「鍋島(なべしま)」世界が認めた佐賀の酒
「鍋島(なべしま)」は、佐賀県の蔵元・富久千代(ふくちよ)酒造が「地元で長く愛される地酒」をめざして造った日本酒です。入手困難なことから「幻の酒」とも呼ばれています。国内外で数々の賞を獲得している日本酒「鍋島」。その魅力に迫ります。
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「鍋島(なべしま)」とは?
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「鍋島」は、佐賀県の蔵元・富久千代(ふくちよ)酒造が手掛ける日本酒ブランドです。
その酒名は、江戸時代に佐賀藩主を代々務めた鍋島氏に由来します。ともすれば、鍋島氏が佐賀を治めていた当時から造られていた歴史のあるお酒というイメージが持たれがちですが、「鍋島」は比較的新しいブランドで、平成10年(1998年)に誕生しています。
製造責任者を務める飯盛直喜(いいもりなおき)氏のもと、少人数でていねいに醸されている「鍋島」は、極上の味わいを持つ日本酒として知られています。しかし、生産量が限られているため、現在、入手困難なお酒となっています。
「鍋島(なべしま)」の種類
数ある「鍋島」ブランドの日本酒から、おすすめの10本を紹介します。
鍋島 特別本醸造
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やわらかで質のよい甘味と、さらりとキレていくあと味のバランスが絶妙な甘口のお酒。佐賀で愛飲されている甘口のなかでは上品な米の旨味を感じられるお酒です。常温、冷やして、ぬる燗でと、たのしみ方の幅も広い人気酒です。
アルコール度数/15度
販売価格(参考) /1,800ミリリットル2,420円(税込)、720ミリリットル1,265円(税込)
鍋島 清酒肥州
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酒造好適米の王様「山田錦」を精米歩合60%で使用した贅沢な普通酒。「ブルーラベル」とも呼ばれています。飲み飽きしないすっきりとした味わいのなかに、奥行きも感じさせる辛口のお酒で、香りは穏やか。食中酒としてもおすすめの1本です。
アルコール度数/15度
販売価格(参考)/1,800ミリリットル2,035円(税込)
鍋島 特別純米酒
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「山田錦」と地元・佐賀生まれの酒造好適米「さがの華」を55%の精米歩合で使用した、「鍋島」ブランドの代表酒のひとつ。品のよい香りと透明感を感じさせる旨口のお酒で、食事とともにたのしめます。
アルコール度数/15度
販売価格(参考)/1,800ミリリットル2,970円(税込)、720ミリリットル1,571円(税込)
鍋島 大吟醸
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新鮮なフルーツを想わせる香りと上品な甘味、旨味がたまらない至高の逸品。IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)のSAKE部門で最高賞 「チャンピオン・サケ」に輝き、「鍋島」の名を国内外に広めました。
アルコール度数/17度
販売価格(参考)/1,800ミリリットル5,940円(税込)、720ミリリットル3,300円(税込)
鍋島 純米吟醸 雄町
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岡山県赤磐町産の「雄町(おまち)」を精米歩合50%で使用。ふくよかな香りとともに、豊かな「雄町」の旨味がたっぷり味わえます。心地のよい酸味が、後口のキレのよさを引き出しているのも特徴です。冷や、常温、ぬる燗とはばひろくたのしめます。
アルコール度数/16度
販売価格(参考)/1,800ミリリットル3,850円(税込)、720ミリリットル2,035円(税込)
鍋島 純米大吟醸 きたしずく
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北海道の酒造好適米で、雑味の少ないやわらかな味のお酒になりやすいという「きたしずく」を使用。米の旨味と甘味がほどよく調和し、「きたしずく」の親のひとつ「雄町」を思わせるふくらみも感じさせます。
アルコール度数/16度
販売価格(参考)/1,800ミリリットル6,380円(税込)、720ミリリットル3,300円(税込)
鍋島 純米吟醸 五百万石
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「オレンジラベル」とも呼ばれる純米吟醸酒。生酒だけの出荷(11月~4月)です。五百万石を使用。ほのかな甘味を感じさせる果実香と、やわらかでふくらみのある味わい、すっきりとした後口がたまらない「鍋島」ブランドの人気の1本。
アルコール度数/16度
販売価格(参考) 1,800ミリリットル 3,300円(税込)、720ミリリットル1,766円(税込)
鍋島 純米大吟醸 愛山
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「山田錦」と「雄町」を祖父母に持つ酒造好適米「愛山(あいやま)」を100%使用。華やかな香りと、米由来のジューシーな旨味が堪能できる純米大吟醸酒です。「鍋島」ブランドならではの上品な余韻もたのしめます。
