ウイスキーのアルコール度数はどれくらい? 度数が高い理由や飲み方、ほかのお酒との違いを紹介

ウイスキーのアルコール度数はどれくらい? 度数が高い理由や飲み方、ほかのお酒との違いを紹介
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ウイスキーのアルコール度数は高く、一般的な製品で40~43%ほどあります。ビールのアルコール度数は5%程度が主流なので、かなり強いお酒であることがわかります。今回はウイスキーのアルコール度数が高い理由や、飲み方で度数がどう変わるかなどについて紹介します。

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ウイスキーのアルコール度数はなぜ高いのか、その理由をみていきます。

ウイスキーはどのくらい強いお酒?

ウイスキーは強いお酒

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市販のウイスキーのアルコール度数は、およそ40~43%。原酒のアルコール度数はさらに高く、ボトリングする際に調整されています。ほかのお酒の平均的なアルコール度数をみてみると、ビールは約5%、ワインは約12~14%なので、ウイスキーがかなり強いお酒であることがわかります。

ウイスキーのアルコール度数の平均は?

ウイスキーのアルコール度数は、一般的な製品で約40~43%です。これには、ウイスキー生産国の法律が関係しています。

ウイスキーは基本的に各国で定められた厳しい定義に基づいて造られています。度数についての規定がある場合は、当然それに従わなければなりません。たとえば、スコットランドのスコッチウイスキーやアメリカのアメリカンウイスキーでは、最低瓶詰めアルコール度数40%以上と規定されています。

度数以外の定義を含めて条件をひとつでも満たさないものは、「スコッチウイスキー」や「アメリカンウイスキー」と名乗ることはできません。

また、スコッチウイスキーでは度数43%の製品をよくみかけますが、これは19世紀に標準的アルコール度数が「75ブリティッシュプルーフ(43%)」と定められたことに由来します。

ウイスキーの度数は平均約40~43%

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日本のウイスキーはスコッチウイスキーをお手本としているため、アルコール度数40%または43%が一般的。ただし、日本にはウイスキーの度数に関する製法上の定義がないため、37~39%のウイスキーも販売されています。なお、酒税については日本の酒税法に規定があり、税率は度数によって変動します。

ちなみに、市販のウイスキーは通常、原酒に加水して度数が調整されていますが、「カスクストレングス」と呼ばれる製品は樽出しのままのアルコール度数で瓶詰めされています。加水調整されていないためアルコール度数は55~60%ほどで、なかには60%を超えるものも。
原酒に近い味わいをたのしめるとあって、度数も価格も高めですが、カスクストレングスにこだわりを持つウイスキー通もいます。

ウイスキーはアルコール度数が高い

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ビールなどほかのお酒との度数の違い

ウイスキーのアルコール度数は40~43度くらいですが、ほかのお酒の度数はどのくらいなのでしょう。ビールのアルコール度数は5%程度が主流。ワインは12~14%程度、日本酒(清酒)は13~15%程度、焼酎は20%または25%のものが多く流通しています。

先ほど、ウイスキーにはアルコール度数について法律上の定義がないと説明しましたが、ビールやワインなどでは度数の上限が規定されています。日本の酒税法上の規定は以下のとおりです。

◇ビール:アルコール分が20度未満のもの
◇ワイン:アルコール分が20度未満のもの
◇清酒:アルコール分が22度未満のもの
◇焼酎(連続式蒸留焼酎):アルコール分が36度未満のもの
◇焼酎(単式蒸留焼酎):アルコール分が45度以下のもの

定義を外れたものは、「ビール」や「ワイン」、「焼酎」などと名乗ることはできません。たとえばアルコール度数が20度以上のビールやワインは、日本には存在しないことになります。また、焼酎の製法で造られたアルコール度数が45度を超えるお酒は、「原料用アルコール」に分類されるのが一般的です。

なお、日本の酒税法ではアルコール分1度以上の飲料を酒類と定義しているため、度数1%未満のお酒はありません。ウイスキーについても同じです。

酒類のアルコール度数

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ちなみに、ウイスキーのアルコール度数に関して日本の酒税法には規定はありませんが、「ジャパニーズウイスキー」を名乗る場合は、日本洋酒酒造組合が制定した自主基準を守ることが推奨されます。違反しても罰則はありませんが、「ジャパニーズウイスキー」の価値を守るために、大手酒造メーカーを中心に多くの企業が遵守しています。

アルコール度数についての基準は、「日本国内において容器詰めし、充填時のアルコール分は40度以上であること。」。これに従えば、40度未満のウイスキーは国産でも「ジャパニーズウイスキー」と表示することはできないことになります。

(参考資料)
日本洋酒酒造組合|自主基準

ウイスキーのアルコール度数が高いのはなぜ?

