「純米酒」が人気のわけは? 定義から見分けかたまで【日本酒用語集】

「純米酒」が人気のわけは? 定義から見分けかたまで【日本酒用語集】
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「純米酒」は、「米だけで純粋に造った日本酒」というイメージもあってか、日本酒好きの支持を集めています。では、「純米酒」とそれ以外の日本酒は何が違うのでしょう? 「純米酒」の定義や魅力、「アル添酒」との違いなどを改めて解説しましょう。

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「純米酒」の定義をおさらいしよう

「純米酒」の定義をおさらいしよう

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「純米酒」とは?

「純米酒」は、製造の過程で醸造アルコールなどを添加せず、米と米麹だけで造った日本酒のこと。
酒税法による正確な定義としては、以下の3つの条件を満たす必要があります。

1)米と米麹だけを原料とする
2)米麹の使用割合は15%以上
3)農産物検査法で三等以上に格付けされた米を使用

これに対し、醸造アルコールを添加した場合は「アルコール添加酒(アル添酒)」と呼ばれます。

純米酒の特徴は“米の旨味やコク”

純米酒の特徴は、米本来の旨味やコクのある味わいが力強く感じられること。
アル添酒が軽やかでスッキリした飲み口で「飲みやすい」と評価されがちなのに対し、純米酒は米の個性や味わいが前面に出やすいため「クセが強い」と取られることもあり、好みが別れるところではないでしょうか。

「純米酒」に分類される日本酒とその特徴

「純米酒」に分類される日本酒とその特徴

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「純米酒」系の特定名称酒は4種類

「純米酒」は、日本の酒税法における「特定名称酒」のひとつ。特定名称酒は、原料や精米歩合(原料米をどれだけ磨いたか)などによって8種類に分類されます。
大まかには、製造の過程でアルコールを添加していない「純米系」と、アルコール添加している「アル添系」に二分されます。
8つある特定名称酒のなかで純米酒系にあたるのは4つで、いずれも名称に「純米」とついています。「大吟醸酒」「吟醸酒」など「純米」とついていないものは「純米酒」ではありません。

【純米大吟醸酒】
精米歩合50%以下の純米酒。原料米をしっかり磨き上げているため、雑味がなく研ぎ澄まされた旨味をもつ日本酒が多いのが特徴です。吟醸造り特有の香りと旨味のバランスがよく、華やかな印象になります。

【純米吟醸酒】
精米歩合60%以下の純米酒。吟醸酒らしい花やフルーツのような華やかな香りと、透明感のあるふくよかな味わいは、お米が原料とは思えないほどのジューシーさを感じさせます。

【特別純米酒】
精米歩合60%以下、または特別な製造方法による純米酒。純米吟醸酒との違いがわかりづらいですが、日本酒を造るのに適した酒造好適米を50%以上使っていたり、「長期間低温熟成」など蔵元が考える“特別”な製法で造られた場合に「特別純米酒」と銘打たれます。蔵元の個性やこだわりが見えやすいのが特徴です。

【純米酒】
精米歩合の規定なし。米そのものの旨味や深いコクがたのしめます。2003年までは「精米歩合70%以上」とされていましたが、技術の向上により、精米歩合に関わらず、よい日本酒が造られるようになったことから撤廃されました。

「純米酒」と「アルコール添加酒」は何が違う?

「純米酒」と「アルコール添加酒」は何が違う?

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「純米酒」と「アル添酒」の製造方法の違い

日本酒は、原料である米のデンプン質を、米麹の酵素によって糖化させ、酵母の力でアルコール発酵させます。こうしてできた醪(もろみ)に醸造アルコールを添加したものが「アル添酒」です。
醸造アルコールを添加することで、軽やかな口当たりとキレのある味わいを生み出します。また、吟醸香はアルコールに溶けやすい性質があり、吟醸酒特有の華やかな香りが出しやすいというメリットもあります。

「純米酒」と「アル添酒」はめざす味わいが違う

「純米酒」は、お米本来の旨味や風味をしっかりと味わうことができる日本酒をめざして造られたもの。一方で「吟醸酒」や「本醸造酒」などの「アル添酒」は、スッキリとした飲み口や、香りをたのしむ方向性の日本酒と言えます。
「純米酒」と「アル添酒」は、造り手のめざす方向性が違っているだけで、必ずしもどちらが上等と言えるものではありません。飲み手に日本酒の多様な選択肢を与えるバリエーションなのです。

「純米酒」と合わせて、比較されやすい「アル添酒」も含めて解説してきましたが、どちらもそれぞれ異なる魅力があります。どちらが好みか、自分の舌で試してみてはいかがでしょうか。

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