福島の日本酒【大七(だいしち)】生もと造り一筋のこだわり

福島の日本酒【大七(だいしち)】生もと造り一筋のこだわり
出典 : 大七酒造サイト

「大七」は、観光スポット「日影の井戸」で有名な福島県二本松市で産まれた日本酒。そのおいしさは世界的に評価され、さまざまな料理とのマリアージュがたのしまれています。大七のおいしさの秘密や、その背後にある環境を探ってみました。

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「大七」は醸造酒としての普遍的価値をめざした酒

「大七」は醸造酒としての普遍的価値をめざした酒

出典:大七酒造サイト

「大七」を手掛ける大七酒造は江戸時代中期の宝暦2年(1752年)に創業した歴史ある蔵元。「日本酒の価値は原料によるものだけではなく、造り手にゆだねられる」という考えのもと、長きにわたって真摯な酒造りを続けてきました。

大七酒造がめざすのは、「力強さ」と「洗練」という、相反する魅力を兼ね備えた、いわば醸造酒としての「普遍的な価値」を備えた酒造り。この理想を追求した結果、たどり着いたのが、伝統的な醸造法「生もと造り」という答えでした。

「生もと造り」とは、発酵のもととなる酵母を育てる際に、人工の乳酸を使用して合理化・省力化するのでなく、自然の微生物のはたらきを大切にする手法のこと。手間と時間がかかる一方で、複雑ながらも調和のとれた味わいを生み出します。
この「生もと造り」へのこだわりこそ、大七酒造の個性であり、最大の強みでもあるのです。

「大七」はフランスの三ツ星シェフも認めた酒

「大七」はフランスの三ツ星シェフも認めた酒

出典:大七酒造サイト

「大七」の魅力は、「生もと造り」ならではの豊かな旨味と酒質の強さ、そしてどんな料理にも合う懐の深さです。あっさりした日本料理はもちろん、油分が強い西洋料理にも負けない食中酒として、世界的にも注目されています。

その実力は「食事のなかで活きる酒」として、フランスの三ツ星シェフからも称賛を得るほど。世界の名だたる逸品に引けをとらない存在感で、日本酒の世界進出をあと押しした銘柄のひとつともいわれています。

伝統的な「生もと造り」へのこだわりと、海外に日本酒の魅力を発信した功績が認められ、大七酒造は2018年に「第七回ものづくり日本大賞」経済産業大臣賞に輝きました。この賞は、日本のものづくりの継承・発展を目的としたもので、今回の受賞は、大七酒造の酒造りが、日本を代表するものと認められた証といえるでしょう。

「大七」を育んだ二本松は国内有数の名水地

「大七」を育んだ二本松は国内有数の名水地

出典:大七酒造サイト

「大七」を育んだ二本松市は、東には阿武隈山地、西には安達太良山を仰ぎ、東西に長い形をしています。安達太良山麓から湧出するのは、日本有数の名水として知られる良質な地下水。良質な米がとれる地域でもあったことから、古くから酒造業の町として栄えてきました。

大七酒造は、将来にわたって理想の酒造りを続けていくために、酒造りに恵まれた自然環境を守り抜く信念を掲げています。

創業250周年を記念して新しい社屋を建設する際にも、「地下水脈を守ること」「仕込み蔵は従来の形で残すこと」「新しい蔵は未来まで存続できるものであること」と、厳しい基準を設けました。

ここまでの労力をかけることで、ようやく、日本が誇る酒造りを子の代、孫の代まで引き継ぎ、世界で愛される品質を維持できるのでしょう。

「大七」のような日本酒が世界の称賛を集めるのは、日本人として誇らしく感じるところです。和洋を問わずにどんな料理にも合うコクと旨味を、ぜひ一度体験してみてください。

製造元:大七酒造株式会社
公式サイトはこちら

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