アルコール度数/16度
販売価格(参考)/1,800ミリリットル6,600円(税込)、720ミリリットル3,465円(税込)
鍋島 純米吟醸 山田錦
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「山田錦」を精米歩合50%まで磨いて醸した純米吟醸酒で、「パープルラベル」とも呼ばれています。穏やかな果実香と、品がよく幅のある「山田錦」由来の旨味とが見事に調和する「鍋島」ブランドの看板酒。
アルコール度数/16度
販売価格(参考)/1,800ミリリットル 3,674円(税込)、720ミリリットル 1,925円(税込)
鍋島 吟醸 Summer Moon(サマームーン)
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「鍋島」ブランドの季節限定「ムーンシリーズ」のひとつ。その名のとおり、さわやかなキレが特徴的な辛口の夏酒です。フレッシュな香りとすっきりとした口当たり、酸味と甘味のハーモニーがたのしめます。
アルコール度数/15度
販売価格(参考)/1,800ミリリットル 3,300円(税込)、720ミリリットル 1,705円(税込)
※商品価格などは、記事執筆時点のものとなります。
購入の際には価格が異なる場合がありますのでご注意ください。
富久千代酒造の酒造り
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「鍋島」を手掛ける富久千代酒造は、製造責任者の飯盛直喜氏中心とする規模の小さな蔵元です。大手酒造メーカーのような大量生産はできないかわりに、努力を惜しまず、米の力を信じて仕込みを実践し、商品ごとの個性を大切にしたクリエイティブな酒造りを行っています。
酒質へのこだわりは強く、地元の良質な水と、全国各地の豊かな土壌で育った酒米を使用。やさしく五感を刺激しながら、すうっと体内に染み込むような「自然体のお酒」をモットーに造られた「鍋島」は、絶妙のバランスと深い味わいで全国の日本酒ファンをうならせています。
「鍋島(なべしま)」誕生秘話
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「鍋島」は、地元の酒販店との連携から生まれた日本酒です。
富久千代酒造の現3代目当主で、杜氏も務める飯盛直喜氏は、1980年代の後半から蔵の経営にあたっています。その当時、酒類小売業免許の規制が緩和 され、安い価格で酒類を販売するディスカウントショップやスーパーが台頭し始めていた時期で、地域の酒販店を中心とする従来の販売網が大きく変化し、日本酒業界は変革期を迎えていました。
このままでは生き残るのは難しいと考えた飯盛氏は、地元酒販店の若手後継者と手を携え、「佐賀を代表する地酒」「地元の人に愛され、地元の人がほこれる地酒」をめざして、新しい日本酒造りに着手します。試行錯誤を重ねた末、平成10年(1998年)にようやく誕生したのが「鍋島」です。
この銘柄名を決めるにあたっては、地元・佐賀の人々を対象に一般公募が行われています。たくさんの応募があるなか、佐賀にゆかりの深い鍋島氏の家名を冠する「鍋島」が選ばれました。
「鍋島(なべしま)」の輝かしい実績
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「鍋島」は、誕生してすぐに知名度と評価を高めたわけではありません。「鍋島」が現在のような入手困難な人気酒となったのは、2000年代に入ってからのことです。
きっかけは、平成14年(2002年)に開催された「国際酒祭りin Tokyo」でした。全国から多数の蔵元が参加したこのコンテストの純米酒部門で1位を獲得したことで、「鍋島」は一躍全国区の存在となります。翌平成15年(2003年)からは、7年連続で全国新酒鑑評会の「金賞」に輝き、その実力を日本中に知らしめました。
平成23年(2011年)には、イギリス・ロンドンで行われている世界有数のワイン品評会IWCのSAKE部門で、「鍋島大吟醸」が最高賞である「チャンピオン・サケ」に選出され世界的な知名度も向上。「地元に愛される佐賀の地酒を造りたい」という、蔵元の一途な想いから生まれた「鍋島」は、いつしか佐賀から九州、そして日本全国で認められ、ついには日本を代表する銘柄へと成長を遂げたのです。
ワールドクラスになっても、富久千代酒造はこれまでどおり日本酒ひとすじに、ていねいな酒造りを続けています。蔵元の飯盛氏が「『鍋島』は永遠に未完成」と語るように、日本酒造りにゴールはありません。年ごとに異なる米のでき映えを確かめながら、丹精込めた酒造りを行い、日本酒のさらなる高みをめざす――「鍋島」ブランドは、進化の歩みを止めることなく、地元・佐賀で、そして世界で愛され続けることでしょう。
人気が高い「鍋島」ブランドの日本酒は、入手困難な商品も多くありますが、富久千代酒造のサイトに掲載されている全国の特約店では、適正価格での購入が可能です。機会があればその至高の味わいをぜひ堪能してみてくださいね。
製造元:富久千代酒造有限会社
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