「山崎蒸溜所」はジャパニーズウイスキーのふるさと【ウイスキー用語集】

「山崎蒸溜所」はどこにある？

出典：サントリーサイト

山崎蒸溜所がある「山崎」とは、どんなところだろう？

山崎蒸溜所は、サントリーが1923年に建設に着手した、日本最古のモルトウイスキー蒸溜所です。
山崎蒸溜所が位置する「山崎」は、大阪府と京都府の境に位置する、大阪府三島郡島本町にあります。この地は古くから“名水の地”として知られ、蒸溜所近くの水無瀬神宮には「日本の名水100選」にも選ばれた「離宮の水」が湧き出します。“茶聖”と呼ばれた千利休も、この地に湧き出る水で茶を点てたと伝えられます。
また、宇治川、木津川、桂川の三川合流による湿潤な気候は、ウイスキーの熟成に適しています。良質な水と自然環境が織りなす「山崎」はウイスキー造りの理想郷と言えるでしょう。

ジャパニーズウイスキーはこの地から始まった

山崎蒸溜所は、サントリーの創業者、鳥井信治郎氏が、国産ウイスキーの製造にふさわしい地を求めてたどりついた場所。本格的なジャパニーズウイスキーの歴史は、鳥井氏の「日本人の繊細な味覚にあった、日本のウイスキーを造りたい」という熱い想いと、ウイスキー造りに最適な山崎の地との出会いから始まりました。
やがて完成した山崎蒸溜所では、数え切れないほどの試行錯誤が重ねられ、1929年、ついに日本初の国産ウイスキー「白札」が誕生。さらなる改良が重ねられ、「角瓶」「オールド」そしてシングルモルト「山崎」といった、ジャパニーズウイスキーの代表銘柄が誕生していったのです。

「山崎蒸溜所」の魅力とは？

出典：サントリーサイト

山崎蒸溜所が造り分ける、多彩なウイスキー原酒

山崎蒸溜所のウイスキー造りの特徴のひとつが、世界でも類のないほど多彩なウイスキー原酒を造り分けていること。
発酵工程での木樽とステンレス発酵槽の使い分け、蒸溜工程での形状の異なる蒸溜釜の使い分け、貯蔵熟成時の多様な樽の使い分けなど、各工程での創意工夫により、多彩な味わいをもったウイスキー原酒が生み出され、サントリーの魅力的なラインアップを支えているのです。

山崎蒸溜所に受け継がれる卓越したブレンダーの技（わざ）

山崎蒸溜所の魅力を語るとき、忘れてならないのが、連綿と続くブレンダーの技の継承。この“匠の技”こそが、山崎蒸溜所が造り分ける多彩な原酒を巧みにブレンドし、「角瓶」「オールド」など魅力あるブレンデッドウイスキーへと仕上げるのです。
最適な原酒の組み合わせを導くだけでなく、ウイスキーの将来像を描きながら原酒を管理するのもブレンダーの仕事。山崎蒸溜所が将来にわたって魅力的なウイスキーを提供し続けられるかどうかも、ブレンダーの技にかかっているのです。

「山崎蒸溜所」の代表商品、シングルモルト「山崎」

出典：サントリー

山崎蒸溜所の名を冠したシングルモルト「山崎」

山崎蒸溜所の名を世界に知らしめたのが、1984年に誕生したシングルモルトウイスキーの「山崎」ブランドです。
シングルモルトとは、単一の蒸溜所で造られたモルト原酒のみをブレンドしたもの。ブレンデッドウイスキーが主流の時代に、あえてシングルモルトを発売したのは、創業者以来のチャレンジ精神ゆえだったのでしょうか。
「スコッチとは異なる、日本のシングルモルトはどうあるべきか」を問い続けた結果、ついに誕生した「山崎」は、“日本を代表するシングルモルト”として確たる地域を築いたのです。

世界的に人気が沸騰する「山崎」ブランド

「山崎12年」は、2003年に世界的に権威ある酒類コンペティション「ISC（インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ）」において日本初の金賞を獲得。「noble（高貴な）！」という賛辞も与えられ、一躍、ジャパニーズウイスキーの地位を世界レベルのものにしました。
その後も受賞歴を積み重ねるにつれて「山崎」の人気は世界的に急上昇。2015年のNHKドラマ「マッサン」の影響や、ハイボール人気に後押しされたウイスキー需要の高騰もあって、現在は入手困難な状況が続いています。

山崎蒸溜所は、日本で最初に国産ウイスキーの製造に成功した記念すべき“聖地”。サントリー創業者の熱い想いが築き上げたウイスキーの理想郷を、ぜひ一度は訪れてみてください。

高級ウイスキー【シングルモルトウイスキー 山崎（やまざき）】 日本を代表するシングルモルトウイスキー