「特別純米酒」は何が「特別」なの? 【日本酒用語集】

「特別純米酒」は何が「特別」なの? 【日本酒用語集】
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「特別純米酒」がなぜ「特別」と呼ばれるのか知っていますか? 「特別純米酒」を飲んだことがあっても、その定義や「純米酒」との違いを知らない人も多いことでしょう。今回は、「特別純米酒」の特徴や「純米酒」との違い、人気銘柄などを紹介します。

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「特別純米酒」の定義とは?「純米酒」とどう違う?

「特別純米酒」の定義とは?「純米酒」とどう違う?

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「特別純米酒」は特定名称酒のひとつ

「特別純米酒」は、「特定名称酒」と呼ばれる日本酒のひとつです。特定名称酒とは、米・米麹を用いて発酵させて造ったもろみを濾して造る「清酒」のなかでも、原料や精米歩合(精米して残った米の割合)、醸造アルコールの使用量など、さまざまな条件をクリアしたものを指します。

特定名称酒は、原料や製造方法によって、純米酒系、吟醸酒系、本醸造酒系の3タイプ、計8種類に分類されます。このうち、「特別純米酒」は、純米酒系に分類されるお酒です。

「特別純米酒」を含む純米酒系のお酒の条件

特定名称酒である純米酒系のお酒には、「純米酒」や「特別純米酒」などがあります。純米酒系のお酒は、醸造アルコールを添加せず、米、米麹、水だけで造られるため、米本来の旨味をたのしめるのが特徴です。

なお、「純米」とつくお酒には、「純米吟醸酒」「純米大吟醸酒」という純米酒と吟醸酒の特徴を併せ持つタイプもありますが、これらにはさらに「吟醸造り」で醸すことなどの条件が定められています。

特定名称酒には、精米歩合についても基準が設けられています。純米酒系のお酒のうち「純米酒」に規定はありませんが、「特別純米酒」は60%以下または特別な醸造方法で醸すことが条件。

このほか、ランクが3等以上の玄米を精米して使用すること、麹米の割合が15%以上であることなどの条件も満たす必要があります。

「特別純米酒」に規定されている精米歩合とは

「特別純米酒」には、「純米酒」には設けられていない精米歩合についての条件が規定されていますが、この精米歩合は日本酒にどのような影響を与えるのでしょうか。

一般的に、精米歩合が低いほど、雑味が取り除かれてクリアな味わいとなり、華やかな香りが際立つようになるといわれています。「特別純米酒」の精米歩合の条件は、基本的には60%「以下」なので、銘柄によってはもっと磨くことも可能です。ただし、精米歩合は低いほうがよいとは一概にはいい切れません。

ちなみに、どの特定名称酒を名乗るかどうかは各蔵元に委ねられているため、精米歩合60%以下という条件を満たしていても、「特別純米酒」ではなく、あえて「純米酒」として販売されている銘柄もあります。


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「特別純米酒」を名乗るための「特別な醸造方法」とは?

「特別純米酒」を名乗るための「特別な醸造方法」とは?

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「特別な醸造方法」について確認する前に、条件をおさらい

「特別純米酒」には、特別な醸造方法で醸すことという条件があります。その説明をする前に、もう一度「純米酒」と「特別純米酒」の条件をかんたんに確認しましょう。

◇純米酒
原料は米、米麹、水のみ。精米歩合に規定なし。ただし、ラベルに精米歩合を記載する必要があります。
◇特別純米酒
原料は米、米麹、水のみ。かつ、精米歩合60%以下または特別な醸造方法で醸すことが条件です。

つまり、「純米酒」と「特別純米酒」の原料は同じです。「純米酒」に「特別」とつけてもよいのは、「精米歩合60%以下」か「特別な醸造方法」で醸すという条件を満たした場合に限ります。

「特別な醸造方法」で醸せば「特別純米酒」を名乗れる

「特別純米酒」には、精米歩合60%以下という規定がありますが、これには例外があります。特別な醸造方法で造られた「純米酒」は、精米歩合が60%以下でなくても、「特別純米酒」を名乗ることができるのです。

この特別な醸造方法についてはとくに決まりはなく、どのような醸造方法を「特別」とするかは、蔵元の判断に任されています。ただし、原料や製造方法など、どこが特別なのかをラベルなどに表示しなければなりません。

「特別純米酒」のおすすめ銘柄

「特別純米酒」のおすすめ銘柄

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「特別純米酒」の魅力や選び方、たのしみ方

「特別純米酒」を含む純米酒系の日本酒は、米の旨味をしっかりと感じられるものが多く、熱狂的なファンも少なくありません。和食などの食事に合わせやすい銘柄が多いのも魅力のひとつといえます。

「特別純米酒」は、米そのものの味わいが重要な鍵となる日本酒なので、原料となる米の品種にこだわって選ぶのもおすすめです。岡山県の日本酒なら「雄町(おまち)」など、蔵元の所在地の米が使われている銘柄なら、より地酒らしさを堪能できるはず。

また、「特別純米酒」には、前章で述べたような「特別」な「純米酒」である理由がラベルに表示されている場合があります。「特別純米酒」を飲むときはラベルにも注目して、どのようなこだわりが込められた日本酒なのかをチェックするのもたのしいですよ。

「特別純米酒」の人気銘柄

「特別純米酒」の人気銘柄は数多くありますが、ここでは、とくに人気の高い銘柄のなかから3つを紹介します。

【酔鯨 特別純米酒】

高知県にある酔鯨酒造が醸す「酔鯨 特別純米酒」は、全国的に人気の高い銘柄です。毎日の晩酌に合う食中酒をめざしたという「酔鯨 特別純米酒」は、和食などの食事との相性も抜群。精米歩合は55%で、酸味とキレのある味わいが魅力です。

製造元:酔鯨酒造株式会社
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【特別純米酒 田酒】

青森県にある蔵元、西田酒造店の人気銘柄「田酒」は、その名のとおり、地元の田んぼで収穫された米のみを使用するという、米へのこだわりの強い純米酒。「特別純米酒 田酒」は、青森県産の「華吹雪」を精米歩合55%で使用。米の旨味を豊かに感じられる、飲み飽きしないすっきりとした味わいが特徴です。

製造元:株式会社西田酒造店
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青森の日本酒【田酒(でんしゅ)】日本酒の原点に帰る酒

【鍋島 特別純米酒】

佐賀県の蔵元、富久千代酒造の人気銘柄である「鍋島」シリーズのなかでも、「鍋島 特別純米酒」は定番というべき日本酒です。原料に「佐賀の華」「山田錦」「雄山錦(おやまにしき)」といった酒造好適米を、精米歩合55%で使用。軽快な旨味と爽やかな酸味、キレのよさが魅力で、食中酒にもぴったりです。

製造元:富久千代酒造有限会社
公式サイトはこちら

幻の日本酒【鍋島(なべしま)】世界が認めた佐賀の酒

「特別純米酒」は、米、米麹、水だけを使用し、精米歩合や醸造方法にもこだわりをもって造られる純米酒系のお酒です。どのような点に蔵元のこだわりがあるのか、原料米や醸造方法に注目して選ぶのもたのしそうですね。

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