉砕から蒸溜、ブレンドまでの工程が、江戸時代から続く日本酒の蔵内で完結させています。

笹の川酒造株式会社

【宮下酒造 岡山蒸溜所】

総合酒類メーカーを目指す宮下酒造は、2015年にドイツ製のウイスキー単式蒸溜機を導入し、本格稼働を始めました。
原料には、岡山県産の二条大麦麦芽を使用。上品な香りと、混じりけのない爽やかな味わいがたのしめる、贅沢なシングルモルトウイスキーとして好評です。

宮下酒造株式会社

【木内酒造 八郷蒸溜所】

茨城県・筑波山の麓に位置する木内酒造八郷蒸溜所は、2020年春に稼働したばかりの蒸溜所です。
フルーツライン沿いにある蒸溜所の背後に、新たな貯蔵庫の建設予定があったり、原料の一部にソバを用いる計画を立てていたりと、今後の動向から目を離すことのできない蒸溜所のひとつです。

木内酒造合資会社 八郷蒸溜所

注目度上昇中!新規参入のウイスキー蒸溜所

最後に、目まぐるしい発展をみせるウイスキー業界に新たに参入した、注目の2企業を紹介しましょう。

【ガイアフロー静岡蒸溜所】

2012年設立のガイアフロー株式会社が経営する「ガイアフロー静岡蒸溜所」は、“オクシズ”と呼ばれる静岡県の奥座敷に2016年8月に誕生しました。
ガイアフローでは、購入者自らが熟成具合を見極める「プライベートカスク」サービスを提供していて、誕生日や成人式、会社の創立記念日などのアニバーサリーに重宝されています。

ガイアフロー株式会社

【堅展実業(けんてんじつぎょう) 厚岸(あっけし)蒸溜所】

海風の当たる北海道・厚岸(あっけし)に2016年に新設された「堅展実業厚岸蒸溜所」も、ジャパニーズウイスキーの歴史に新たな1ページを刻もうとしている蒸溜所のひとつです。
2020年に誕生した、厚岸蒸溜所初のシングルモルトウイスキー、「厚岸ウイスキー SARORUNKAMUY(サロルンカムイ)」は、ストロベリーチョコレートを連想させる風味と、スパイシーかつ爽やかな余韻が特徴。「サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション(SWSC)2020」において最優秀金賞を受賞しています。

堅展実業株式会社 厚岸蒸溜所

酒離れが叫ばれる一方で、ウイスキーの消費量は増加傾向にあります。ジャパニーズウイスキーのブランド価値がさらに高まれば、ニーズに合わせて国内蒸溜所の数もまた増えるかもしれません。ジャパニーズウイスキーの動向からは、まだまだ目が離せませんね。

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