ウイスキーの度数が高い理由

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ウイスキーの平均的なアルコール度数や、ほかのお酒との度数の違いをみてきましたが、ではなぜウイスキーの度数は高いのか。その答えはずばり、蒸溜と呼ばれる製法にあります。一般的にビールなどの醸造酒よりも、ウイスキーをはじめとした蒸溜酒のほうがアルコール度数は高くなります。

アルコール度数は醸造酒より蒸溜酒のほうが高い

お酒は、製法の違いにより醸造酒と蒸溜酒に大きく分けられます。それぞれをかんたんに説明すると、醸造酒は、原料の糖分を酵母の力で発酵させてそのまま飲むお酒で、ビールやワイン、日本酒などがこれにあたります。蒸溜酒は醸造酒を加熱して蒸溜したもので、ウイスキーのほか、焼酎やブランデー、ジン、ラム、テキーラ、ウォッカなどが代表的です。

蒸溜装置

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アルコール度数は、蒸溜を行わない醸造酒よりも、蒸溜を行う蒸溜酒のほうが高くなります。蒸溜とは、もろみ(発酵液)を加熱して蒸発させ、蒸気を冷却して再び液体に戻す工程で、これにより純度の高いアルコールを抽出することができます。つまり、蒸溜によってアルコール濃度を高めることができるため、ウイスキーのような度数の高いお酒が造れるのです。

蒸溜方法で度数が変わる

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原酒の蒸溜方法によってもアルコール度数が違う

スコットランドや日本のウイスキーは、一般的に2種類の原酒から造られます。2種類とは、単式蒸溜で造る「モルトウイスキー」と連続式蒸溜で造る「グレーンウイスキー」のことで、アルコール度数がより高いのは後者のグレーンウイスキーです。

グレーンウイスキーのアルコール度数が高い理由は、連続式蒸溜機を使用するため。連続式蒸溜機は、もろみを連続的に投入して蒸溜する装置で、1回ずつしか蒸溜できない単式蒸溜機よりも雑味が取り除かれて、アルコール純度を高めることができます。それにより、アルコール度数90%以上の蒸溜液を得られます。

なお、連続式蒸溜機は、アメリカンウイスキーのバーボンやカナディアンウイスキーの製造工程でも使用されています。また単式蒸溜機は、アイルランドのポットスチルウイスキーなどでも用いられています。

ストレート?水割り?飲み方で変わるウイスキーのアルコール度数

飲み方でウイスキーの度数は変化

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ウイスキーのアルコール度数が40~43度というのは、瓶からグラスに注いでそのまま飲む場合の度数です。ロックや水割り、ハイボールと飲み方を変えれば、アルコール度数は変化します。割り材で割るとより飲みやすくなるのは、アルコール濃度が下がるためです。

ストレートウイスキーはアルコール度数が高い飲み方

瓶からグラスに注いでそのまま飲むのがストレート。氷を入れず、割り材でも割らないため、瓶詰めのときのアルコール度数と風味をダイレクトに味わえるのが魅力です。

ストレートでは刺激が強すぎる場合は、氷を入れてロックにするのも手。といっても、時間の経過とともに氷が溶けてアルコール度数がやわらぐとはいえ、やはり割り材で割るより度数は高めです。ストレートやロックで飲む場合は、ミネラルウォーターなどのチェイサーと交互に、少しずつゆっくり味わうことをおすすめします。

なお、通好みのカスクストレングスもストレートでたのしまれていますが、前述のとおり60%を超えるものもあり無理は禁物。一般的なウイスキーよりも度数が高いぶん刺激も強いので、少しずつ加水しながらチビチビと味わうのが、おいしく飲むコツです。

ウイスキーとチェイサー

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ウイスキーを水などで割るとアルコール度数の低い一杯に

ウイスキーをミネラルウォーターや炭酸水などの割り材で割ると、アルコール度数が下がって初心者でも飲みやすくなります。代表的な飲み方は、水割りやハイボール。ジンジャーエールやコーラなどの炭酸飲料で割ると、アルコール度数が下がるだけでなく甘味も加わるので、より飲みやすくなります。

ところで、ウイスキーを割り材で割ると、アルコール度数はどのくらいまで下がるのでしょう。参考までに計算してみます。

アルコール度数40%のウイスキー30ミリリットルを、120ミリリットルのミネラルウォーターで割ると、アルコール度数は8%程度。ビールの平均的な度数よりは高めですが、一般的なワインや日本酒よりは度数が低くなります。

ウイスキーを割り材で割って飲むときは、アルコール度数にも注目しながら、飲みやすい濃度に調整してくださいね。

ウイスキーのアルコール度数は、40~43%くらいが一般的。ほかのお酒と比べるとかなり強いお酒なので、飲みすぎには注意が必要です。適宜チェイサーを用意したり、割り材で割ったりして、おいしくたのしく味わってくださいね。

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